患者さんの待ち時間対策に悩むクリニックも多いのではないでしょうか。
待たされる側にとっては、診察までの時間が分からないのはストレスのもと。クレームの原因になるほか、クリニックの評判や口コミの悪化につながる可能性もあります。
待ち時間そのものを減らすアプローチが重要なのはもちろんですが「待ち時間の目安が分かること」は患者さんにとって時間の有効活用やストレスの低減にもつながるでしょう。
今回の記事では「Bee順番管理」を紹介します。導入したクリニックでの患者さんの満足度向上に寄与しているほか、コロナ禍の影響もあり、院内の密状況の緩和や、患者さんの平準化につながるなどさまざまなメリットや導入をおすすめするクリニックの特徴などを事業責任者である株式会社メディ・ウェブの山口様にお聞きしました。
※本記事に記載の情報は取材を行った2022年6月28日現在です。
回答者:山口 努氏(株式会社 メディ・ウェブ 3Bees事業部 事業統括マネージャ)
Bee順番管理のメリット
--順番管理がある場合の患者さんのメリットをご説明ください。
山口:まず、来院前にパソコンやスマートフォンを使って診察の順番待ちのエントリーができます。リアルタイムの待ち人数も分かるので、順番待ちの時点で混雑状況も確認できます。また家族の分まで複数人予約にも対応しています。
さらにLINEを通じて、クリニックを「友達登録」すればLINE上で予約や順番も取れる機能があります。
そのため、自宅にいながら、会社などからも、状況や残りの人数が手元で分かるのが最大のメリットですね。余裕をもってご自分の順番より早めに到着される患者さんもいらっしゃいますが、たとえば近くのコンビニや喫茶店などで時間を調整しやすいので好評をいただいています。
表示できる情報の「現在の呼び出し番号」「待ち人数」「目安の待ち時間」の3つです。目安時間は「書いてあった時間より待たされた!」と言われないように非表示にもできます。
比較的、時間に余裕のある方は、混雑しているなら時間をずらして受診しようなどと、来院時間の平準化効果も期待できるのです。会社勤めの方など、受診できる時間が限られている方にも「混んでいると分かっている」ことの心理的効果は大きいようですね。仮に混雑で時間がかかるとしても、いつになるか分からないというのが一番のストレスだからです。
--患者さんがイライラしてしまうと満足度は低下しますし、院内の雰囲気もよくないですよね。
山口:そうですね、オンラインで順番が確認できると、直接来院される患者さんが減りますので、クリニックで待たされている患者さんの姿が激減すると言ってよいでしょう。結果的に受付スタッフの皆さんがクレームを受ける回数が減ったというご報告もいただいています。
--待合室、つまり院内でもリアルタイムで表示できるのですよね。
山口:もちろんです。表示用モニタさえ設置すれば、特別な設備費用もかかりません。また、これは「Bee順番管理」の特徴ですが、クリニック様のホームページ上で直接表示(コンポーネント表示)ができるので、毎回外部のホームページまで見に行く必要がありません。実は患者さんにとっては、余計な工数が減るため好評なんです。
またサービスの副産物ですが、クリニックのホームページへのアクセス増につながります。普段クリニックのホームページにコンテンツを載せても「全然見てもらえない」とお嘆きの声もお聴きしますが、一日に何度もクリニックのホームページを訪れてもらえるので、他の情報も合わせて届けるチャンスが広がりますね。
--プッシュ通知の機能もついているとか。
山口:はい、可能です。順番待ちする際に、メールアドレスと電話番号を入力していただくので、院外にいる患者さんに、診察の順番や時間が迫っているとメールでリマインドされるようになっています。順番待ちにLINEを使った場合は、LINEで通知されます。これらもクリニックの省力化に貢献します。
「Bee診察予約」システムとの連動でさらに便利に
--待ち時間の短縮という点では診察予約のシステムも手がけていらっしゃいますね。
山口:もともと予約システムが先のリリースでした。弊社の創業者(現・会長)が眼科の開業医で、眼科にちょうどよい予約システムがなかった当時に自社で開発したという経緯があるのです。こちらも、予約可能なスロット数を細かくカスタマイズできるという特徴があります。
院内での再来予約と患者さん自身によるオンライン予約が一元管理できるので患者さんの集中が緩和されます。結果的に待ち時間やストレスの軽減につながるのです。
--コロナ禍によってかなりクリニックからの引き合いも多かったようですね。
山口:とくに予約システムは、新規開業されるクリニックではほぼ必ずと言っていいほど導入されていますね。また補助金助成の対象となったことも追い風になったのは間違いありません。現在は500を超えるクリニックで利用をいただいています。
独自のコールセンターを運用しクリニックの負担を軽減
--便利な一方で、高齢の患者さんが困りそうという悩みもあるかと思います。
山口:はい、大前提として「完全予約制」「完全オンライン順番待ちのみ」を推奨しているわけではありません。時間帯によって予約枠を減らす方法や、クリニックに直接来られた患者さんにも順番のルールをご説明するなど、弾力的な運用が可能です。お電話や対面で予約したいという方にはクリニック内で予約を入れていただいても一元管理可能です。
--ただ心配事として、患者さんが予約サービスの使い方が分からずに問い合わせが増えるなどの懸念はないのでしょうか。
山口:弊社では独自の患者様専用のサポートセンターを運用しており、予約や順番待ちに関してはクリニックではなく弊社サポートセンターの電話番号をご案内いただくと、使い方などの質問をすべて弊社でお答えします。
率直に言えば、かなり初歩的なお問い合わせが来ることもありますが、こうした業務を弊社で巻き取らせていただくことが、クリニックへの価値のご提供になると思っています。
導入までの流れと費用
--導入前に操作方法などは体験できますか。
山口:はい、確認いただけます。お手持ちの端末で実際の画面を利用できるオンラインデモやお伺いしてのデモでのご案内があるので、操作のしやすさを体感いただけたらと思います。お問い合わせをいただいたら、利用方法のご提案後、体験→お見積り→契約・導入という流れでになっております。
--初期にかかる導入費用と月額費を教えてください。
山口:電子カルテと連携する場合を想定した場合の初期費用をご説明します。「Bee順番管理」「Bee診察予約」でそれぞれ68万7,500円です。両方導入いただく場合は、80万8,500円とお得な割引になっています。
月額費用は、順番管理または診察予約が単体で1万2,000円でセットの場合は1万8,000円です。
--先ほどご説明いただいたサポートセンターの費用や患者さんの数に応じた料金の変動はあるのでしょうか。
山口:はい、サポートセンターの料金は月額費用に含まれています。また患者さんの利用数によっても料金は変わらないので、完全な固定料金と捉えていただければと思います。
--利用が多いほうがお得とも言えますね。
山口:そうですね。順番管理、診察予約ともに導入してくださったクリニックでは、患者さんが増えたというお話しも多く聞きます。一見、患者数をおさえるシステムだと誤解されるのですが、むしろ満足度が向上し、リピート患者さんが増える流れができているのではないでしょうか。
初期費用はかかるものの、予約システムや順番管理システムは毎日お使いいただくもの。そして長期間にわたって活用いただくものです。まずは体験だけでも、試していただければと思います。長い目で見たときに、必ずやクリニックの日々の業務をお助けし、患者さんのためにも役立てると考えています。
便利で選ばれるクリニックになるために
医療の質はもちろんですが、患者さんの利便性が求められるようになっています。待ち時間は極力減らしたいものの、少ないスタッフ数で診療を行うクリニックではひとりの患者さんで診察が長引いてしまうケースをなくすのは困難です。
しかしながら、患者さんにとっても時間は有限で「待ち時間を有効利用できるような配慮」は、他のクリニックとの差別化につながるのではないでしょうか。
スタッフと患者さんにとってストレス回避が実現できれば、最終的にクリニックの医療の質向上にもつながるかもしれません。
特徴
対応言語
その他機能
予約・受付機能
提供システム
システムとの提携
診療科目
この記事は、2022年8月時点の情報を元に作成しています。
執筆 執筆者 藤原友亮
医療ライター。病院長や医師のインタビュー記事を多く手がけるほか、クリニックのブログ執筆やSNS運用なども担当。また、法人営業経験が長く医療機器メーカーや電子カルテベンダーの他、医師会、病院団体などの取材にも精通している。
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