男性看護師と女性看護師で働き方や給料に違いはある? 男性看護師ならではの悩みは?

「看護師業界=女性が多い職場」というイメージを持っている人は多いでしょう。実際、ほとんどの職場において、数としては女性看護師のほうが多いですが、そうした職場だからこその男性看護師に求められることや、働き方の違いなどはあるのでしょうか? また、男性看護師に特有の悩みがあるのかも気になるところです。そこで今回は、男性看護師の実情に迫っていきます。

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目次
  1. 男性看護師数の推移は?
  2. 男性看護師数が増加している理由は?
  3. 男性看護師の給与は女性看護師の給与より高い? 低い?
  4. 男性看護師ならではのニーズは?
    1. 男性患者のケアに役立てる
    2. 力仕事が必要なシーンで頼られる
    3. ロールモデルとして後輩からお手本にされやすい
  5. 男性看護師ならではの悩みは?
    1. 女性患者からケアを拒否されやすい
    2. 女性看護師に対して気を遣う、女性看護師から気を遣われる
    3. 頼れる同性の先輩がいない、もしくは少ない
    4. 転職先の選択肢が少ない傾向にある
    5. 力仕事を任されやすい
    6. 偏見を持たれる場合がある
  6. 男性看護師が活躍しやすい施設や診療科は?
    1. 介護施設
    2. 訪問看護ステーション
    3. 精神科
    4. 整形外科
    5. 脳神経外科
    6. 泌尿器科
    7. 男性専門外来
    8. 救急外来
    9. 手術室
  7. 男性看護師が自分らしく働くためにできることは?
    1. 資格を取得するなど専門性を追求する
    2. より働きやすい環境、キャリアアップしやすい環境を求めて転職する
  8. 男性看護師は少ないからこそ、たくさんの可能性を秘めている!

男性看護師数の推移は?

まずは、2012(平成24)年から2022(令和4)年にかけての看護師数の推移をみていきましょう。厚生労働省が公表している「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2012(平成24)年から2022(令和4)年にかけての看護師数の推移は以下の通りです。

2012(平成24)年 2014(平成26)年 2016(平成28)年 2018(平成30)年 2020(令和2)年 2022(令和4)年
男女計 1,015,744 1,086,779 1,149,397 1,218,606 1,280,911 1,311,687
男性 63,321 73,968 84,193 95,155 104,365 112,164
女性 952,423 1,012,811 1,065,204 1,123,451 1,176,546 1,199,523

表をみるとわかる通り、2012年から2022年にかけて看護指数は男女ともに右肩上がりで増加していますし、男性看護師にいたっては、約1.77倍も増加しています。

また、男女比でみると、2012年時点では男性看護師の割合は6.2%でしたが、2022年時点では男性看護師の割合は8.6%にまで増加しています。

一方で、同じ調査の准看護師数の推移をみると、男女ともに右肩下がりで減少しています。

2012(平成24)年 2014(平成26)年 2016(平成28)年 2018(平成30)年 2020(令和2)年 2022(令和4)年
男女計 357,777 340,153 323,111 304,479 284,589 254,329
男性 23,148 22,877 22,140 21,777 20,726 18,808
女性 334,629 317,276 300,971 282,702 263,863 235,521

これらの結果から、男女ともに、より好条件で働くことのできる看護師の資格を取得する傾向にあることがわかります。

参照:厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

男性看護師数が増加している理由は?

男性看護師数が増加したきっかけの1つは、1986年に施行 された「男女雇用機会均等法」です。この法律は、男女が等しく就労機会を得るために作られたもので、男性看護師のポジション確立にも一役買ったとされています。さらにその後、4年生の看護大学や看護学校の新設が相次いだことや、震災を機に医療従事者への関心が高まったことなども、看護師を希望する男性の増加に関係していると考えられます。

男性看護師の給与は女性看護師の給与より高い? 低い?

続いては、男性看護師の平均給与をみていきます。厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男性看護師、女性看護師の給与には以下のような違いがあります。

決まって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 年収(決まって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額)
男性看護師 35万9,900円 90万8,400円 522万7,200円
女性看護師 35万600円 85万6,600円 506万3,800円

同データは、男性看護師の平均年齢を37.9歳、女性看護師の平均年齢を41.1歳として算出されたものですが、なぜ男性看護師のほうが年齢としては下なのに年収が高いかというと、女性看護師は出産や育児で休職したり転職したりした後に、現職に復帰している可能性が高いためです。

参照:厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」

※統計表「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」の閲覧用EXCEL 175行目および320行目参照

男性看護師ならではのニーズは?

男性看護師ならではのニーズとしては、主に以下の3つが考えられます。

①男性患者のケアに役立てる
②力仕事が必要なシーンで頼られる
③ロールモデルとして後輩からお手本にされやすい

男性患者のケアに役立てる

男性患者のなかには、「担当は男性看護師がいい」と思っている人もいます。特に、入浴介助などに関しては、異性の看護師に担当されるのを嫌がるケースがあるため、介助を必要とする患者がいる医療機関や施設などでは積極的に採用されることが考えられます。

力仕事が必要なシーンで頼られる

医療器具の運搬時や、体重が重たい患者を支える際など、体力や筋力のある男性看護師が頼られるシーンは多いです。また、体力に自信があって夜勤が苦でないなら、高収入を目指しやすいといえます。

ロールモデルとして後輩からお手本にされやすい

男性看護師が少ない医療機関や施設などで経験を積めば、男性看護師のロールモデルとして、後輩から頼りにされやすいでしょう。

男性看護師ならではの悩みは?

反対に、男性看護師ならではの悩みやデメリットとしては、主に以下の6つが考えられます。

①女性患者からケアを拒否されやすい
②女性看護師に対して気を遣う、女性看護師から気を遣われる
③頼れる同性の先輩がいない、もしくは少ない
④転職先の選択肢が少ない傾向にある
⑤力仕事を任されやすい
⑥偏見を持たれる場合がある

女性患者からケアを拒否されやすい

「介助は男性看護師にお願いしたい」と思っている男性患者の数以上に、「女性看護師の介助でなければイヤだ」と思っている女性患者の数は多いです。介助でなくとも、身体を支えられることなどに対しても、異性の看護師だとイヤだと思っている患者も一定数います。

女性看護師に対して気を遣う、女性看護師から気を遣われる

全体的に女性の割合が高いため、休憩中などにうまく会話に入れなかったり、会話するにしても、相手にイヤな思いをされないだろうかと悩んだりすることがあるかもしれません。特に今の時代は、なにかにつけて「ハラスメントだ!」と声を上げられやすいので厄介。万が一、自分が意図していないところでハラスメントだととられるようなことがあれば、しっかり反論するようにしましょう。

頼れる同性の先輩がいない、もしくは少ない

男性看護師が職場にほとんどいないとなると、「こういう場合はどうしたらいいのか同性の先輩に質問したい!」などが叶わないことがあります。

転職先の選択肢が少ない傾向にある

医療機関や施設によっては、男性看護師を積極的に採用していない場合があります。たとえば美容外科などの場合、患者側も女性看護師に対応してもらうことを期待しているなどの事情があるため、仕方のないことかもしれません。しかし、その一方で男性看護師が活躍しやすい職場も存在します。

力仕事を任されやすい

力仕事を任されやすいことは、メリットであると同時にデメリットでもあります。なぜかというと、それだけ頼りにされている証拠である一方、力仕事が多いと、そのぶん疲労が溜まるためです。

偏見を持たれる場合がある

「看護師は女性が就く職業」という認識の人は一定数います。そのため、仕事中に患者から「なんで男性なのに看護師の仕事をしているの?」という言葉を浴びせられることもあれば、合コンや飲み会などのプライベートの一場面でイヤな思いをすることもあるかもしれません。しかし、職業や学歴に対して偏見を持つ人は、男性看護師以外に対しても同じような目を向けるものなので、まったく気にする必要はありません。

男性看護師が活躍しやすい施設や診療科は?

男性看護師は、基本的にはどの施設でもどの診療科でも働くことができます。しかし、男性ならではのメリットを活かすことを意識すると、より活き活きと働くことができるかもしれません。具体的には、以下のような施設や診療科がおすすめです。

介護施設

介護施設では、思うように身体を動かせない利用者をサポートするシーンが多いため、体力や筋力のある男性看護師は活躍しやすいといえます。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションも介護施設同様、利用者をサポートするシーンが多いうえ、入浴介助などが必要なケースもあるので、男性利用者からのニーズが高いといえます。

精神科

精神科のなかには、暴れたりトラブルを起こしたりするタイプの患者が多く通院しているところもあります。そうした患者に適切かつ迅速に対応するために、頼りになる男性看護師を積極的に採用している病院やクリニックは多いです。なかには、医師と一対一で対話している最中に暴れ出す患者もいるため、問題が起きたときには医師がブザーを鳴らして看護師などのスタッフに駆けつけてもらうシステムを整えている病院もあります 。

整形外科

整形外科は、作業療法士や理学療法士など多職種の男性職員が多く働いているため、男性看護師も働きやすいと感じられるケースが多いでしょう。また、患者の多くは、怪我や疾患のリハビリに通っているため、女性患者が敬遠するナイーブな処置にあたることなどはほとんどなく、男性看護師でも活躍しやすいといえます。

脳神経外科

脳神経外科で働く看護師は、頭部外傷や脳疾患の患者の歩行介助や検査の補助、リハビリに携わることが多いです。病棟であれば、看護師が入浴介助などもおこなうため、男性患者からは頼られやすくなります。

泌尿器科

泌尿器科には、異性には知られたくない症状や悩みを抱えている患者が多く来院します。女性患者なら女性看護師、男性患者なら男性看護師にサポートしてほしいと思っている場合が多いでしょう。また、泌尿器科は基本的には男女ともに受け入れていますが、圧倒的に男性患者が多いこ とも、男性看護師が活躍しやすい理由です。

男性専門外来

ED、AGAなどの診察や処方をおこなう男性専門外来では、医師、看護師ともに男性を望む患者が多いです。また、男性更年期障害の悩み全般に関しても、同性である男性のほうが話を理解してあげられやすいでしょう。

救急外来

救急外来では、24時間体制のなか、緊急性の高い患者に対応するため、人並み以上の体力が求められることから、男性看護師を積極的に採用する傾向にあります。患者の状態によっては、看護師が患者を抱える必要がありますが、体格のいい患者の場合、線の細い女性では対応しきれないのも理由のひとつです。

手術室

手術室でも、救急外来同様、患者を抱える必要があることがあります。加えて、重量のある機材を運ぶこともあるため、必然的に男性看護師のニーズが高くなります。長時間におよぶ手術に対応できるだけの体力と集中力があれば、さらにニーズが高くなるでしょう。

男性看護師が自分らしく働くためにできることは?

続いては、男性看護師が自分らしく働くためのポイントをみていきましょう。

資格を取得するなど専門性を追求する

男性看護師に限ったことではなく、看護師全般にいえることですが、資格やスキルを取得して専門性を追求すると、興味のある分野で活き活きと働けるだけでなく、キャリアアップ、収入アップも狙いやすくなります。たとえば、認定看護師、専門看護師、ケアマネジャー、公認心理士、臨床心理士、保健師などの資格があれば、活躍の場が広がります。ただし、助産師の資格だけは、2024年時点現在、女性のみに取得が許されています。

より働きやすい環境、キャリアアップしやすい環境を求めて転職する

転職先を探すにあたっては、「男性看護師が活躍しやすい職場であるかどうか」をしっかりチェックしたいところです。確認したいポイントのひとつとして、「男性看護師のなかに管理職がいるかどうか」も挙げられます。また、男性看護師の受け入れ体制が整っていない職場の場合、男性用更衣室や専用トイレなどが確保されていないことがあります。クリニック側に受け入れの意思があっても、更衣室やトイレの準備がまだ追いついていない、というケースもあるので、その場合は、今後どのように体制を整えていく予定なのかなども確認したいところです。

男性看護師は少ないからこそ、たくさんの可能性を秘めている!

男性看護師の数は年々増加傾向にあるとはいえ、まだまだ女性看護師に比べると少ないです。しかし、少ないから肩身が狭いと考えるのではなく、少ないからこそチャンスが多いと考えることができます。たとえば、職場におけるロールモデルではなく、男性看護師全体のロールモデルとなる方法を模索してみるのもいいですし、男性看護師を目指している若い子たちに向けて、SNSで役立つ情報を発信することなども楽しいかもしれません。アカウントが人気となれば、収益化につながる可能性もゼロではないので、ぜひ、希少性を存分に活かすことを考えてみてくださいね。

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、