美容クリニックのコンセプトの決め方は?

クリニック開業時には、自院のコンセプトを決めることが大切です。コンセプトをきちんと決めずに走り出してしまうと、経営がうまくいかなくなることもあります。

そこで今回は、美容クリニックに焦点を絞って、どんなふうにコンセプトを考えていけばいいのかを説明します。

目次
  1. クリニックにおける「コンセプト」とは?
  2. なぜコンセプトが必要なのか?
    1. 開業準備を進めやすくなる
    2. どんなクリニックであるのか患者が理解しやすい
    3. スタッフにクリニックの方向性を示せる
    4. 常に原点に立ち返ることができる
  3. 美容クリニックのコンセプト作りにおけるポイントは?
    1. ターゲットに沿ったコンセプトにする
    2. 自院の強みをわかりやすく伝える
  4. 患者目線で見たときのチェックポイント
    1. クリニックの雰囲気について
    2. 施術の方針について
  5. コンセプト作りには十分に時間をかけたい

クリニックにおける「コンセプト」とは?

そもそも、クリニックにおけるコンセプトとは「どんな特徴があるクリニックであるのかを、言葉でわかりやすく伝える」ためのもの。

自院の信念、治療方針、地域や患者にとってどんなクリニックでありたいのかを、誰にでもわかる言葉で伝えることが望ましいです。

たとえば、

  • 「病気だけでなく、生理痛などの相談にも乗って働く女性をサポートする」
  • 「地域住民の健康をサポートするかかりつけ医を目指す」

などのシンプルな文章が理想です。

 

なぜコンセプトが必要なのか?

コンセプトを決めるのには、以下のような理由があります。

開業準備を進めやすくなる

第一に、コンセプトが明確であれば、そのために必要な設備、スタッフの人数、理想の開業場所などがイメージしやすくなります。そうなると、開業準備はとてもスムーズ。

たとえば開業場所を探すにしても、不動産業者やコンサルタントにコンセプトを伝えることで、同じイメージを抱いてもらえるでしょう。

どんなクリニックであるのか患者が理解しやすい

初めてのクリニックにかかるとき、ほとんどの人がクリニックのホームページをチェックします。住所や診療時間、口コミなどももちろんチェックしますが、その先生がどんな考えを持っていて、どんな治療を提供したいと考えているかを示したコンセプトは、「このクリニックにお願いしよう」と決断する決め手ともなります。

スタッフにクリニックの方向性を示せる

どんなクリニックであるかを知りたい気持ちは、スタッフも同じです。スタッフ募集に応募する時点でも必ず確認するポイントとなるので、コンセプトを明確にしておくことで、自院の考え方に賛同してくれるスタッフが集まりやすくなります。

また、採用後、一人ひとりが同じ方向に向かって進むためにも、その指針となるコンセプトは不可欠です。

常に原点に立ち返ることができる

患者の意見に耳を傾けたり、SNSなどで治療のトレンドを見聞きしたりするうち、経営に対しての考えにブレが生じてくることが考えられます。そうなったとき、開業時に決めたコンセプトを確認すると、最適な判断がしやすくなるはずです。

 

美容クリニックのコンセプト作りにおけるポイントは?

続いては、美容クリニックのコンセプト作りにおけるポイントをみていきます。

ターゲットに沿ったコンセプトにする

一般的に、美容クリニックは20~40代の働く女性をメインターゲットとされていますが、すべてのクリニックがこれに該当するわけではなく、男性患者を積極的に受け付けているクリニックもあれば、10代が気軽に手を出せる脱毛などのメニューに力を入れているクリニックもあるでしょう。

そのため、まずは、どんなコンセプトであれば自院でターゲットとする層から支持されやすいか?を考えることが大切です。

たとえば、

  • 「男女問わず、より美しい自分を目指したい方をサポートします」
  • 「肌が変わっていくことの喜びを多くの女性に知っていただけるよう、適正価格・丁寧な親切を心がけています」

など、ターゲット層の悩みにやさしく寄り添うことも大切です。

自院の強みをわかりやすく伝える

自院がどんな点において他院と異なるのか、自院で施術を受けることでどんなメリットがあるのかをわかりやすくまとめると、コンセプトを見た人が強い関心を抱いてくれます。

ただし、気をつけなければならないのは、医療広告ガイドラインが規制する「比較優良広告」に当てはまらないように工夫する必要があるということです。たとえば、「エリアNO.1」「日本一」「最良」などの表現はすべてNGとされています。

競合と比較することなく自院のよさを伝えるために、たとえば、

  • 「一般的に難しいとされている、医師の技術統一を実現しています」
  • 「最新の設備と最先端の技術にこだわり、サービスを提供しています」

などのコンセプトを設定して、具体的に備えている機器などを紹介するのもいいでしょう。

 

患者目線で見たときのチェックポイント

コンセプトは自院の魅力や強みを伝えるためのものですが、伝えたいことを一方的に伝えるのではなく、「患者目線で見て魅力を感じるかどうか」を考えて作成することが大切です。具体的には以下のような点に患者は注目しています。

クリニックの雰囲気について

気負うことなく来店できる安心できる雰囲気なのか、それとも非日常を味わえるホテルライクな雰囲気なのかで、興味を持つ患者層が異なります。

たとえば、「日常を忘れられる空間づくりを大切にしています」の文言があると、仕事が忙しくてしばらく旅行を楽しめていない女性などにも刺さりやすくなるでしょう。

また、「施術後のおでかけもお楽しみいただけるよう、パウダールームにはコスメやヘアアイロンを多彩にそろえています」などの文言があれば、週末や仕事帰りに気軽に立ち寄れる雰囲気であることが伝わりやすいでしょう。

施術の方針について

美容クリニックの患者は、「キレイになりたい」という思いは共通ですが、そのためにどこまでお金をかけられるか、どこまで大きな変化を望むかは人それぞれです。そのため、施術の内容や費用が自分の希望に合っているかどうかは大切なチェックポイント。

たとえば、「メスを使わない美容医療を提唱しています」「次世代の再生医療に取り組んでいます」「適正価格にこだわっています」などをコンセプトに盛り込むと、患者に自院の方針が伝わりやすいです。

 

コンセプト作りには十分に時間をかけたい

コンセプトは、5分程度で簡単に決めることもできます。どんな層をターゲットにしたいか、どんな施術を提供したいかは、ある程度決まっている場合が多いためです。

そのため、「働く女性の美容と健康をサポートするために、高品質なメニューを適正価格で提供したい」程度のコンセプトであれば、さっと決めることができるでしょう。しかし、それでは他院と差別化を図りにくいですし、なにより、集患・増患につながりにくいといえます。

しかも、クリニックのコンセプトはクリニックが存続する限りずっとみんなに注目されるものなので、適当なものに定めてしまうと、後悔する可能性が高くなります。

そうならないよう、クリニックのコンセプト作りにはしっかりと時間をかけて、納得のいくものに仕上げてくださいね。

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執筆 CLIUS(クリアス )

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