電子カルテの導入検討時にまず知りたいのは、導入することによるメリットでしょう。電子カルテを導入することによって覚えないといけないことが増えるのに、それでも導入するメリットってあるの? そう考える人のために、具体的にどんな効果が期待できるのかをご紹介します。併せて、導入支援についても解説していきますのでぜひ最後までご覧ください。
電子カルテ導入のメリットは?
1. 紙カルテの保管スペースが不要になる
電子カルテを導入することにはさまざまなメリットがあります。まず、紙カルテと異なりデータがサーバー上に蓄積されるため、紙の保管場所が不要になります。規模の小さなクリニックであったとしても、何年も続けているうちに紙カルテの量は膨大になっていきますが、電子データであればスペースを確保しておく必要がありません。また、クラウドにデータを保存するようにしておけば、水害などでデータがすべて消えてしまうということもありません。
2. 作業効率が上がる
データがサーバー上にあれば、特定の患者のカルテを探す際も検索すればいいので一発です。さらに、レセプトコンピューターと連携させれば受付業務から会計業務まで効率よく回すことができるので、患者の待ち時間を減らすことにつながるうえ、場合によっては人件費の削減にも役立つでしょう。また、入力する際は、あらかじめ登録しておいた「セット」を利用することで入力の手間が省けたり、診断書や紹介状といった各種書類のテンプレートに自動で患者情報が記載されたりするので、医師の業務も効率化できます。
3. スムーズに情報共有できる
電子カルテに入力した情報はほぼリアルタイムで反映されるため、スタッフ間の情報共有がスムーズになります。たとえば、受付スタッフが入力した患者の症状や既往歴などの情報を、医師は診察室にいながらにして確認できますし、診察を終えてカルテが記入されると、事務が再入力しなくてもカルテで入力された情報を元にレセコンを通して、医療費が自動的に計算されます。また、ネットワークの接続環境さえ整っていれば、往診先でもPCやタブレットからリアルタイムで情報を閲覧および共有できます。
また、一部カルテでは、地域連携を通して、他の医療機関および国や自治体とのデータ共有もスムーズにおこなえるように対応しているため、より質の高い医療を提供できるようになります。
4. ミスが減る
紙カルテにしたためられた手書き文字が読みにくいと、読み間違いの可能性が高まりますし、そもそも書き間違えている可能性もあります。しかし、キーボードで打った文字であればそうした可能性はありません。また、入力情報の整合性をチェックする機能が備わっている電子カルテであれば、処方ミスなども防ぐことができます。さらに、患者のアレルギーや併用禁忌などもチェックできるので、安全性を高めることにもつながります。
電子カルテ導入にあたってどんなサポートが受けられる?
電子カルテのメリットを知っても、「導入のための設定ができる自信がない」「使い方が難しそう」「導入費が高そう」など不安が尽きないという人もいるでしょう。しかし、心配は無用です。設定や操作方法習得に自信がないなら、各メーカーのサポートを受けることで不安が解消されるでしょう。メーカーによってサポートの充実度は異なるので、どんなサポートが受けられるのかを比較検討することで電子カルテを選ぶのも一手です。
たとえば、富士フィルムヘルスケアシステムズ株式会社の「Open-Karte Cloud」なら、導入にあたって専任スタッフが定期的に訪問して、運用提案や操作のレクチャーをおこなってくれます。一方、エムスリーデジカル株式会社の「エムスリーデジカル」は、対面ではなくweb面談をメインにデモを実施しています。
その他の主な電子カルテのサポートは以下の通りです。
会社名 | サポート内容 |
株式会社Donuts「CLIUS」 | 電話サポート、メールサポート、遠隔サポートに対応。導入後のトラブルに関しては、パソコンを遠隔接続して、クリニックの画面を確認しながら電話で操作方法の説明を受けられます。また、クリニックごとの個別の課題にも随時対応。各種システムとの連携サポートなどもおこなっています。電話でのお問い合わせは平日9時~18時、土曜日9時~13時です。メールでのお問い合わせは24時間受け付けております。(営業時間外のお問い合わせは翌営業日のご返答となります) |
エムスリーデジカル株式会社「M3 Digikar」 | 初期費用:0円、月額費用19,800円の「一体型プラン」(電子カルテ+レセコン)は、月額利用料に電子カルテ・レセコンの利用、更新、メールサポート、電話サポート(対応時間:平日10-18時)を含んでいます。 |
株式会社メドレー「CLINICSカルテ」 | web面談形式のオンラインデモを実施。また、リアルタイムで利用できるオンラインサポートや、必要に応じて往訪でのサポートもおこなっています。平日の通常の時間帯(10時~19時)であれば電話/メールでの対応をおこなっています。クラウドでの運用のため、質問すれば回答や原因の調査などスピーディに対応してもらえます。 |
きりんカルテシステム株式会社「きりんカルテ」 | オンライン体験会を実施しているほか、クリニックごとの運用希望をヒアリングしてサポートしています。また、導入時には、「きりんカルテ+日テレクラウド」の導入や稼働後のサポートを提供する有償サポートを契約する必要があります。サポートは、きりんカルテと契約した代理店(サポートパートナー)が請けています。サポート窓口の対応時間は、月~金:10:00~17:00、土・日・祝: 休 |
セコム医療システム株式会社「セコム・ユビキタス電子カルテ」 | 導入時には、ネットワーク構築から運用提案、研修までおこないます。運用開始後は、電話サポートにもwebシステムからの問い合わせにも対応。パソコントラブルなどで電子カルテが利用できなくなった場合でも、リモートでクリニックのパソコンの操作をサポートしてくれます。平日9:00~19:00までが通常電話サポート。時間外は緊急電話サポートとして受け付けています。また、Webでの問合せやサポートスタッフがリモートでユーザーの操作をナビゲートする遠隔操作サポートにも対応しています |
株式会社ファルコバイオシステムズ「HAYATE/NEO(ハヤテネオ) | 翌日の外来診療に影響を及ぼしそうな重大な障害時には24時間365日対応。通常のサポートは、専用問い合わせフォーム、電話、FAXで受け付けています。専用問い合わせフォームは24時間365日対応。サポートセンターの電話受付は、平日9時~17時30分です。※重大な障害時は24時間365日対応 |
金銭的なサポートも補助金で受けられる!
また、金銭的な不安が大きいなら、補助金を活用してはいかがでしょうか? ITツールを導入する際に国から給付を受けることができる「IT導入補助金」もそのひとつ。一定の条件や審査はありますが、チェックして損はありません。また、「東京都病院診療情報デジタル推進事業」などでも、電子カルテシステムの整備支援をおこなっているので、気になる人はぜひ調べてみてくださいね。
特徴
オプション機能
対象規模
提供形態
診療科目
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対象規模
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この記事は、2021年11月時点の情報を元に作成しています。