支払い方法の選択肢が豊富になってきた昨今、「自分にとって都合がいい支払い方法が可能かどうか」は、利用者にとって大切なチェックポイント。患者が医療機関を選ぶときにチェックするポイントにもなっています。そのなかから今回は、「後払い決済」に注目。クリニックにおすすめのサービスなどを紹介します。
後払い決済とは?
後払い決済とは、ネーミング通り、消費者が商品を受け取ったりサービスを受けたりした後に、代金が支払われる決済方法です。消費者とサービス提供者の間に入った決済代行会社によって、決済手数料が差し引かれた金額が、サービス提供者に入金される仕組みです。
消費者は、後払い決済サービス利用の申し込みをする必要があり、この際、支払い可能な金額の上限額が「与信」として設定されます。消費者は、与信の範囲内の額であれば利用することが可能です。
また、後払い決済は「BNPL」と表記されることもありますが、これは「Buy Now Pay Later(今買って後で払う)」の頭文字を並べた略語です。
後払い決済とクレジットカード決済の違いは?
代金の支払いがサービス利用後となると、サービス利用後に口座から引き落としとなるクレジットカード払いと何が違うの? と思う人もいるでしょう。後払い決済とクレジットカード決済の違いは、主に2つあります。
3~4回までの分割払いに手数料がかからない
クレジットカードは3回以上の分割払いを選択すると手数料がかかりますが、後払い決済は分割を選択しても手数料0円です。ただし、分割の回数にも限度があります。たとえばPaypalは2020年から4回払いが可能となっていますが、日本初の後払いサービスである「Paidy後払い」は3回払いまで手数料無料で利用可能です。
基本的に与信審査がない
クレジットカードを発行する際は、カード会社が申込者の支払い能力を事前に審査しますが、後払い決済は、基本的に審査をしないかわりに限度額が低く設定されています。ただし、毎回きちんと支払いをおこなっていると、上限が増えていく仕組みです。
後払い決済のメリット、デメリット
続いては、後払い決済のメリット、デメリットをみていきましょう。
メリット | ・手元にお金がない患者にも来院してもらえる ・クレジットカードを持てない学生や主婦も取り込める ・請求書送付や督促も丸投げできる |
デメリット | ・手数料がかかる ・決済代行会社によっては、未払い保証がない |
クリニックが後払い決済を導入するメリット
クリニックが後払い決済を導入する一番のメリットは、給料日前などで現金の持ち合わせがない患者も診療を受けることができるため、患者数が増える可能性があるということです。しかも、クレジットカードを持っていない学生や主婦などでも利用可能な支払い方法であることから、必然的にパイが大きくなります。
また、決済代行会社を間に挟んでいるので、請求書の送付や、約束通り支払われなかった場合の督促などに手間を取られることがありません。
クリニックが後払い決済を導入するデメリット
一番のデメリットは手数料です。ただし、プランによって手数料が異なる場合がほとんどで、決済のたびに手数料がかかるプランもあれば、月額利用料として固定されているプランもあります。手数料が割高にならないプランを選ぶことで、メリットとデメリットを天秤にかけたとき、メリットのほうが大きいと感じやすいでしょう。
ちなみに、手数料がかかるのは、保険診療であれば3割負担の部分のみ。そのため、割高になるプランだとしても総額はさほど大きくはありません。
また、決済代行会社によっては、患者が期日までに支払いを済ませなければ、そのぶんの金額をクリニックに入金しないとするところがあります。代金未払いでも確実に立て替え払いしてもらうためには、「未払い保証」を謳っている決済代行会社を選ぶ必要があります。
医療機関での導入に適した後払い決済サービスは?
続いては、医療機関での導入に向いている後払い決済サービスを紹介します。
VeriTrans4G(ベリトランス)
後払いのほか、クレジットカード決済やコンビニ決済、キャリア決済、電子マネー決済、ID決済、銀行決済などにも対応したマルチ決済サービスです。
後払いドットコム
オンライン診療やピルの処方、ED、AGA関連の処方をおこなうクリニックでの実績が拡大中です。請求業務をすべて代行してくれるうえ、未回収リスクは100%保証なので安心。初期費用および月額固定費は0円。後払いドットコムを利用した患者のコンビニ決済の請求がない月は、料金が発生しません。
医療費あと払い
「医療費あと払い」サービスに無料登録した患者は、その都度、サービスを利用するかしないかを選ぶことができます。使用しなければ利用料は発生せず、利用したら会計を待たずに診療後すぐに帰宅することができるので、会計の待ち時間削減にも役立ちます。
Sma-pa CHECKOUT(スマパ チェックアウト)
患者は、クレジットカード決済またはコンビニ支払いの2つから支払い方法を選べます。領収書や明細書はアプリから確認できるため、医療費控除のために領収書がほしい場合なども患者は再来院しなくて済みます。
参照:Sma-pa CHECKOUT(スマパ チェックアウト)
キャッシュレスの普及、オンライン診療の普及に伴い、後払い決済を導入する医療機関も増えることが予想される
コロナ禍をきっかけにキャッシュレスやオンライン診療が普及しつつありますが、これによって後払い決済を導入する医療機関も増えているのが現状です。今後はさらに導入率が増加していくことが予想されるので、「患者から選ばれるクリニック」になるためにも、少しでも早い段階で導入しておくことをおすすめしますよ!
特徴
対応業務
その他特徴
決済種類
診療科目
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対応業務
決済種類
その他特徴
診療科目
この記事は、2022年9月時点の情報を元に作成しています。