医療は常に進化し続けているため、医師も看護師も、常に新しい知識や技術を吸収し続けることが大切です。しかし、学校を卒業した後は授業や試験があるわけではないので、能動的に学ぶ姿勢なしには成長することができません。では、どうすれば自分から学ぶことができるかというと、ひとつの方法としては、本を読むことが挙げられます。そこで今回は、看護についての見識を深めるのに役立つ本を紹介していきます。
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新人ナースにおすすめのセレクション
まずは、新人・若手ナースにおすすめの本をピックアップして紹介していきます。
1年目ナースが最低限知っておきたいことをイラストや図解で解説
Instagramで人気の現役看護師・しゅーぞーさんが、基礎的な看護技術から、看護師としてのマインドの保ち方まで伝授してくれる一冊です。カラー図解とユニークな解説で構成されているため、本を読むのが苦手な人でも楽しく読み進められます。Amazon「看護理論」部門売れ筋ランキング第4位(2024年5月8日時点)
参照:「“いいね”といわれる新人になる! 1年目ナースの教科書」(ナツメ社)
イラストレーター兼医師の著者が医療手技を手描きマンガで解説
イラストレーター兼医師の著者が、採血や注射、点滴をはじめとする医療手技を手描きマンガで解説。実践時のコツやアドバイスがわかりやすくまとめられているため、「ナース1年目で新人ですがものすごく助かっています」「初心者、家族に説明などにする際にとてもわかりやすく説明などができるので、とても助かっています」などの口コミ多数。
参照:「ねじ子のヒミツ手技 1st Lesson」(エス・エム・エス)
基本の手技を極めよう!
「吸引・排痰」は看護師なら誰でもできなくてはならない手技ですが、極めている人はそう多くはありません。この一冊でコツやタイミングをつかめば、担当する患者に大きな安心感を与えることができます。
参照:「看護師へいPresents 吸引・排痰法 (看護の沼にハマる)」
SNSで人気の医学博士ふたりによるシリーズ
SNSの累計登録者数3万人こえの医学博士ふたりが、「看護に不安を抱いている人に届けたい」「看護の現場を本気で変えたい」と熱意を込めてつくった電子書籍シリーズです。
参照:「看護師10年やって思った...3年目までに知っておきたかったこと: 〜循環の超基礎〜」( Independently published)
参照:「看護師3年目までに知っておきたかった 呼吸の超基礎」( Independently published)
薬についてナースが知っておきたい情報を、ナース&薬剤師のペアが解説
薬の参考書の多くは、医師や薬剤師向けに書かれていることから、「新人看護師にもわかりやすい、薬の解説書をつくりたい」との思いから書かれた1冊。発行部数25,000部突破の人気書で、Amazon「薬学辞事典・白書」部門ランキング1位を獲得しています(2024年5月17日時点)
参照:「薬の使い分けがわかる! ナースのメモ帳: こんなときはどれを選ぶ? 薬剤師さんと一緒に作った薬のハンドブック」(メディカ出版)
学び直しに役立つセレクション
続いては、学び直しや、知識強化に役立つラインナップを紹介します。
「看護教育」「医学」「解剖学」の3つのカテゴリで1位を獲得
2024年5月17日時点において、Amazon「看護教育」「医学」「解剖学」の3つのカテゴリで1位にランクインのベストセラー。現役看護師の人気メディカルイラストレーターが、かわいいイラストで人体を徹底解説。身体の構造と機能を楽しく学べるとして、学生にも、看護職にも人気です。
参照:「【Amazon.co.jp 限定】ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん(特典:イラストで学ぶ「けつえきずかん&ほるもんずかん」PDFデータ配信)」(KADOKAWA)
過去10年分の看護師国試出題内容を1冊にまとめた参考書
看護の基礎から理解できるよう、INTRO→症状→検査/診断→治療→看護の流れで構成された1冊。問題演習を通して、知識が身についているかを確認することもできます。また、電子版が搭載されているので、スマホやタブレットで勉強したい人にもぴったりです。
参照:「看護師・看護学生のためのレビューブック2025」(メディックメディア)
疾患・患者・看護・観察が感覚的にわかるシリーズ
各疾患の仕組みを“たとえ”をふんだんに使って視覚化したシリーズです。目の間にいる患者の病態生理や必要な対応が、文章を読まなくても感覚的に理解できます。循環器の疾患を扱った一冊のほかに、消化器科の疾患を扱った一冊や、脳神経疾患を扱った一冊、産婦人科の疾患について説明した一冊、整形外科の疾患を解説した一冊、人工呼吸について説明した一冊などもあります。
参照:「かんテキ 循環器: 患者がみえる新しい「病気の教科書」」(メディカ出版)
参照:「かんテキ 消化器: 患者がみえる新しい「病気の教科書」」(メディカ出版)
参照:「かんテキ 脳神経: 患者がみえる新しい「病気の教科書」」(メディカ出版)
参照:「かんテキ 産婦人科:患者がみえる新しい「病気の教科書」」(メディカ出版)
参照:「かんテキ 整形外科: 患者がみえる新しい「病気の教科書」」(メディカ出版)
参照:「かんテキ 肺保護にこだわる人工呼吸: 患者がみえる新しい「呼吸の教科書」」(メディカ出版)
心電図の読み方をわかりやすく解説
波形の特徴をオールカラーの図版で解説。とりわけ心電図を判読するシーンが多い、循環器科のナースに役立つ1冊です。モニター心電図だけでなく、12誘導心電図に関しても、症例を用いながら判読のポイントを説明してくれています。
参照:「これならわかる! 心電図の読み方 ~モニターから12誘導まで~」(ナツメ社)
心電図マイスターを目指すならコレ!
心電図検定1級合格を目指すために必要な冠動脈梗塞部位,、不整脈起源の推定,、鑑別などのテーマを徹底的に解説。本番を想定した上級の模擬問題が100問掲載されているため、実力を確認することができます。
参照:「講義+試験対策模擬問題100問 心電図マイスターを目指す基礎力grade up講座」(メジカルビュー社)
「愛読書」にしたいセレクション
続いては、「愛読書」として何度も読み返したくなるラインナップを紹介します。
わからないこと、知りたいことがすぐに見つかる“看護のメモ帳”
どの病棟でも共通して大切な「13テーマ・92項目」をポケットサイズにまとめた一冊です。看護師歴18年目の著者が自身の経験をもとにつくっているので、処置や技術に関して、現役の看護師でもわからなくなりそうなことが一冊にぎゅっと凝縮されています。Amazon「看護技術」部門売れ筋ランキング第2位(2024年5月8日時点)
北里大学病院看護部編集のポケットマニュアル
各科共通の手元にあると便利な情報や、頻繁に参照されるスケール・データおよび使い方などの情報が網羅されているので、ポケットに入れておけば、必要なときにサッとチェックできます。また、北里大学病院の認定看護師・専門看護師による臨床の視点が豊富に盛り込まれている点も魅力です。Amazon「看護技術」部門売れ筋ランキング第8位(2024年5月8日時点)
異常を早期発見するために必要な知識を網羅
「アセスメントができる看護師」を増やすことを目標に、「出直し看護塾」を主宰する著者が、現場に持ち運んで調べながら仕事してもらいたいとの思いからまとめた一冊。「ここまで細かくコンパクトに必要な情報が盛り込まれている本は、看護師向けの本では最初で最後だと思います。臨床では手放せない一冊で、病棟のほとんどの人が持っています」などのレビューも。
参照:「洞察力で見抜く急変予兆 ~磨け! アセスメントスキル (出直し看護塾POCKET BOOK)」(ラプタープロジェクト)
シリーズ累計30万部突破の人気本
看護学生が学内実習や臨地実習で必要なときに確認できるよう、持ち運びに便利なポケットサイズに仕立てられています。プロとして働き始めてからも、ポケットにお守り代わりに入れておきたい一冊です。Amazon「看護技術」部門売れ筋ランキング第6位(2024年5月8日時点)
看護過程の考え方をイラストで“みえる化”
アセスメントや看護診断、成果設定、計画立案、評価などの考え方を、イラストを使うことで徹底的に“みえる化”した人気シリーズ。看護学生はもちろん、学生時代に、看護課程を曖昧な状態で理解したままだった人にもおすすめのシリーズです。
参照:「看護がみえるvol.1 基礎看護技術」(メディックメディア)
参照:「看護がみえるvol.2 臨床看護技術」(メディックメディア)
参照:「看護がみえるvol.3 フィジカルアセスメント」(メディックメディア)
参照:「看護がみえるvol.4 看護過程の展開」(メディックメディア)
参照:「看護がみえるvol.5 対象の理解I」(メディックメディア)
患者とのコミュニケーション上達に役立つセレクション
続いては、患者とのコミュニケーション力に磨きをかけたい人におすすめのセレクションです。
看護の現場で役立つ会話術が身に着く一冊
外来、病棟などのシーン別のコミュニケーションの基本や、患者の家族とのコミュニケーションにおいて気を付けたいことなど、看護の現場での適切な対応を学べる一冊です。ペイシェントハラスメントにあった際の対処法や、スタッフ間の円滑なコミュニケーションのコツなども説明してくれています。
参照:「看護で使える言葉がけ シーン別実例250」(つちや書店)
「週刊医学界新聞」の人気連載に加筆して書籍化
21のテーマを通じて医療コミュニケーションの方法論をプラクティカルに体得できる一冊。コミュニケーションにおける基本的なスキルから、共感力を高めるために医療従事者ができることまで紹介されています。Amazon 看護技術カテゴリ「ギフトとしてよく贈られている商品」ランキング1位(2024年5月8日時点)
参照:「入職1年目から現場で活かせる! こころが動く医療コミュニケーション読本」(医学書院)
認知行動療法のスペシャリストが著した、対話スキルの実践本
臨床心理士で、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター特命部長の著者が、A(Assessment)、B(Be with the Patient)、C(Clinical Questioning)、D(Direction & Decision) の4ステップからなるケアの対話の「型」をわかりやすく解説。練習用の豊富な課題を通して、対話スキルを磨くことができます。Amazon「精神看護学」部門売れ筋ランキング第2位(2024年5月8日時点)
参照:「ケアする人の対話スキルABCD」(日本看護協会出版会)
認知症患者に伝わりやすい声かけで、コミュニケーションがラクになる
認知症研究の第一人者が、さまざまなシーンでのフレーズを、認知症患者に伝わりやすいフレーズに変換。たとえば、処方されている薬を飲みたがらない患者に対しては、「飲まないと病気が治らないよ」ではなく、「お医者さんが、飲めばよくなるって言ってたよ」と伝えるとスムーズに飲んでもらいやすいなど、すぐに実践できる言いかえがたくさん紹介されています。Amazon「介護福祉士の資格・検定」「地域・在宅・家族看護」「看護学辞事典・白書」各部門第1位(2024年5月17日時点)
参照:「認知症心理学の専門家が教える 認知症の人にラクに伝わる言いかえフレーズ」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
精神科訪問看護について漫画で学べる!
精神疾患を抱えた利用者宅を訪問して看護を提供する看護師の仕事について、わかりやすく描かれたコミックです。『ダ・ヴィンチweb』にて一部読むことができます。
参照:「おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~」(ぶんか社)
参照:「おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~ (2)」(ぶんか社)
参照:「おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~ (3)」(ぶんか社)
参照:「おとずれナース ~精神科訪問看護とこころの記録~ (4) 」(ぶんか社)
専門を極めたい看護師のためのセレクション
次は、専門を極めたい看護師におすすめのラインナップを紹介していきます。
精神看護の第一線で活躍する著者による、他に類を見ない一冊
本書の帯に記されている、「神社の御札を利用して精神状態を落ち着かせる」「庭にシイタケの原木を持ち込んで関係性を深める」などのACT(包括型地域生活支援プログラム)の内容は、一見、医療とは関係のなさそうなものばかり。それゆえに、西洋医学一辺倒となっている頭をやわらかくしてくれる効果が期待できそうです。
参照:「精神医療の専門性 「治す」とは異なるいくつかの試み」(医学書院)
発達障害に関するあらゆる疑問を各界の第一人者が解説
ADHD研究の第一人者、軽度知的障害や境界知能の問題に光を当てた著作で知られる児童精神科医、学習障害、ADHD、アスペルガー症候群の診断を受けている人気漫画家などの13人の専門家の協力のもとしるされた「発達障害の教科書」ともいうべき1冊。
参照:「発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべて」(日経BP)
「よく転ぶ」「そわそわ」「かんしゃく」などがみられる子どもへのアプローチを解説
発達状態が気になる子どもたちが、楽しく遊ぶことによって、困っていたことを解決するための手助けになる1冊。小児科で働くナースや、幼稚園に勤めるナースなどにもおすすめです。
生活習慣病への理解が深まる一冊
肥満や糖尿病、高血圧といった主要な生活習慣病を、文章とフルカラーのイラストでわかりやすく解説した一冊です。患者指導のポイントも説明されているため、知識を臨床で活かすことができます。
脳神経外科看護について徹底的に学べる一冊
脳神経外科看護および看護の根拠について、豊富なイラストや写真で解説。理解度を確認できるwebテストも付いているので、「読んだだけ」で終わることがありません。
参照:「NEWはじめての脳神経外科看護: “なぜ”からわかる、ずっと使える!」
緩和ケアを極めるなら毎号チェックしたい専門誌
訪問看護や緩和ケアを得意とするナースの需要は今後ますます高まることが予想されます。この分野でスペシャリストを目指したいなら、月刊誌「緩和ケア」は毎号購読がおすすめ。
参照:「緩和ケア 2023年5月号/特集 (終末期の身の置き所のなさとせん妄の緩和ケア)」(青海社)
緩和ケアの定番書
緩和ケアを実践するなかで日々直面する問題に答えるかたちで構成されているため、「本当に使える一冊」として人気です。
参照:「ここが知りたかった緩和ケア(改訂第3版)」(南江堂)
答えに辿り着かない「もやもや事例」に満ちた緩和ケアの日常臨床に切り込んだ一冊
緩和ケア医と生命倫理学者兼社会学者によるリアルな往復書簡を通して、臨床現場のもやもやを解決する一冊。「患者は余命を知りたがっているが、家族は知らせないでほしい場合どうすればいいか?」「薬は使いたくないが痛みが強い患者に対して、医療従事者はどのようにして鎮痛薬をすすめればよいか」など、医療従事者が一度は悩んだことがある問題をいくつも扱っています。
参照:「臨床現場のもやもやを解きほぐす 緩和ケア×生命倫理×社会学」(医学書院)
在宅医療・訪問看護に興味がある人向け
訪問看護利用者とその家族を総合的にとらえるべく、「疾患・医療ケア」「活動」「環境」「理解・意向」の4領域からアセスメントをおこなうために役立つ一冊。情報分析のポイント、強みと弱みの視点による看護課題の見出し方、関連図、看護計画の立案と実施、評価まで網羅しています。
参照:「強みと弱みからみた 地域・在宅看護過程 第2版: +総合的機能関連図」(医学書院)
チーム医療についての見識を深めるためのセレクション
続いては、自分の知識や技術を深めることではなく、医療を提供するチーム全体のレベルアップを目指したいと考えている看護師におすすめのラインナップです。
新人や若手をまとめる立場の看護師におすすめの1冊
心理的安全性の高い組織作りを実践してきた医師による、セミナーオンラインをもとに書籍化。ミスが起きてしまったときに、誰も責めることなくチームとして改善して、組織が成長していける職場環境づくりを提示した1冊です。
参照:「医療・看護現場の心理的安全性のすすめ: 成果につながる、実践にいかすQ&A」 (メディカ出版)
新人教育に役立つノウハウを紹介
新人教育においては、一方通行な指導ではなく、学ぶ側が自ら気づくことが大切であることを説いた1冊。学ぶ側に気づきを促すために、指導者が気を付けるポイントをわかりやすく解説しています。
参照:「教育担当者・指導者のための“気づき”で導く 新人・後輩・部下 看護教育リフレクション入門:叱る・注意するだけの指導から脱却しよう」(メディカ出版)
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この記事は、2024年5月時点の情報を元に作成しています。