クリニックの集患戦略・差別化のポイントとは?|独自性と専門性の見つけ方

クリニックの安定した経営・運営において欠かせないことの1つに「集患」があります。その中でも特に「差別化を図ること」が大切と言われていますが、なかなか競合との違いを見つけるのに苦労することもあるでしょう。新規開業のときには特に頭を抱えるものかもしれません。

この記事ではそんな、集患と差別化について、考え方のヒントをご紹介しています。

目次
  1. クリニックが「集患」するために必要なこととは?
  2. 集患において重要な「独自性」のポイント
    1. 「希少性」を作る考え方
    2. 他では診ていない病気や症状に対処できる「専門性」
    3. 自費診療が安い・プライベートな空間などの「特別感」
  3. しっかりとした調査は集患戦略の第一歩

クリニックが「集患」するために必要なこととは?

安定的な集患ができているクリニックの多くは、それぞれに「◯◯と言えばあのクリニック」と地域の人(見込み患者さん)に認知してもらっているものです。

これは新規集患にはもちろんのこと、既存の患者さんにも気に入って貰えてこそ良い評判につながり、それらが口コミとなり、更なる増患にもつながっていくのです。

そのためにもやはり、他にはない自院ならではの「独自性」をいかにして作れるのか?が、集患戦略には必要なこととなってきます。

具体的にはどのようなものがあるのか、次の項で見ていきましょう。

 

集患において重要な「独自性」のポイント

クリニックの「独自性」には、以下のようなものがあります。

  • 場所
  • メニュー
  • サービス内容
  • スタッフ
  • 競合比較
  • コンセプト
  • 専門性

それぞれを組み合わせることによって、クリニックの「希少性」が生まれます。

「希少性」を作る考え方

例えば離島などでは、その島にクリニックが1件しかないケースもありますが、この場合、島民は体調を崩したとき、ほとんど全員がそのクリニックを受診するでしょう。

上記は少し条件が限定的な例えですが、他にも、「駅から徒歩5分以内にある唯一のクリニック」「同じ診療圏内に、同じ診療科目を標榜しているクリニックがない」なども、その地域においては他にない「希少性」となります。

「希少性」を得るためには、開業地を選ぶ段階で意識しておくことが重要だと言えるでしょう。

開業地選びの際に行う診療圏調査においても、一般的な「半径◯kmの円内にどれだけ競合がいるのか?」のみでなく、ターゲットのニーズに合わせた調査をすることが大切です。

一般的に都市部での開業の場合、競合が多くなる傾向にあります。地方の場合は、人口と比例して競合の数も少なくなっていきます。

そうした人口の大小も見たうえで、例えば老年層の多い都市部地域では、駅から近いことも重要ですが、それに加えて坂道が少ないことや、歩道の道幅が広く歩きやすい場所であること、車通りの多さなども見ておくと、患者にとっては「通いやすいクリニック」となって良いのではないでしょうか。

他では診ていない病気や症状に対処できる「専門性」

開業時の独自性をアピールするには、「専門性」も重要です。

数多くある「内科」や「耳鼻科」だけなく、例えば「肝臓専門医」や「おなかのクリニック」などとして「専門性がある部位」を看板やクリニック名で提示したり、歯科の場合は「痛みの少ない治療」などの文言で、自院の「強み」をアピールしたりするとよいでしょう。

このとき、「他のクリニックがあまり打ち出しておらず、かつ自分の得意とすることはなにか?」をしっかりと考慮していくと良いでしょう。

そうすることによって、それぞれの部位に不安をかかえた患者さんの目には留まりやすくなりますし、それ以外の潜在的な患者さんにも看板やクリニック名、コンテンツを目にした際に認知されやすくなります。

またこの場合の利点としては、「通常の診療圏範囲にとらわれないこと」が挙げられます。

例えば一般的な疾患(頭痛や腹痛、関節痛など)であれば、ほとんどの人が近所で探すかと思います。

しかし、上記に上げたような専門性をうたっていると、一般的な診療圏の範囲を超えたところからも集患できる可能性が高まるため、広範囲の地域医療に貢献できるうえ、安定した経営にも役立ちます。

自費診療が安い・プライベートな空間などの「特別感」

独自性をアピールするには、「コスパの良さ」や「プライベートな空間」などの特別感もポイントです。

下記の図は2023年5月時点、東京での「予防接種 安い」の検索結果に紐づく関連キーワード群です。

実際に多くの人が「安さ」を求めているのがわかります(中には「無料」で探してる人もいるようですね…)。

「重症化を防ぎたい」と考える人にとっては、ワクチンは「なるべく打っておきたいもの」であり、ほとんど必須のものとも言えます。

また多くの人々にとって、「必需品」は、その性能が変わらなければ安ければ安いほど助かることも事実です。

これはあくまでも一例ですが、上記のようなコスパの良さや、患者に合わせた設計・設備など(小児科であれば「キッズルームが広い」だったり、精神科や美容外科であれば「他の患者さんと会わずに済む」だったりなど)を行っていると、独自性のアピールにも役立つのではないでしょうか。

 

しっかりとした調査は集患戦略の第一歩

新規開業時に重要な独自性をアピールするためにも、まずはしっかりとした周辺調査が必要です。

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執筆 CLIUS(クリアス )

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