
看護師として第一歩を踏み出した新人時代。慣れない環境や業務に奮闘する中で、多くの失敗や後悔を経験した人は少なくありません。
しかし、それらの経験は、後に成長や学びに繋がる貴重な財産とも言えます。
本記事では、看護師の皆さんが新人時代に抱いた後悔や失敗のエピソードを紹介し、そこから得られる教訓について考えてみたいと思います。
言葉にできなかった
「朝の申し送り時、申し送りには医師も参加する形式。申し送りをしているといきなりの部長(医師)からの質問に返答できず。思いっきり指導を受けた。しかし、答えられなかったのではなく答えられる材料があったのに言えなかっただけだった。知ってた内容を説明され何も知らないやつだみたいなことを言われたこと。」
新人時代は緊張や焦りで、頭の中にある知識を言葉にするのが難しいこともあります。この経験は「準備だけでなく、冷静さを持つ重要性」を教えてくれます。同じ場面に遭遇したら、深呼吸して一度考える余裕を持つことが成長の鍵です。
急変対応で動けなかった
「患者さんが急変した時、自分が第一発見者でナースコールで応援要請はできたもののその後の急変対応は全然できずきてもらった先輩方が対応してくださったことです。看護師になってから初めての急変で頭が真っ白になり、何も動けなかった自分の歯痒さと後悔が強く今でも鮮明に思い出すことができます。」
急変時の対応は新人にとって試練です。自分を責めすぎず、第一発見者として応援要請できたことを評価するべきです。
急変対応のスキルは経験を重ねるごとに身に付くもの。焦らず、少しずつ自分の役割を広げていくことが大切です。
相談できず仕事を抱え込んでしまった
「先輩や友人にも助けを求められず、仕事も回せずいつも遅くまで残業ばかりしていました。やり方等もっと相談したり、頼ればよかったなと思います。」
「相談すること」は看護の現場では重要なスキルの一つです。新人は遠慮しがちですが、先輩たちは自分も通った道だからこそ、助けを求められることを歓迎します。
適切に頼ることで、自分も相手も余裕を持って業務に向き合えます。
勉強不足からくる知識の欠如
「日々働くことで精一杯で、帰宅してから勉強していなかった。患者さんに病状のことを質問されたときに答えられなかったことが多かった。勉強して知識を習得し患者さんと関わるべきだったと後悔している。」
勉強する時間を捻出するのは大変ですが、日々の業務と知識が結びつくと仕事のやりがいや自信が増します。無理なく継続できる勉強法を見つけることが大切です。少しずつでも知識を増やし、患者さんと安心感のある関わりを築きましょう。
医師の指示を理解せず危険な介助をした
「患者さんの安静度の重要性を理解しないまま、介助をしてしまった。脳外科の患者さんで、ベッドの角度にもすごく気をつける必要があった。幸い側に先輩がいてすぐに静止が入ったけど、1つ1つの医師の指示をちゃんと理解することが大切だと思った。あと、直接患者さんに関わる機会が多いのは看護師なので本当に気をつけねばと思った。」
医師の指示を正しく理解することは看護師の基本です。疑問があればその場で確認する習慣をつけましょう。患者さんへの介助を通じて責任感を再認識し、今後の業務で「慎重さ」と「迅速さ」をバランスよく取り入れましょう。
忙しすぎて教育体制を選べなかった
「野戦病院に就職したこと。忙しすぎて毎日残業が酷かった。ちゃんと教育が整っているところにしたら良かった。」
教育体制が整った職場選びは、看護師としての成長に直結します。新人時代は特に学びの多い時期なので、職場選びの段階でサポート環境を重視することが大切です。もし環境が厳しくても、早めに信頼できる人を見つけ、相談することで少しずつ状況を改善していきましょう。
自身の体調管理を怠ってしまった
「何も気にせず生物を食べていたらO157に感染してしまい約1ヶ月休むことになり職場に迷惑をかけてしまった。看護師として体調管理には気をつけてくださいと師長から注意をされて、以降生物を食べる時には細心の注意を払っている。」
看護師として働く上で、自己の健康管理は患者のケアと同じくらい重要です。自分の体調が万全でなければ、チームや患者に影響を与えます。この経験を糧に、日々の健康管理を意識することで、より良い看護が提供できるようになります。
自信がない手技で声をかけられなかった
「自信がない手技がありましたが、先輩が忙しそうにしており声をかけられずに実行し、失敗したことがあります。(患者さんの体には影響がありませんでしたが、先生に怒られました)。」
どんなに忙しい現場でも、自信がない場合は声をかけるべきです。経験を積むことでスキルアップできますが、最初は慎重に学ぶ姿勢が大切です。患者の安全を最優先に考え、「聞く勇気」を持つことがプロフェッショナルとしての第一歩です。
患者変化に気づけず悔やんだ
「同室にいた私は、もっと早くにAさんの変化に気づくことができていたら、Aさんはなくならずに済んだのではないか。Bさんも自分を責めることなく、夫婦の時間を過ごせたのではないかと未だに後悔が残ります。師長や先輩方には、新人で変化に気づいて、ヘルプを出せただけで十分。チームで動いてるのだから、自分1人でできることは限られてるよ。呼んでくれてありがとうと言われましたが、心残りはあります。」
患者の変化を見逃さない観察力は経験と共に培われるものです。このエピソードは、チーム医療の重要性も教えてくれます。一人では解決できないことも多い中で、適切なタイミングで助けを求めた自分を評価し、次への学びに繋げましょう。
無理をしすぎた新人時代
「正直言うと『あんまり頑張り過ぎなきゃよかった』ですね。異業種からの転職だったので妙に気合を入れていたのですが、それで疲れたと言うか何と言うか。『適当なくらいで、なんとかなる』『どんだけ頑張っても、言いたいことを言うやつは色々言うし、適当に頑張ってもそれは同じ』ですから。」
頑張りすぎることが逆効果になる場合もあります。適度な力の抜き方を覚えることは、長く続けるための秘訣です。周囲と協力しながら、心身のバランスを保つことで、結果的に良い仕事ができるようになります
患者の気持ちに寄り添えなかった
「患者は、同期の看護師に対して、『お前なんかに俺の気持ちがわかるのか!』と大声で怒鳴ったいました。同時に私はそこに仲介に入ることが出来なかったのです…患者さんの気持ちを100%理解することは不可能だけど、気持ちに寄り添う努力はしていこう。」
患者の感情に寄り添うことは、新人には難しい場面も多いですが、看護師として大切な姿勢です。全てを理解することはできなくても、患者の話を受け止める姿勢が信頼関係の構築につながります。この反省を未来の行動に活かせた点は素晴らしい学びです。
新人看護師に共通する後悔から学ぶことは…
新人看護師が経験する後悔や失敗は、どれも看護師として成長する上で避けられないものです。重要なのは、それを糧に次の行動に活かす姿勢です。
今回のエピソードから見える教訓は、 「相談すること」「無理をしないこと」「学び続けること」「チーム医療を意識すること」 の大切さです。
新人時代の経験はその後の看護人生を形作る基盤となります。失敗を恐れず、自分のペースで成長していきましょう。
この記事は、2024年11月時点の情報を元に作成しています。