口は悪いが、腕は一流の医師

医師は、処置や手術の手技が問われる場面が多くあります。そのため、その点に注目は集まりがち。総合病院なら、各病院にひとりは、「腕が一流」と言われる医師がいるのではないでしょうか。本記事では、私の実体験や聞いた話をもとに、医師、看護師に向けてご紹介していきたいと思います。ただし、私自身が医師ではないため、本当に腕が良いかどうかはわかりませんので、その点を踏まえてお楽しみください。

目次
  1. 腕が一流とされる医師
    1. 他では困難とされた手術を成功させた
    2. 手技が問われる内視鏡を成功させた
    3. 手術による出血量が少ない
    4. とにかく処置が早い
    5. 誰も見つけることができなかった病気を見つけた
  2. 強面で口も悪い、でも腕は良い
    1. 言葉遣いが悪い
    2. 患者にも平気で怒る
  3. 腕がよいと評判を聞きつけ受診にくる患者
  4. 実は面倒見も良い
  5. 実際に腕が良いのか
  6. 医師にもっとも求められることは「腕の良さ」

腕が一流とされる医師

何をもって一流とされるか難しい部分はありますが、私の周りの、腕が良いと言われていた医師の特徴を紹介していきます。

  • 他では困難とされた手術を成功させた
  • 手技が問われる内視鏡を成功させた
  • 手術による出血量が少ない
  • とにかく処置が早い
  • 誰も見つけることができなかった病気を見つけた
  • などを良く耳にすることが多くありました。

他では困難とされた手術を成功させた

ドラマのような展開ではありますが、実際にあることです。最初に診た病院では治療が困難な場合、セカンドピニオンのために紹介された病院で、家族や本人が強く治療を希望すれば、手術をおこなうことがあります。病院の規模などにもよりますが、大きい病院ほど専門分野が細かく分かれているため、スペシャリストも多いでしょう。しかし、いくら専門とはいえ難しい手術では大変リスクを伴います。いくら本人が、「どうなってなってもいいから治療して欲しい」と希望されたとしても、リスクがある以上は病院側も避けたがるでしょう。

しかし、中には入念な検査をおこない手術を成功させるケースもあります。どの病院にも見放された状態の人の手術を成功させるのですから、腕が良いとしか言いようがないのかもしれません。

手技が問われる内視鏡を成功させた

内視鏡手術には、患者さんの身体の侵襲を最小限に抑えるメリットがあります。近年、さまざまな手術が内視鏡を使ったものに変わってきています。内視鏡手術ではカメラ越しに器械を操作するため、熟練した手技が必要です。内視鏡での手術が困難と判断された場合は、手術中に開腹や開胸に変更することも珍しくありません。通常であれば、始めから内視鏡ではなく開腹や開胸での手術となるような状態でも、内視鏡で手術をおこなう医師がいました。

どれほど難しいことなのか、医師ではない私にはわかりませんが、医師の話では「普通だったら開くよな」「あれを内視鏡でなんて俺にはできない」「内視鏡という選択肢はないな」と言われていました。他の医師がそこまで言うのですから、医師の中でも腕は良いに違いありません。

手術による出血量が少ない

手術の出血量によって、患者さんにおよぶ影響は大きく変わります。医師も手術では、できるだけ出血量を抑えたいと考えているかと思います。手術のよる出血量は、その部位によって大きく異なり、できるだけ迅速に手寧におこなうことで、患者さんにかかる負担も軽くなり、術後の合併症リスクも低くなります。

以前、消化器系の手術で予定時間よりも2時間近く早く終わったことがありました。周囲では、あまりにも終わる予定時間が早かったので、「何かあったのではないか」と心配はしていましたが、そうではなく本当に手術が無事終わったのです。一緒に入った医師に「早かったですね」と声をかけたところ、「あれはすごい」といった反応でした。実際にどうすごいのかはわかりませんが、一緒に執刀した医師が「出血が少ないから術後も安心だぞ」の話をされていたのを覚えています。出血量をいかに少なく抑えるかも、医師の腕の見せ所なのかもしれません。

とにかく処置が早い

医師による器械の操作は、手術以外に病棟でおこなうことが多々あります。その場合には、看護師も必ず介助に入ります。患者さんの症状から、疑わしい病気を診断して、検査によって確定すれば、すぐ処置をおこないます。ときには一分一秒を争うこともあるので、医師の診断、判断力が問われてくることかもしれません。

私も、さまざまな処置についた経験はありますが、いつも迷いがなく、どんな処置もあっという間に終えてしまう医師がいました。あまりの速さに患者さんも「もう終わり?」と聞いてこられることがありましたし、「準備している時間のほうが長いじゃん」と思うこともありました。しかもいつも失敗もないため、看護師から見ても腕が良い医師であると感じずにはいられません。

誰も見つけることができなかった病気を見つけた

患者さんの中には、病気の診断がつかず辛い症状に悩み続ける人も少なくありません。さまざまな病院に行っても病気がわからず、病院を転々とする患者さんもいます。その病気が初期段階であると医師も見つけにくく、見つかったときには手遅れというケースもあります。

病気を見つけるスキルは、医師の経験や知識などで大きく変わってくるんではないかと思います。以前、病気がわからず病院を転々としている患者さんが外来を受診しました。他の病院でも検査などおこなっているため、できるだけ他病院から情報をかき集め、診断にあたります。

疑わしい病気があれば検査をおこなって、誰も見つけられなかった病気をみつけ、治療にあたるケースもあります。ちょっとした症状や見逃してしまいそうな情報を参考に病気を見つけるのですから、腕の良い医師と言ってよいのではないでしょうか。

強面で口も悪い、でも腕は良い

私が関わった医師の中に、強面で口も悪い医師がいました。患者さんからも、「あの先生は怖い」と言われるほど、その地域でも有名なぐらいです。近隣に医療機関が少ないということもありますが、ある特定の疾患になるとその医師を頼りに受診にいらっしゃる患者さんもいれば、その医師宛てに紹介状がくることも少なくありません。その結果、来院した患者さんたちはファーストコンタクトで驚くことが多いのです。なぜかというと、初対面の患者に対しても言葉遣いや悪く、患者さんに対しても平気で怒るからです。

言葉遣いが悪い

その医師はとにかく言葉遣いが悪いです。スタッフにならまだわかりますが、患者さんにも変わらず同じ対応です。「あんなに言葉遣いが悪い医師に会ったのは初めて」と驚く患者さんもたくさんいました。そのため、クレームやトラブルに発展することもありますが、それでもその医師が変わることはありません。

患者にも平気で怒る

その医師は患者さんに平気で怒ります。しかし、理由なく怒っているわけではありません。

例えば患者さんが、何度も内服薬の服用を忘れたとします。通常だと、「忘れないように服用を続けましょうね」と優しく声をかけるでしょう。しかし、その医師は「だから治らねえんだ。自分勝手にやっていたら治らねーぞ」です。しかも怒鳴るので、周りの患者さんも驚くことが多いです。患者さんだって忘れることがあるので、仕方がないことだとは思いますが、その医師が言うことも一理あります。

患者さんは、症状に悩み受診します。症状が強く出ている間は、患者さんも辛いためしっかり内服を続けます。しかし、症状が軽くなってくると、患者さんは「もう大丈夫だろう」と判断したり、内服を忘れてしまったり。自己中断、自己調整してしまう患者さんもいます。そうなると抑えられていた症状がまた出てくるのです。患者さんのことも考えて怒っているため、「怒られてもしょうがないな」と思うこともあります。

腕がよいと評判を聞きつけ受診にくる患者

腕が良いという噂を聞きつけ、受診にくる人も少なくありません。ですが、その医師が最も嫌うのが、症状が良くならないと病院を転々として、紹介状を持たずに受診に訪れる患者さんです。こういった患者さんには激怒します。患者さんからすれば、症状が良くならないから病院を転々していたのでしょうが、医師からすれば、どんな症状があってこれまでどんな治療をおこない、どんな経過を辿ったか、どんな対処をしたのか全く情報がないため、治療がしづらくなるのです。患者さんに聞いても、医療は専門的なことが多く難しいため、理解しきれていません。そのために激怒することも少なくないのです。

実は面倒見も良い

紹介状がなく受診した患者に対して一度は激怒しますが、その医師は、患者さんがこれまでにかかった委員からしっかり情報を取り寄せて診察に当たります。診察をして入院が必要であれば入院してもらい、場合によっては手術します。実はこの医師は、外来と病棟では対応が変わってきます。外来だと機嫌が悪いですが、病棟ではそうでもないのです。そのため、そのギャップに驚く患者さんも少なくありません。また、退院の時期が来たとしても、患者さんにまだ症状が残っていたり、退院後に不安を感じていたりするようであれば、無理に帰すことはせず、最後まで責任を持って治療に当たるのです。そのため、入院してからその医師の良さに気づき信頼する患者さんも多くいます。

実際に腕が良いのか

腕が良いと聞きつけて受診する患者さんや、紹介状を持って来る患者さんはたくさんいます。中には、数年から数十年、症状に悩まされ、どの病院に行っても治らないと来られた患者さんもいます。そして、その医師によって症状が軽くなったり改善していったりする患者さんはたくさんいるのです。患者さんからすれば、どんなに口が悪い医師だったとしても信頼度があがりますし、医師の対応にも次第に慣れてきます。実際に患者さんから「手術してもらってよかった」「もっと早く来ればよかった」など聞くこともたくさんあります。

また、他の医師が「〇〇先生だから、ここまで改善したんだよ」と患者さんに伝えているところを見ると、腕の良い医師なんだと実感することもあります。

医師にもっとも求められることは「腕の良さ」

その医師の口の悪さは、スタッフにも患者さんにも伝わっています。看護師の場合、腕があったとしても、コミュニケーション能力がなければ、患者さんから信頼を得られません。しかし医師の場合は、腕が良いだけでも信頼度がとても上がります。そもそも患者さんは病気を治してもらいたくて病院にきているため、医師に求めていることは「腕」になるのでしょう。これで、コミュニケーション能力が高ければ、さらに信頼度はアップするかもしれませんが、これはこれで、この医師の良いところなのかもしれません。

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ベル

執筆 男性看護師ライター | ベル

看護師歴14年目。救急、ICU、外科、内科を経験トラブルも多い看護の世界でいろいろいあってもこの仕事が好きな男性看護師。 現在、管理職として働きながらブログなどでも経験を活かしたノウハウを執筆しています。


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