リニューアル準備時に見えた先生の本性

私が働いていた家族経営の小規模クリニックは、代替わりを機にリニューアルしました。ゼロからスタートするわけではなかったため、全く新しく開業するクリニックに比べ負担は少ないものの、独立を計画しはじめてから、改装後の内装や機材新調、スタッフの確保など、考えないといけないことは山盛り。そんな苦労を乗り越え、先生の小さなこだわりがたくさん詰まったクリニックに仕上がりましたが、完成までに先生の本性が垣間見える瞬間がたくさんありました。今回は、リニューアル当時の先生の様子をお伝えします。

目次
  1. 口下手なのに値切りまくる
  2. ストレスのせい? 理不尽なクレーマー
  3. 家でして!先代と顔を合わせるだけで揉める
  4. 昨日と言っていることが違う
  5. 新しいインテリア雑貨を買い漁る
  6. 詰めが甘く、思い付きでの発言が多すぎる
  7. まとめ

口下手なのに値切りまくる

リニューアルと同時に、昔から使っていた滅菌機や細かい器具など、古くなっていたものを一気に新調することになりました。一つひとつはそこまで高くはないものの、まとめて購入となるとそれなりにまとまった金額に。

少しでも安く済ませたいと考えた先生が、昔からお世話になっている医療器材の材料屋さんに、購入したい品名のメモを渡して早急に見積書を出してほしいと依頼。そして、同じメモを別の材料屋さんにも渡し、同じく見積書の作成を依頼しました。

A社は全国展開の大手で、B社は地域密着型の小さな会社です。二社に見積書をお願いした結果、もちろんですがA社の営業マンがB社よりも安い見積書を持ってきてくれました。

すると、A社営業マンの前で、B社に「君のところで買ってあげるから、A社のこの見積書よりも安くしてほしい」と提案しはじめました。さすがの営業マンたちも困惑の表情です。B社もリニューアルという状況を汲んで、出来る限り安くしてくれていたようでした。

さらに、後からも何だかんだと付け加え、A社、B社共に「これ以上は……」という表情なのに、それにも気づかずしつこく迫っていました。

ストレスのせい? 理不尽なクレーマー

クリニックの改装工事や新しい物品の購入など、様々なことを並行して同時進行させないといけない開業時は、院長に負担がかかりがちですよね。全てがスムーズに進むはずもなく、ひとつ問題が解決したら、またひとつ問題が発生の繰り返しです。そんな期間を一年ほど過ごしていたせいか、常にイライラして焦っている様子でした。

そんなある日、新しくデザインしなおした診察カードが、外側の段ボール箱の角がやや潰れた状態で届きました。中身は段ボール板にビニールでしっかりと動かないように固定されており、不良品もありません。

しかし、外側の段ボールがやや潰れて届いたことになぜか腹を立てた先生が、配送会社にクレームの連絡をしはじめたのです。「中身に問題は一切なかったので、それくらいは許容の範囲内では?」となだめるものの、「外側の段ボールの角もぼくが受け取る商品の一部だ、こんなことあり得ない!」と逆効果になってしまいました。

余程力を入れてデザインしたお気に入りの診察カードだったのか、執拗に文句を言い続けていて、余裕がなくて大人げない姿を見てしまったなと思いました。

家でして!先代と顔を合わせるだけで揉める

先代のクリニックを180度がらりと違う雰囲気へリニューアルする計画を立てた先生。これを機に先代のときに使っていた紙カルテを廃止し、電子カルテへ移行することになりました。しかし、アナログで働いていた先代にとって、いきなりデジタルに変わると言われてもなかなかついていけず、ストレスだったようです。

また、今まで働いていたクリニックが面影もなく変わってしまうことに、先代は少し寂しさも感じていたようで、「この場所はどうなるのか?」「あそこに置いていたものは捨てたのか?」などと、先生と顔を合わせるたびに確認するため、その度に言い合いになっていました。

うまくコミュニケーションを取っていなかったのか、先生が先代に相談なく独断ですべて進めていたのかは分かりませんが、時には派手に言い争い、物を投げたり扉を叩いて八つ当たりしたりと、見ていて不安になることもありました。改装中のクリニック内で、ましてや荷物の整理や掃除を手伝いに来ているスタッフの前であることを考えて、親子喧嘩は家でしてくれと何度も思いました。

昨日と言っていることが違う

常に複数のことを同時進行しているからか、アイデアが次々と浮かんでくるのかもしれませんが、昨日指示されたことと、今日の指示が違うことが多々ありました。

昨日までは「このエリアは滅菌機を置くから薬品は反対側に……」と言っていたはずが、「やっぱりこちらに薬品を置いて向こう側に滅菌機を……」など。すでに器具や薬品を開封し並べはじめていて、再び荷物をたくさん移動させないといけなくなるにも関わらず、後から言ってきます。そもそも、滅菌機の位置などは排水の関係もあるので最初に決めなくてはいけないのでは? と思いつつも、とにかく指示通りに移動させます。

それなのに翌日になると、「よく考えたら、やっぱり動線的に最初の位置の方が良い気がする!」などと、元々の優柔不断な性格も相まって、中々物事が決まりませんでした。

先生は指示するだけで荷物がすべて移動するのでいいかもしれませんが、整理してから移動させるスタッフの身にもなってほしかったです。

新しいインテリア雑貨を買い漁る

古くなった器具を新調したため、毎日どんどん荷物が届いていました。待合室や診察室に小物として置く予定の新しいインテリア雑貨もどんどん届きます。

しかし、どこに置くつもりなのか分からないような雑貨ばかりが届きました。どうやら、先生がストレス発散のためにネットショッピングをしていたようです。気に入ったものを全体のバランスやサイズを考えずに購入していたようで、荷物が到着して開封して初めて「大きすぎるな~」「こんなデザインだったかな~」ということばかりを言っていました。

最初は届くたびに開封してどこに配置するかをみんなで考えていたのですが、あまりにもたくさん届くため、次第にインテリア雑貨の開封は後回しに。隅に段ボール小箱の山ができるほどの量でした。開封する度にゴミも出てしまうので、地味に面倒くさい作業でした。

詰めが甘く、思い付きでの発言が多すぎる

決めなければいけないことが山盛りすぎて、テキパキと段取りよく進めていかないといつまでたっても終わらない開業準備。そんな準備中にその場の思い付きのアイデアや不備の多い書類をどんどん提出していました。

基本的に医師会や銀行などに提出する書類は不備があり、無言の返却か「不備があるため再提出してください」と連絡がはいります。その度に丁寧に説明してくれるのはありがたいのですが、契約をする先生本人しか分からないような手続きの内容でも、「ちょっと説明聞いておいて」と丸投げです。

とりあえずメモを取り確認しながら対応しましたが、最終的にメモと不備であったところの内容を伝えると「どういうことだろう? 確認の連絡をしよう」と結局は自分で電話連絡をしていました。

最初から漏れのないように書類の記入をして、分からない部分はその場で問い合わせてから提出するのが基本ですし、忙しさにかまけて適当に済ませすぎているなと思いました。

他にも、改装中は様々な業者の人が出入りしていたのですが、十分に考察されていない思い付き程度のアイデアを指示していて、「それは難しいですね」とすぐに跳ね返されていることが多々ありました。

スタッフにも無理のあるお願いをしたり、常識から外れているアイデアを出してきたりと、当時の先生の頭の中は一体どうなっていたのでしょうか?

まとめ

開業準備中の先生は、出来上がりが楽しみでワクワクしている反面大変なことも多く、ストレスが溜まって情緒不安定でした。よく分からない発言をしたり突発的な行動が目立ったりしました。やることが多い分、十分な考察の上、計画的に開業準備をしていかないと、手伝うスタッフも大変だなと感じました。

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奥中ゆう

執筆 Webライター | 奥中ゆう

医療事務として6年間勤務の後、関心の高かった韓国へ移住。前職の経験を生かし医療事務としての在り方や、体験談を中心に執筆しています。


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