看護師の仕事は、患者さんの命を守るという大きな責任を伴い、やりがいのある仕事です。しかしその一方で、多忙な労働環境やストレスフルな状況に直面することが少なくありません。
今回は、看護師の皆さんに「看護師を辞めたいと思った瞬間」についてアンケートを実施し、その結果をランキング形式でまとめました。それぞれの順位に寄せられた看護師のリアルな声も紹介します。
これを機に、看護師の労働環境について考えるきっかけとなれば幸いです。
1位:患者の理不尽な態度
今回のランキングで1位となったのは、「患者の理不尽な態度」です。
看護師は患者さんの健康を守るため、日々献身的に働いています。しかし、その努力が報われず、むしろ感謝とは反対の態度を取られることもあるようです。患者やその家族からの暴言や暴力、不合理な要求は、看護師にとって大きなストレスの原因となっています。
特に以下のような意見が寄せられました。
「患者さんが院内でタバコを吸っていて『強制退院です』と告げたら、その患者さんから怒られたとき。」(もも/30代後半)
「患者からの暴言暴力、セクハラを受けた時。」(くりーむぱんな/30代前半)
「助けても助けても、退院後すぐ暴飲暴食をして再入院する患者さんを目の前にした時。」(ゆーん/30代前半)
「一生懸命ケアをしているのに患者さんから暴言を吐かれたり家族からひどいことを言われた時。」(かつこ/50代前半)
1位(同率):ハラスメント
同率1位には、「ハラスメント」が挙げられました。
職場でのパワハラやいじめは、看護師のモチベーションを大きく下げる要因となります。また、育児などの事情を理解してもらえないこともハラスメントに含まれます。
看護師が安心して働ける環境作りは急務です。
以下のような体験談が寄せられています。
「昔からお局などに目がつけられやすく、パワハラや人格否定などを受けることが多いです。最近では子育て中で土日勤務が難しいことを伝えると『シッターを雇えばいい』などといった発言を前々職では受けました。」(フランボワーズ/30代後半)
「理不尽な事で怒られた時。チームワークなのでミスがあればすぐに犯人探しをして、自分ではない事を自分のせいにされたりした時。」(さくさく/30代後半)
3位:拘束時間/休暇の少なさ・取りづらさ
3位には「拘束時間/休暇の少なさ・取りづらさ」がランクインしました。
看護師の仕事はシフト制で不規則な上、急な対応を求められることも少なくありません。休みたいときに休めない、プライベートを犠牲にせざるを得ない状況が多いようです。
具体的な意見としては、以下のようなものがありました。
「休憩もとれず、帰宅も遅い時。」(りち/20代後半)
「子の発熱で急な休みの連絡時にため息をつかれたとき。」(空丸/30代前半)
「有給希望を出しただけで師長に『プロとしての自覚がない』と言われた時。プライベートが充実しているからこそ仕事も頑張れる。」(りん/30代後半)
4位:給与面の不満
4位に挙げられたのは「給与面の不満」です。
命に関わる仕事をする責任の重さに対して、給与が見合っていないと感じる看護師が多いことが分かりました。看護師が安心して働けるよう、給与面の改善は大きな課題です。
以下のような声が寄せられました。
「毎月の給料明細を見る時。」(くりーむぱんな/30代前半)
「世間の時給は上がっているのに、命に関わる仕事の割には時給が安く、上がらない時。」(抹茶ぷりん/40代前半)
「仕事量は変わらないのに手当が減っていくという話を聞いた時。」(なる/20代後半)
「給料明細をもらったとき『結構頑張ってるのに、報われないよなぁ』と思ってしまいます。」(北のおっさんナース/40代後半)
その他:多忙、感染リスクなど
ランキング外ではありますが、「多忙さ」や「感染リスク」も辞めたい理由として挙げられました。特に感染症の流行期や、業務過多による疲労感が強い時に辞めたくなるという声が多く寄せられています。
具体的な意見は以下の通りです。
「患者様のためを思って考え看護をしても、医師にそれは必要ないなど否定的に言われるともうやめてやろうかと思う気持ちになる。」(たた/30代後半)
「いろんな感染症が流行し、自分が罹患するのではないかというリスクがある時。」(みっき/40代前半)
「毎日毎日残業で、先輩からも怒られ、自分にはキャパオーバーだと感じたとき。」(ぽーみ/20代後半)
まとめ
看護師が「辞めたい」と思う理由には、患者や職場からのストレス、待遇への不満など、さまざまな要因があることが分かりました。
この結果を踏まえ、看護師がより働きやすい環境を作ることが求められます。看護師自身が働き続けられる職場作りをするためには、組織や社会全体の意識改革が必要です。
この記事は、2024年11月時点の情報を元に作成しています。