「研修医=忙しい」というイメージを抱いている人は多いでしょう。医師免許取得後、最初の2年間に該当する「初期研修期間」は、原則アルバイトが禁止されているため、忙しいと言っても限度がありますが、本業に差しさわりない範囲であればアルバイトも許されている「後期研修期間」の3年目以降は、人によってはかなり忙しいということもあるかもしれません。また、アルバイトをしていない研修医も、後期研修期間は時間的余裕がなくなることが多いと言います。はたしてその理由とは? さっそくみていきます。
後期研修医が忙しいと言われる理由
1.本業以外にアルバイトにも力を入れがちだから
前述した通り、研修医は、初期研修を終えて後期研修期間に突入すると、アルバイトすることが許されています。そのため、奨学金のいち早い返済などを目的に、アルバイトをいくつも掛け持ちする研修医も少なくありません。そうなると自ずとプライベートの時間は削られていきます。
2.そもそも本業が忙しいから
アルバイトで稼ぐ人も多いと聞くと、本業は忙しくないの? と思ってしまうかもしれません。しかし実際のところ、後期研修医は本業でもかなり忙しいです。
大学病院に勤務する研修医の、平均的な一日のスケジュールは以下の通りです。
AM8:00 | 病院に出勤する |
AM8:30 | 当直医からの申し送りを受ける |
AM9:00 | 指導医と一緒に、入院患者の回診をスタート。症例などについて勉強する |
AM11:00 | 指導医のもと、手術の指導を受ける |
PM1:00 | 昼休憩 |
PM2:00 | 先輩医師の診療を見学する |
PM3:00 | 先輩医師の手術をサポートしながら勉強する |
PM5:30 | 業務終了後、カルテの作成などをおこなう |
PM6:30 | 退勤 |
この業務をこなしながらアルバイトにも精を出そうと思ったら、体力的にも精神的にもかなりきついことがおわかりいただけるでしょう。
3.覚えることがたくさんで、予習復習にも時間がかかるから
19時過ぎには帰宅できたとしても、その後、翌日に備えて勉強しなければなりません。その日教わったことの復習はもちろん、初めての業務が待ち受けているなら、そのための予習にも時間を充てたいところです。また、そもそも医療は日々進歩し続けているため、どこまで勉強しても「すべて学び終わった」なんてことはありません。生涯、学び続ける覚悟が必要な仕事だといっても過言ではないでしょう。
4.医師としてのキャリアは最下位のため、雑務なども任されるから
研修医は医師としてのキャリアは一番下になるため、なにかと雑務を任されがちです。たとえば、レセプトや学界の資料作り、懇親会のセッティングなどもそのひとつ。雑務に時間をとられていては自分のことに時間を使えなくなるので、要領よくこなすスキルを身に着けた方がいいかもしれません。
5.研修医であっても一人前の医者として仕事することが求められるから
医師としてのキャリアは短いとはいえ、研修医も医師免許を持った医師であることに変わりありません。患者さんから頼りにされる存在でいられるよう、自信を持って仕事したいとの想いから、人一倍努力を重ねる研修医も多いことでしょう。
多忙な期間を乗り切るためにはしっかりと自己管理することが必要
後期研修期間は基本的に3年間なので、多忙な期間はかなり長く続くことになります。そのため、一人前の医者になろうと思ったら、かなりの体力や精神力が必要とされることは間違いありません。医者が身体を壊しては本末転倒ですので、しっかりと自己管理しながら、学問にも仕事にも励んでくださいね。
特徴
対応業務
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診療科目
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この記事は、2021年8月時点の情報を元に作成しています。