クラウド型のメリットは「出先からでもデータを見られる」「プログラムの更新や新機能追加がスピーディ」
電子カルテベンダーを探された経緯を教えてください
当院は、令和2(2020)年2月に、地域のみなさんに長年親しまれていた医院を継承する形で開業したのですが、前医院が紙カルテだったため電子カルテに切り替えたいと思っていました。そのため、紙カルテから電子カルテへの移行の手続きがスムーズにいくかどうか、そして時間的に間に合うのかどうかを考慮しながらのベンダー探しとなりました。具体的には、継承の半年前から探し始めたのですが、移行手続きと時間的な問題以外に、「クラウド型」「Mac対応」の譲れない条件も2つあったことから、最初から候補は4社に絞られていました。
なぜはじめからクラウド型を希望されていたのですか?
紙カルテから電子カルテに移行するメリットである、「紙が不要になってどこからでもデータを見ることができる」を最大限享受したかったからです。端末さえあれば自宅からでもデータを確認できるので、勤務時間内に終わらなかった処理を空いた時間におこなうこともできます。加えて、プログラムの更新や新機能の追加がスピーディなこともクラウド型の大きなメリットなので、仮に現状は「もっとこうなればいいな」ということがあっても、早い段階で実現する可能性が高いと思うんです。その将来性込みで期待しているし、自分自身、積極的に開発に関する希望を伝えていきたいです。
反対に、クラウド型のデメリットはどんなところだと思いますか?
稀に、サーバートラブルで止まってしまうことがあることです。そうなると診療が止まってしまうので、トラブルに備えて紙カルテも用意しておくようにしています。大抵は10分から20分で復旧しますが、その間、患者を待たせてしまうことにならないよう、対策を取っておくことは大事です。ただ、最近はCLIUSにもバックアップ機能が追加され、いざというときでも、カルテの内容は確認できるようになりました。診療を止めずに続けられるようになったのは大きな改善点です。
CLIUSの選定理由を教えてください
画面構成がシンプルでわかりやすくて、使い勝手がよかったところに好感を持ちました。しかし、一番の決め手は担当者の対応です。レスポンスが速いし、何でも相談に乗ってくれます。その姿勢は導入後も変わっていません。導入当初、ORCAとの連動に関してうまくできないことや、マスターの登録方法についてわからないことがあってメールや電話で質問した際も対応が迅速でした。しかも、導入当時に要望を出していたことが既にいくつか新機能として追加されているので、開発のスピードも速いんだと思います。それと、継承半年前にベンダー探しをスタートしたもののなかなか決めることができず、時間だけが経過していくなか、「これ以上時間がかかったら開業までに間に合わないので早く申し込んでください」と急かしてきたベンダーもあった一方、CLIUSの担当者にはそういった圧も感じませんでした。
導入後、よく使っている機能はありますか?
皮膚科での診療では、撮影した画像データをそのまま取り込める「画像・ファイル登録」機能はよく使っています。撮った写真を直接電子カルテに落とし込めるので重宝しています。泌尿器科での診療に関しては、現状はまだ検査機器をネットワークで接続していないのですが、接続した暁には簡単にデータを取り入れられますし、クラウド型なのでサーバーの容量を気にしなくていいことが大きいですよね。
CLIUSの導入は、クリニックにどんな変化をもたらしましたか?
「紙カルテから電子カルテへの移行」の大きな目標を達成した後は業務を効率化できるとわかってはいましたが、導入から半年くらいは、診察と並行して紙カルテからの移行作業も進めなければならなかったので、時間的にも大変でした。しかも、前医院時代から何年も通っていらっしゃる患者さんがたくさんいたので、患者データを打ち込むことに膨大な時間を割くことになりました。しかし、クラウド型なので診療中には手が回らなかった作業を自宅で空き時間にこなすこともできますし、入力そのものにも徐々に慣れてスピードアップしてきたように思います。
これからもCLIUSを活用することで、さらに地域のみなさんの役に立てるクリニックになっていけたらと思っています。