「経営学を学んでいないドクター」のための、クリニック集患のポイント

※この記事は2021年9月2日に行われたセミナーの模様を書き起こし、編集したものです。

クリニックを経営していくうえで忘れてはいけないのが、「集患」の重要性。

とはいえ、マーケティングに精通しているドクターばかりではないことも事実です。

今回はそんなドクターのために、Web集患において大切なポイントを解説した過去のセミナーの模様をお届けします。

講師は、 医療法人「梅華会グループ」の理事長、梅岡比俊(うめおか ひとし)先生です。

「集患」は開業で大事なことの最初の段階

「最初の段階」がなにかって言うと、開業したばかりのとき、皆さんやはり集患については一番気になるところだと思うんですけど、実はそのあとのほうがすごい山があると僕は思っていて。

僕は「人」かなと思うんです。組織の人のことですね。皆さんが開業をするにあたってやはり1人じゃできないんで、 その人をどう扱うのか、どうマネジメントするのかってことのほうが、実は集患よりも何倍も難しいのかなと思います。

ただ今回のセミナーでここまで話すとちょっと別の次元になるんで、今日は集患の話に特化しますね。「集患の後」っていうところも踏まえて、中長期的な経営を考えてもらえたらなと思います。

今回のセミナーのタイトル(経営学を学んでいないドクターのためのクリニック集患のポイント)は僕が自分でつけたんですが、先生方が経営学を本当に真剣に学ぶ機会があったのであれば、すごくメリットがあると思っています。

しかし、実際はそうでもない。じゃあなんでそうなるのかっていうと、多くの(開業を志す)ドクターがまだ「経営者」の意識がないことが多かったり、「食わず嫌い」してたりすると僕は思うんですよね。 

やっぱり本質的なところっていうのは結局、 先生方が「医療を通じてどう社会に貢献するか」なんですよね。

集患ありきでやってしまうと、 本当に患者さんが望んでるものを提供できるのか?っていうところもありますし、患者さんの幸せのために我々がいると思いますので、そこを差し置いて集患ってなるとちょっと順序が違うんで、本当に突き詰めて考えるとやはり「初心忘るべからず」だなと。

もちろん今日来られてる先生方は日々の診療に真摯な思いを持ってると思うんですけど、すでに開業されてる先生方、そしてこれから開業しようと思っている先生方も、ぜひこの本質的なところを忘れずに取り組んでもらいたいなと思います。

これからはコロナの影響もあって、世の中ってすごい変わってくると思うんで、そういったところも踏まえて常にキャッチアップして、情報のアップデートをしていくことが、集患にもつながってくるんじゃないかなと。

集患とは

僕はこれについて、結局のところ先生方が「持っている資産をどう使っていくか、どう伝えていくか」っていうことだと思います。

たとえば花粉症の治療でも、西洋のお薬から漢方薬、レーザー治療とかいろいろあると思うんですけど、結局どういったことができるのか?そして、どうやって来てもらうのか?ってことが同時に入ってると思うんですね。

後で出てきますけど、「MEO」という施策があります。MapEngineOptimization(マップエンジン最適化)の略ですけども、結局最近のGoogleで見ていくと、やっぱり検索とGPS機能がすごい発達してるんですね。

患者さんはGoogleマップで最寄りのクリニックにはどんなところがあるかを検索するので、そういったとこってやっぱ全部関わってくるんすよね。 

ここで「MEOをどう対策していくのか?となるとまたちょっとややこしくなりますけど、結局全部のことに仕組みというか動線があるわけです。

どうすれば見てもらえるのか、その(治療法や設備などクリニックの情報に対して)価値を感じてもらえるのか、クリニックに来てもらえるのか。

結果として、患者さんがその治療に満足して帰ってもらうという。その一連の流れで考えておく必要があると思います。

 考えてみると、よくある悩み事の原因には、「患者さんがクリニックに来てそこで終わり」の医師が結構多いんですよ。 

でも(集患に)一番大事なのはそこじゃなくて、そのあと患者さんに喜んでもらえることと、リピーターになってくれることを、僕はすごく大事にしたいなと思うわけです。

よく本で書かれてますけど、新患を獲得するのと、リピーターを獲得するのとでは全然違います。

リピーターになってくれることの方が重要ですから、新患獲得のことばっかりに目を捉えていては、継続した取り組みがなかなかできなくなるのではないかと思います。

集患マーケティングの種類と考え方について

集患のマーケティングは3つの段階……クリニックに来る前(来院前)、来院中、来院後に分けられます。

集患マーケティング・3つの段階

「来院前」は、Webの情報を見たり広告を見たり、人からの口コミを聞いたりといったところですね。

「来院中」は、クリックの中ですね。施設が綺麗なのかとか、スタッフの性格(接遇)はいいのかとか、いろいろ見ますと。

「来院後」ってのは、やっぱり今の医療機関においてはもっとテコ入れしていいんじゃないかって思います。LINEとかDMとかフォローコールとか、いろいろ方法はあるんですが、この辺りを考えていかないと、取りこぼしをすると思う可能性があります。取りこぼしをしないためにも、分析をしていかないと駄目なんですね。

流行るクリニックとは?

それから、流行っているクリニックと流行ってないクリニックの違いについてですが、やっぱり分析ができているかどうかかなと思います。

近くの競合に「子供に対する対応が悪い」とコメントが出ていて、自分のクリニックには「子供に優しく対応が良いと聞いた」というコメントがあれば、これは1つの強みですよね。

こういう強みを1つずつピックアップしていくのが、先生方の資産になると思います。

これはあくまで相対的なもので、競合が何をどうやっているのか?については実際に見に行かないとわかりません。そういったところをいろいろ分析していくことが大切です。

「SWOT分析」などで調べると出てくると思いますので、活用してみてください。

分析の重要性について

クリニックにリピーターがつかない・途中から来なくなってしまったなんてケースもあると思うんですけど、これも「理由」自体は結構いろいろあるんですよね。

だからこそ、クリニックに来なくなる理由ってリサーチが難しいんですけども、最近はいろんなソフトが出ているので、それらを活用するのも有効です。

ずっと来てくれている患者さんがいきなり来なくなったとき、その人だけ抽出してデータを見る、なんてこともできたりします。 なかなか目視ではわからないようなデータも出ますので、ソフトを使って分析して、フォローコールしてみたりDMのハガキを送ってみたり、アプローチしてみたりしていくことも大切です。

ただ、こういうのは全部やろうと思うと難しいので、1つずつ、できるところから参考にしていただければなと思います。

経営戦略立案の基本的な考え方

「もどす」「なくす」「うばう」があります。患者さんをどう戻していくか、無くさずにいられるか、奪っていくかということです。

1番に上げられるのは、患者さんを戻すってことですね。戦略の内容としては簡単で、かつ効果が短期で出やすいものです。

「うばう」は、患者さんに近くのクリニックからスイッチしてもらうにはどうするか?です。スイッチングコストって、実は診療科によって違います。小児科とかは結構高くつきます。

あとはご年配の方も、ずっと昔から診てもらっている年配の先生の方に行くことが多いので、スイッチしてもらうのは結構大変なんです。

やっぱり、1回かかりつけになっちゃってるともうなかなかスイッチさせるって難しい。

注目してほしいのは、「もどす」ですね。

ほかの先生のところに行っていた患者さんを呼び戻すっていう。これも結構、ハードルは低いですね。しかもスイッチングコストも低いので、さっきお伝えしたフォロー…ニュースレターなのかDMなのか、そういったことを通して呼び戻してみてほしいなと思います。

ここで言いたいのは、「戦略難易度が低いところからやる」ということです。これはぜひ覚えておいてほしいですね。

戦略難易度が高いところからやるのがイコール効果的とは限らないですし、時間もかかりますから。

そういったところも、集患の1つのポイントです。

患者さんをファンにしよう

「BtoF」ビジネス・トゥー・ファンですね。僕はこれをすごく推奨してるんすけども。

世の中に患者さんはごまんといるけども、結局我々も患者さんもハッピーじゃないと意味がないんでね。

患者さんの「ファン化」に大切な5つの要素

ファン化に大切なものとして5つ出してますけど、 やっぱり期待値を超えないと満足感がないんですよ。

高いお店に行って食事しても、それ以上の価値がなかったら「良かった」とは思えない。それと一緒で、事前の期待値を超えるような満足感をいかにして与えるかっていうのが、集患にも、リピーターになってもらうためにも大事かなと思います。 

フィールドマーケティングは、どんな一流企業でもそうだと思いますが、現場を見て、現場で何を感じているかを大事にしたいですね。

来院に結びつけるためには、まずは「クリニックのペルソナ」について考えたいですね。ペルソナとは、「たった1人の理想の顧客」と言いますが、皆さんにとって「本当に来てほしい患者さん」とはどういう層なのか?をしっかり考えた上でマーケティングや集患をすることが大事です。

現場づくりについては、さっきお伝えしたアンケートが1つの方法ですね。アンケートについて僕は「1粒で2度おいしい」ってコミュニティのメンバーには言ってるんですけど、 いいところはスタッフと同時に味わえる。たとえば「Aさんの笑顔が良かった」ってあれば、本当にありがたいことですし。

逆に「待ち時間対策を何とかして欲しい」という声があれば、どうやって改善対応するかっていうことを、スタッフと考えるいい機会になると思うんです。

現場からの情報発信なら、SNSはね本当に大事ですね。集患も大事ですが、それを別にしてもスタッフの採用に効果が出ることもあるので。

BtoFで最も重要なポイントは…

スタッフに伝えていることなんですが、僕は何よりも「共感すること」や「寄り添うこと」が一番大事なことかなと思います。うん。

そこだけは、AIに取って変えられることがないと思うんです。

他の何か……たとえば保険証関連のことだとかは今後ロボットがする時代になると思います。 そんな今だからこそ、患者さんに寄り添える人が大事かなと、僕は思います。

集患の取り組みの中で、「こういうのもいろいろされてみてください」ということで、例として以下の取り組みを出します。

患者さん向けのイベントを開いてみる

今はコロナの影響でなかなか実際に会ってどうこうは難しいと思いますが、これから落ち着いていった際には、こういうこともぜひ視野に入れて見ていただけると良いかなと思います。

こうしたイベントについては、うちのスタッフが考えているんです。

自分で考えてやるってことで、スタッフが成長してくれていることも実感できましたね。

ニュースレターを送ってみる

ニュースレターは最初はもう手書きでもいいと思います。今ではデザイナーさんに入ってもらって、右側のようなものになっていますが、もしやるなら、最初は小さく始めてみてもいいかなと。

これだけに限らず、100%を求めるがゆえに遅くなるケースもたくさんあると思います。なので、とりあえずさっさとやっちゃうと。

もう手書きでもいいから、最初はもうとりあえずやってみる。その中に込めた想いが伝わったらいいと思います。

はがきを送ってみる(新患)

新患の患者さんには、こういった形ではがきを出しています。手書きでメッセージを載せておくと、より効果的かなと思います。

とくに年配の方が喜んでくれます。わざわざお礼の手紙が返ってくることもありますよ。そういうのは嬉しいですね。 

スタッフブログを活用する

ほかには、こういうスタッフのブログですね。

メインは集患対策ですけど、採用にも繋がります。

患者さんとの接点を増やすには

「接点が多いほうがいい」。これは、マーケティングの基本ですよね。心理学では心理学でザイオンス効果と言いますが……

どうやって接点を増やすのか?ですが、ポイントは「スマホ」です。

きょうび本当にね、シニアもスマホ(を持っているん)だということですよ。

なので、「スマホでのユーザビリティを良くするためのデザイン」を考えましょう。

ネットでの集患対策(Webマーケティング)について

たとえばどうでしょう、「東京 港区 イタリアン」で調べたときに、何が最上位に出てきますかね?

PPC(リスティング広告)が出ますね。次がMEO(地図上の店舗情報)で、その次がSEO(キーワードに沿った内容のWebサイト)です。

※編集部脚注:セミナー当時の検索結果です。現在は変わっている可能性もあります。

リスティング広告・地図情報・Webサイト。どれも大事で順序があるわけではないんですが、最近は地図情報が検索結果の上にきています。だからこそ、まずはMEO対策を改善してみましょう。

MEO対策についてはネットを見ればいろいろとありますが、結局は口コミ、人の評価ですね。

口コミをどれだけ管理できるかを、僕は大切にすべきだと思ってます。

SEOについて

SEOの話になりますけども、そもそも「SEOって何でしょう?」と思う方もいらっしゃるかなと。

ちょっと長いんですけど、 SearchEngineOptimization(検索エンジン最適化)の頭文字を取ってSEOといいます。

検索結果の上位に自分のコンテンツを表示させることをいうんですが、上位表示されているコンテンツを作るコツってのがあります。これについては結構「聖書」(参考になる書籍)がいっぱいあるんで、そういった本を見てみるのもいいと思います。

ただ正直、ドクターが全部1人でやろうと思ったらきりがないんですよね。

いろいろ言っていますけど、将来的にはぜひそういう(ことのできる)優秀な部下を採用するか外注するか、 何らかのことをして、先生のやるべき仕事をどこかで切り分ける必要があると思います。

僕もお話もさせてもらってますが、僕自身がこうやってお話できるってのは、部下がいろいろ動いてくれているおかげなわけですよ。

すべてに関わると本当に大変なので、そういったところも含めて、現場以外の仕事をやる日に任せられるスタッフを雇用しておくってこともすごく大事かなと思います。 

SEOのコツ

Googleの公式発表ページで出ていたやつですけど、ページタイトルやメタディスクリプションについて、どうやればいいかについてGoogleもヒントを出してくれてます。こういうの参考になると思います。

タイトルは35文字ぐらいで収めたほうがいいとか、ディスクリプションは101文字までで収めたほうがいいとかですね。

文字数はスマートフォン基準で見たほうがいいですね。いま皆さんほとんど8割方スマホで見てますから。このタイトルがどうやったらうまく見えるかっていうのは工夫が必要かなと。

SEOで大事なのは

SEOで大事なのは、「上記表示させること」自体よりも、「ユーザーのニーズに応えること」なんですよね。それができてれば、おのずと順位は上がっていくようになっているはずです。

そのためには、ニーズを知らなければいけませんので、Googleサーチコンソールとかツールを使ってですね、世間の人たちが何を調べてるかっていうのを汁ことも大事ですね。

実際に調べてみて、キーワードにくっつく要素にどんなものがあるかを知ることも大事ですね。「内科 近く」とか「耳鼻科 日曜日」とか。

そのうえで、皆が知りたいこと・求めていることをコンテンツにしないと、やっぱり順位は上がらないですよね。

SEOのメリット・デメリット

SEOのメリットでいうと、コストがかからないんですよね。あとはコンバージョン(来院)につながりやすいとか。

デメリットは、時間がかかることと、絶対がないことですかね。

どんな文章(コンテンツ)を作るかっていうことが大事。最近はミラーサイトとか作っても全然ダメですから。もうミラーサイトはGoogleからペナルティの対象にされやすいですし、もしペナルティを受けたら集患に根本的な影響を受けるので、ややこしいことはやめましょうと。

MEOについて

やっぱりね、MEOをいかに早く上げるかは重要です。ご自身の当該地域プラス診療科目でどこにいるのか、見てみてください。

必ずGoogleマイビジネスに(※編集部脚注:現在は「Googleビジネスプロフィール」と改称)登録しましょう。 登録してない方、めっちゃ多いですよ。

これ本当にもうね、「なんで?何してんの?」て思いますけど、多分ドクターが1人でやってるからそうなると思います。それで患者さん来てるならいいですが……。でもね皆さん、これからあと30年クリニックやるんでしょ?そのために今やりましょう。

それから、口コミは必ずチェックしましょう。

リスティング広告について

リスティング広告は、キーワードやエリアによって額が違うんですよ。

たとえば、「医師 採用」というキーワードで出稿した場合、ワンクリックで1500円とかするんですよ。その分、医師の採用数を上げるのは大変になってきます。「新宿 内科」とかも大変ですよ。

どうですかね、ワンクリック数10円~高くても100円ぐらいだと思うんですよね。

電柱広告でも、リスティング広告でも、全ての広告は「出したらどれぐらい回収できるのか」という分析ができますから。広告を見た結果、クリニックにちゃんと来たかどうかを把握して、来てるんだったら出稿しましょう。

広告費が高くてもレセプトあたり1枚いくらすんのかってあたりをちゃんと分析しましょう。

広告費の目安はどのくらいなのか?

「広告費用は3%に抑えてください」とありますが、逆に言うと、3%ぐらいは使ってくださいって言いたいです。結構いろいろなクリニックで、3%も使わないんですよ。

ただ、もちろん分析も必要です。仮に150万~200万ぐらいの広告費を出したとしても、それ以上に患者さんが来るんだったら出そうというだけの話です。そこはもう機械的に淡々とやればいいことですね。別にそこに感情は要らないと思います。

顧客情報の獲得について

先生方にはまず、「既にアドバンテージがある」ということをお伝えしたいですね。

そのアドバンテージとは、「無条件で、無料で、顧客情報を得られる環境にある」ということです。

たとえばガソリンスタンドでは、ポイントカードに特典をたくさんつけて囲い込みをしている。顧客情報獲得のために、高いコストをかけているわけです。

その点、我々は無料で患者の住所から電話番号から必要な情報を得られます。でも、その情報をどうやって使ってるかっていうと、まだみんな使ってないと思うんですよね。

顧客情報の活用法としては、妊娠・出産した患者さんに何かプレゼントしたりすることもあります。

年齢もわかるわけですから、年齢の高い人には「無料の健康診断どうですか」って言ったとき、健康診断とセットで保険で受診してくれますから。

「独自の強み」を見つけよう

よく「経営では『値段をつけること』が大事だ」という話もありますが、僕たち医師って、診療に自分で値段を付けられないじゃないですか。保険診療してるし……。

では、どこが差別化できるのか?ってところですが、それがこの「USP(Unique Selling Proposition=独自の強み)」ですよ。やっぱり僕は、この「独自の強み」を打ち立てる必要があると思うんですよね。

そこって結局、人のホスピタリティーかなと思います。もちろん技術あってのことなんですけどね。

僕のクリニックのホームページなどでは、結構、顔を出してます。スタッフの顔もです。そのほうが親近感も出ると思うので。

これからの集患に大事なこと

これからの集患ですごく大事なのは、 もう「動画」ですね。ここに対応できるクリニックが強いと思います。

YouTubeそうだと思いますし、ホームページに動画を貼り付けておくと、その動画を見て「このクリニックいいな」ってなると思うんですよ。

もうあと数年で5Gが入ってくる。そうなると、2時間の映画が3秒とかで落とせるわけですから。そうなるともう動画が主流になっていく。

ただどうですかね、うちのスタッフでも「動画にする」っていうとまだ結構抵抗はあるようです。なのでそのあたりも考えて行く必要がありますね。組織の文化・風土の変化も必要かもしれません。

患者さんが「来院しやすい」クリニックとは?

USPの1つに「来院のしやすさ」があります。

他のクリニックには駐車場がないけど、うちには駐車場あるよ!っていうのは強みになりますよね。

それ以外でも、アンケートを取って、患者さんのニーズとして大きいのはどういうところかっていうのを探ることも大事です。

でもアンケートってね、普通に書くと、前半はあたりさわりのないことが多いんですよ。「先生が優しい」とか「院内がきれい」とかね。

でも後半になってくると、普段思っていることが出てくる。さっき言った駐車場のこととか、あるいは「保育園が終わる時間に空いてる」とかですね。

その結果を見て、クリニック側では「実は駐車場が便利なんだ」と気づいたりとか、ちょっと意外なところが価値の大きさとして認められてることに気づけるんです。

なので、アンケートは後半部分を結構重要視したほうがいいかなと思います。

患者さんが病院を選ぶ基準について

某飲食チェーンの社長もおっしゃってましたけど、「設備が新しい」とか「古い」というよりも、「キレイさ」ってのは結構大事なことです。クリンリネスですね。

集患のポイントまとめ

と、いうわけで。「集患ポイント」いろいろありますね。これを全部はできないと思うんですけども……。

オフラインの集患ポイント

僕自身良かったなあと思うのは、ニュースレターはぜひやってみたらいいと思うんですよね。あとはポケットティッシュもいいと思いますよ。配ったら自然と口コミで広がりやすくなりますし。

オンラインの集患ポイント

あとはクリニックのホームページ(オウンドメディア)ももちろん大事なのと、 YouTubeですね。ただYouTubeは動画投稿が1個や2個じゃ全然広がらないです。

うちも「最低100タイトルの動画を作りましょう」ってやってますけど、なかなかやっぱり時間かかるなって印象ですね。

コンテンツの集患ポイント

 あとはメルマガ。僕は自社ブログでやるのがいいかなと思います。ほかのブログサイトではなくね。

ブログサイトとかだとちょっと制度変更があるとそこで変更点にアクセス左右されたりもするので、やっぱりオウンドメディアとしての自社ブログを作るのが大事だなと思います。

SNSでの集患ポイント

SNSもいっぱいあるので、どれからやったらいいかって迷うと思うんですけども、ここは「ペルソナ」によると思います。

それぞれのSNSでユーザー層のメインって変わってくるので、そことペルソナを比較して、一番相性のいいものを選んで見るのがいいんじゃないかと思います。

クリニックの集患についてのまとめ

というわけでまとめです。

クリックに興味を持って、行こうと思って、来院して、ファンになって。

この認知からのスパイラルを考えていきたい。

そのために、来院前・来院中・来院後で分けてみることが大事です。

多くのクリニックでは、来院前と来院中に集中して、来院後のところがあんまりできてないんですよ。なので、ちょっと注意してみてほしいなと思います。

アフタートーク(Q&A)

Q.アンケートを取るタイミングはいつがいい?

A.アンケートを取る目的によって違ってきますね。

アンケートの目的が、たくさんの声を集めること……「回収率の高さ」なら、診察後にその場で書いてもらってその後で返してもらうってのが一番です。

でもやっぱりそこで出てくるものってやっぱりちょっと、「バイアスがかかってしまっているんじゃないか」「患者さんが本当に伝えたいことが出てないんじゃないか」っていう懸念はあります。いいことばっかり書かれてしまうっていうところもあるんで……。

「何の為にアンケートを取るのか?」を考えたときに、僕の場合は回収率の高さではないと思っていて。

梅華会という我々の組織がさらによりよく地域の方に貢献できるために何ができるのか?というところなので、そこを踏まえた上で最もいいと思うのは、郵送方式ですね。

切手を貼って(患者さんの任意のタイミングで)返送してもらう。

このときに大事にしているのは、「意図」を伝えることですね。

「このアンケートを通して私達自身がどうすべきかを考えたいから、ぜひ書いてほしい」ってことをちゃんと伝えるってことが大事だと思います。

もちろん、メールとかでもやれると思いますし、僕もやったことがありますけど、ラベルメールは回収率が低いですね。

ほかにも、たとえばGoogleフォームを使ったりして簡単にできるとは思うんですけど、おそらく若い人の声は集まっても、ご年配の方の声は集まらないと思いますし……。 いずれもペルソナを分析した上で一番どれがいいのかと考える必要はあるかなと思います。

ほかにはたとえば、「スタッフのモチベーションを上げるため」っていう考え方も無きにしもあらずですし。患者さんからスタッフに向けて良いお言葉をもらうためにするアンケートなら、またやり方も変わってくると思います。

Q.イベントについては、どのように進めている?

A.うちはまず、僕がやって見せています。

いきなり「なにかイベントやって」だと出ないと思いますので、最初はまず自分でイベントをやって、スタッフに見せてイメージしてもらって、ちょっとずつ移行しています。それが一番スピードが早いと思うんで。

Q.スタッフを育てていくにあたって、院長ができることは?

A.「背中を見せる」ということだと思うんですよ。

やっぱりトップの器が、その組織の器ですから。部下に「勉強しろ」「成長しろ」と言ってばかりで、当の本人が成長しなかったら、なんのこっちゃわからん。

部下に本読んで欲しかったら自分が本読むべきだと思うし、部下にセミナー行って欲しいなって思うなら、自分でセミナー行くべきですし。

行動で示して、自然とそういった空気になっていくというのはすごく重要ですね。 

Q.最も有効だと思う広告は?

A.Web、とくに自社のページです。もうそれが一番ですね。

ただこれもクリニックのペルソナ属性によるところがあるんですけども。僕の体験上ではほWebですね。

患者を集める・患者数を増やす、クリニックのファン化をオールインワンで実現

特徴

・創業事業のSEOで磨き上げたアルゴリズム分析による精度の高い内部最適化と効果の高い外部対策により、上位表示施策97%の実績 ・カスタマーサクセスによるきめ細かく手厚いフォロー体制 ・社内で開発しているため、アップデートが速い ・GMOインターネットグループが保有する豊富なドメインなど上位施策に必要な資産の活用が可能

その他特徴

集患支援 実績多数 セキュリティに強い

対応業務

SEO対策 リニューアル

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
Googleマイビジネスを活用した集患対策、マーケティングサポート

特徴

Googleマイビジネスの最適化(MEO対策)によるマーケティングをサポートします。「エリア×診療科目」などの、検索ボリュームの大きい重要なキーワードはもちろんのこと、キーワード数に依存することなく、医療機関の特徴やご要望を伺った上で施策を行います。弊社では、他社で散見されるGoogle社におけるガイドラインに違反するような施策を行うのではなく、ビジネス情報を”育てる”というスタイルで地に足を付けた対策を行います。ペナルティを受け、積み上げてきたビジネス情報が削除されてしまうといったことが無いよう、長期的な視点でのご提案を徹底しております。 コスト面においても、高額な費用となる可能性が高い成果報酬型ではなく、低価格で安定している月額制を採用しています。

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

取材協力 医療法人 梅華会 理事長 梅岡比俊

1973年生。
2008年、「梅岡耳鼻咽喉科クリニック」を開設。
2011年に医療法人梅華会理事長に就任し、分院開設。
以降は2021年までに分院・フランチャイズなど合わせて9つの施設を開設する。
『卓越したクリニック運営が日本に普及浸透し、関わる人々を幸せにする』をミッションに掲げた開業医コミュニティ「M.A.F ( https://maf-j.com/ ) 」も主催する。
トライアスロンやマラソンに挑戦するアスリートの一面や、野菜ソムリエ、歴史能力検定。ファスティングマイスターなどの各種資格も併せ持つ。


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執筆 CLIUS(クリアス )

クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。


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