「Googleマイビジネス」や「大手広告媒体」(ホットペッパービューティーなど)において、お客様からの「口コミ」は、安定した整体院の運営には欠かせません。
現在ではたくさんの整体院がありますが、そのホームページや広告などを見ていればどこも良さそうな感じがしてしまうもの。「どこのお店を選んだらいいのかわからない」という状態になっているお客様は数多くいらっしゃいます。
こういった状況の中で「お客様が何をポイントにしてお店を探して選んでいくのか?」の重要な要素として挙げられるのが「口コミ」です。
筆者自身も、口コミを積極的に集め始めた途端に明らかに集客数が増えた経験をしており、ネット上での宣伝広告においても「口コミほど強いものはない」と感じました。
この記事ではそんな「口コミ」について、
- 集めるにはどんな媒体がいいのか?
- どう集めればいいのか?
- どう活用すればいいのか?
など、筆者の実体験を基にお伝えしていきます。
口コミを得られる媒体にはどんなものがある?
なにかの口コミを閲覧するとき、その対象に対して「興味関心が高い状態」にあると思います。整体院の場合は、ほとんどが「整体に行きたい」というモチベーションが高いケースではないでしょうか。
そこにある「口コミ評価」が良いもので、「口コミの総数」が多いほど、「このお店にしようかな」と思っていただける可能性が高まってくるものです。まずは「口コミを得られる媒体」について、筆者の経験を基にお伝えしていきます。
Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)
各種媒体の中でも、最も「ニーズを満足したい欲が高い」のは、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)をご覧になってご来店くださったお客様だと感じています。
お客さんの立場になって考えてみると、真剣に整体のお店を探そうと思ったとき、ほとんどの人がGoogleで「(自分の近くの)地名 整体 腰痛」などで検索するのではないでしょうか。
実体験としても、「Googleを見てきました」というお客様は非常にマナーもよく、「お金を出して整体に通う」という意識を持って来店してくださっている上に、ある程度の情報をもとに選んでくださっているため、納得いただける施術をしっかりと行えば、リピーターになってくださる率も非常に高いです。
各種広告媒体
次に挙げられるのが「大手広告媒体」です。大手広告媒体というもの自体、「整体を探す」という意識がなければ閲覧することはないと思いますので、ここから入ってきてくださるお客様も質が高いと言っていいでしょう。
しかし、「広告媒体の中のポイントが貯まっているからそれを使って整体に行こうかな」とか、「初回クーポンが安いから1回だけ行ってみようかな」なんてお客さまも一定数はいらっしゃるので、そのすべてがモチベーションの高いお客様とは限りません。
SNS
最後に挙げるのがSNSです。SNSは「気楽に眺める」というケースがほとんどだと思いますので、「SNSから熱心なお客様を集客する」ということはあまり期待できません。
個人的にですが「SNS広告」にはお金を出さない方がいいと思っています。なぜなら、質の高いお客様が集められるという手応えがないから。
宣伝広告費をかけるなら大手広告媒体。または、GoogleのSEO対策をやってくださる業者さんに依頼して「地域名 整体」で検索した時に自分のお店のホームページやランディングページが上位にくるようにしてもらうなど、こういったことに予算をかけることが良いのではないかと思います。
ネット上における熱心なお客様が入ってくる媒体は、
- Google、ホームページやランディングページ
- 大手広告媒体
- SNS
の順番だと思います。
なので、もちろんSNSでの発信には力を入れた方がいいのですが、予算をつけて広告するのであればこの順位は意識していただきたいと思いますね。
効果的な口コミの集め方
反対の立場になればわかりますが、口コミを投稿すること自体が面倒なことなのでなかなか自発的には書いていただけないものなんですよね。
だからこそ、しっかりと明確に「口コミを書くことでお客様が得られるメリット」をお伝えすることが重要です。
それを踏まえて、実際にどんな方法があるのか?を解説していきます。
口コミで割引キャンペーンをする
お客様の立場からすれば、1番嬉しいのは「値引きがあること」です。口コミを書くということは、それだけの労力がかかりますので(文章を書くことが苦手・面倒に感じるというお客様も多い)、口コミを書いていただくことに対しての対価として料金を下げるという方法がベターかなと思います。
私は、こういった値引きに関しては「宣伝広告費」であると捉えています。口コミは大きな宣伝広告になりますから、投資した値引き分はその後でいくらでも新規集客という形で取り返せます。
口コミを募る際には自分から声をかけること
何事もそうですが、お客様に対して「受け身」の状態でいても、なかなか自分のお店にとってプラスになるような行動はとっていただけません。なので「口コミ」に関してもこちらから積極的にお願いをしていく必要があります。
理想的な展開としては、
- まずは自分のお店の施術でお客様に満足を与えること。
- お客様に満足の余韻が残っている状態の時に「口コミをお願いしたいのですが…」と話を持ちかけること。
お客様からすれば、大きな満足感を与えてもらえていれば「何かお返しをしたい」と思うものなので、この流れを生み出せれば良い口コミを投稿していただける可能性が高まってきます。
口コミを募るのは「リピーター」がおすすめ
口コミをお願いするお客様としては、やはり「リピーターさん」がおススメです。気心の知れたお客様であればお願いもしやすいですし、良い口コミを投稿していただける可能性も高くなります。
以前、馴染みのお客様が「口コミとか苦手なんだよね」とおっしゃっていたので、私がスマホをお借りして代わりに口コミを投稿したなんてこともありました(笑)。
ファン化しているお客様であればこういったこともOKなので、「リピーターさん」を中心としてお願いしたいった方が良いかと思います。
口コミを書きやすいようにQRコード等を院内に用意しておく
口コミを書きやすいようにQRコードを用意することはとても良いと思います。
私はPOPを作って受付のテーブルに随時用意しておくという方法をとっています。
「口コミをお願いしたいのですが」とお客様にお伝えしてOKをいただけたら、すぐにそのPOPからQPコードを読み込んでいただくという流れを作っておいた方がいいでしょう。
口コミの投稿ページまでのこういった手間を省略するだけでも、お客様からすれば口コミを投稿しやすくなるので是非QRコードをご用意をしていただけたらと思います。
施術時に「口コミに書いてほしい内容」を伝えてみる
「口コミをどうやって書いたらいいのかわからない」というお客様は一定数いらっしゃいますので、そういったお客様に対しては「お店側としてどのような内容のものを書いてほしいのか?」ということをお伝えするのもよいでしょう。
とくに新メニューであるとか、一押しのメニューであるとか、これに特化した口コミをいただければお店としてはありがたいですよね。
もちろん、こういったお願いをするのであれば「気心の知れたお客様」に限定した方がいいですが。実際に私も、仲の良いお客様が「口コミとか苦手なんだよね」とおっしゃったので、スマホを借りて私が代筆する形で口コミを投稿したなんてこともありました。
ただし、これには注意点があります。あまりこれをやりすぎると口コミ欄の内容が「綺麗すぎる」ものになって、「やらせじゃないか?」と思われる可能性も出てきてしまいます。
そうなると信用されなくなる可能性も出てきますので、私個人としては
- まずは最大限の満足を与える施術をお客様に提供すること。
- お客様に満足感を感じていただくこと。
- そして、その後でお客様の感性や個性を生かして口コミを投稿していただくこと。
この流れがベストではないかと思っています。いろいろな口コミ(長文や短文、文章が上手い下手など)がざっくばらんにあった方が自然に見えますからね。
口コミにはできる限り返事をする
口コミの返信は必須です。Googleマイビジネスでは「口コミをいただいてから返信は3日以内」と言われているくらいです。
せっかくお客様から口コミをご投稿いただいたのに、それに対してしっかりとお返事をしていないのであれば、逆にイメージの低下が発生してきてしまいます。口コミの返信はできるだけ早くを心がけてください。
1つのポイントとしては、お客様からいただいた口コミの文字数と同程度の文字数の返信を意識すること。長文の口コミをいただいたのであれば、こちらも長文で。短文であれば、短文で。閲覧した方からすれば、同じ文字数でのやりとりの方が自然に見えますからね。
番外編:SNSは口コミよりも拡散力がある、ともいわれるが…
私としては、SNSは確かに拡散力はあるのですが「質の高いお客様を集められるのか?」については、あまり手応えがない印象があります。
SNSを見る時には、気軽にサッサとスクロールをして眺めていくことが多いと思います。そのため、真剣に1つの投稿をじっくりと見ることがないような気がするんですよね。
整体を探す時にはGoogleで「地域名 整体 腰痛」などのワードで検索するか、整体に特化した大手広告媒体で探すか、周りの人からの紹介でいくか、こういったことがメインとなると思いますので、SNSにはそこまで力を入れなくてもいいような気がしています。
ただし、美容メニュー(インスタグラムで女性をターゲットに)は有効だと思います。特に水商売をお仕事にされている女性とか、お友達が多い女性には「インスタで(当店の)整体に行きましたって投稿をお願いできませんか?」とお願いしてみることは良いと思います。美容に関心のある女性は「口コミや紹介」に興味を持つ傾向が高いので、インスタグラムを中心としたSNSでの拡散には期待ができると言えるでしょうね。
私個人の意見ですが、治療系の技術で勝負をする整体のお店であれば「あまりSNSは有効ではないのかな?」という考えです。
集めた口コミの活かし方
集めた口コミも、活かさなければ100%その力を発揮することはありません。
せっかくなら集客に活かしましょう。
「口コミ数の多さ」をアピール
様々なホームページや広告サイトを見ても「当店はすごい」というような「自薦」のものばかり。しかし、新規のお客様の立場からしてみれば「自薦」というものに対してはそこまでの信用はできないと思うんですよね。
「自薦」よりも「他薦」の方が圧倒的に信用が高い。そして、口コミは「他薦」そのものです。
- 口コミが多いお店=他薦が多いお店
- 口コミ評価が高いお店=実際に来店したお客様から評価されている人気の高いお店
という証拠になりますので、新規のお客様からの信頼を勝ち得ることができます。大手広告媒体においても「当店は口コミ評価が高い&口コミ数が多い」という宣伝文句を使えば、それだけで他店よりも注目を集められます。
口コミを集めつつ、その集まった口コミを宣伝文句として活用していった方がいいでしょう。
仮説→検証→改善のサイクルを回す
口コミだけに限らず、ビジネスというものは
- 仮説を立てる
- 検証する
- 改善する
この3つをどれだけ回せるのか?が重要になってきます。
情報発信1つをとっても、続けていれば「いいね」の数、アクセス数、コメントの数などが数字見えてきますし、データも蓄積していきます。これを単にその時々の結果として見過ごすのではなく、なぜ「いいね」の数が多かったのかor少なかったのか?と疑問を持ってみる。そしてその結果から検証してみて、改善しながら施策を繰り返していく。
これは施術も同じで、ただ毎日の仕事だからと惰性としてこなしていくことはやめて、「今回はどうしてお客様に喜んでいただけたのか?」「クレームが入ったのか?」などを考えることで、必然的に良い施術につながり、それは良い口コミにもつながってくるものだと思います。
まとめ
大手広告媒体での掲載を始めてから、ある一定の期間に新規のお客様から「なぜ、当店をお選びいただけたのですか?」と伺い続けたことがありました。その時に多くのお客様がおっしゃったことが2点。それは「職場から(自宅から)近かったから」「口コミの評価が高かったから」というものでした。
新規でお店をオープンさせて集客を成功させたいのであれば、
- ターゲットとなる方たちが通いやすい場所(ターゲットの方たちが働いている場所or住んでいる場所)に店舗を構えること
- 良い施術を提供して満足を与え続けること(これを表面化させたものが口コミ評価)
の2点に力を入れることが重要になるでしょう。
口コミの集め方や活かし方については、記事の下で専門サービスや業者をご紹介していますので、気になる方はぜひお問い合わせください。
この記事は、2023年3月時点の情報を元に作成しています。
執筆 未来の整体師のための整体師齊藤仁重
整体歴18年。2020東京五輪日本代表選手やJ1チーム所属のJリーガーなど国内トップ選手を含む多数の施術実績を持つ。 多くのプロアスリートを施術してきた経験から【プロアスリート施術整体師】としてメディアに多数掲載しており、著書には『ビジネスマンの人生を激変させるしなやかな心のつくり方』(セルバ出版)がある。これから整体を仕事にしたい方たちに向けて「整体(施術)業界のアドバイス」を行っている。
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