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コラム

《スタッフコラム》 ケアショー・ジャパン見学

 

2019年1月23日(水)〜24日(木)に東京ビッグサイトで開催された、ケアショー・ジャパンを見学しました。

 

これは、メディケアフーズ展・介護産業展・保険外サービス展・統合医療展・ヘルスケアITの5つの展示会が同時開催された、介護・医療・ヘルスケア関係者のための展示会です。

 

ちなみに弊社は、この中の「ヘルスケアIT」に、クラウド型電子カルテ「CLIUS(クリアス)」を出展していました。

 

医療の現場では、異なる職種間の連携が大切だといわれていますが、電子カルテでも同様と捉えていて、医療と密接な関わりを持つ介護や、代替療法や伝統医学等と西洋医学を組み合わせて行う統合医療など、今回の展示会にも学ぶべき分野がたくさんありました。

 

その中で目に止まったものがあります。
メディケアフーズ展で展示されていた「災害備蓄用紙コップ入り保存パン」です。

 

賞味期限が5年、螺旋状ミシン目入り紙コップ使用、調理が不要で手を加えずにそのまま食べられる、配食しやすいなどの特徴があるとのことです。

 

災害食の考え方は主に2つあり、簡単にいうと、
限りなく日常の食に近い、食べ慣れた食事を目指すか、
炊き出しが始まるまでの緊急対応と割り切って、最低限の栄養とエネルギーの確保だけを目指すかというものです。
ちなみに前者は、電気・ガス・水道が止まっても温かい食事ができる、加熱剤が同梱されたカレー・ハンバーグ・白米などで、後者は濃厚流動食や栄養補助食品などです。

 

「災害備蓄用紙コップ入り保存パン」の話に戻り、
パンは濃厚流動食とは異なり、通常の食卓にも上るものでもあり、
でも、火も水も使わずに必要なエネルギーを確保できるものでもあり、
要するに、災害食として両方の考え方に対応したとても優れた製品であるなと感じ、大変興味深く見学させていただきました。

 

私自身の話になりますが、なぜこのように災害時に興味を持つようになったかというと、
昨年9月の北海道胆振東部地震の際に出張中の札幌で被災し、短い間でしたが避難所で避難生活を経験したことによります。
避難所となったホテル提供の炊き出し、ビニール袋に凝固剤という携帯トイレなど、なかなか遭遇することのない経験をしましたが、
中でも一番困ったのは医療でした。

 

一緒に出張していた同僚の中に、持病があり薬を常用している方がいました。
この方が、出張中に飲む分以外には、いつもバッグに入れて持ち歩いている3日分しか薬の予備がないとのことで、私たちは何が何でもこの方を東京に帰す手段を考えました。
それと同時に東京のオフィスにいたスタッフは、帰れなかった場合に備え、
札幌でその疾患を診ていただける病院を検索、合わせてその薬の在庫がある薬局をあたるなど、対応していただける医療機関を探しはじめました。

 

幸いなことに、結局この時は3日かからずに帰京できたので、実際に処方箋もお薬手帳もない中での、医療機関の受診や薬の処方を経験することはありませんでしたが、
こういう時に患者個人の情報が速やかに共有され、適切な医療を受けることができる環境の構築が絶対に必要だと実感しました。

 

「医療をつなぎ、命をつなぐ。」
という、医療の仕事に携わる私たちが肝に命じなければならない言葉があります。

 

この言葉の意味を北海道の地震で充分に思い知りましたが、
災害時に限らず常日頃から、医療では様々な“つながり”があります。

 

大学病院をはじめとする基幹病院と地域に根ざすかかりつけ医のつながり、
第三次救急医療機関と傷病者を収容し搬送する救急車のつながり、
医師とコメディカルなど医療現場での職種間のつながり。
その他にも、過疎地に住んでいて必要最低限の医療につながりたい、
希少疾患がみつかり専門の医師につながりたい、
莫大な医療費を要し社会保障制度とつながりたい、
更には、患者様と心をつなげたいなど、
医療には様々なつながりがあり、どれもこれも命をつなぐために欠かすことのできないものです。

 

弊社は電子カルテのメーカーですので、私は常日頃この業務に関わっており、
電子カルテの側面から、この“つながり”について考えることがあります。

 

クラウド型電子カルテの導入理由として、「災害時の対策」というデータが発表されていますが、これは東日本大震災での経験に基づいているかと思います。

 

ネットワーク被害により院内システムが利用できない、紙データが津波で流されたなどの事例から、
医療機関におけるデータの保管やバックアップ以前に、
常日頃から災害時にも耐えうる体制を整える事が重要という事が解り、
その方向に舵をとった際の選択肢のひとつが、クラウド型電子カルテの導入だったのではないでしょうか。

 

クラウドサービス自体の特徴として、
資産や保守体制を現場で持つ必要がない、どこでもサービスを利用できる、情報漏えい等に対するセキュリティが高いなどが挙げられますが、
このクラウドサービスの当たり前の機能が、災害時にはとても重要で、医療情報の集約ともいえるカルテでは、クラウド型電子カルテがこの条件を満たしていたということかと考えます。

 

そうなると電子カルテの開発および運用を行う私たちは、情報の伝達という観点で、時間の横軸(日常診療)だけでなく、縦軸(過去・未来)にも力を入れていかなければならないのだと実感します。
患者様の投薬歴や病歴はどれほど大切な情報か、そしてこれをつなげることによりつながる命があることを肝に命じ、災害時にも耐えうるカルテにしていきたいと思います。

 

パンからだいぶ飛躍しましたが、このような他職種の企業が集まる展示会の見学はとても勉強になります。
私たちのチームでは、スタッフひとりひとりの知識や意識の底上げのためにも、このような展示会への参加を続けていきたいと考えています。

 


■「CLIUS(クリアス)」概要
「CLIUS(クリアス)」は医師にとって効率的なカルテ入力作業を実現し、患者様と親密な診察時間を設けることができる電子カルテサービスです。診療の中核として開発され、直感的な操作を実現し、自動学習機能やレセプト分析サポートでクリニックの時間創出のお手伝いを行い、他医療機関や周辺システムと連携しやすい設計となっております。

公式サイトURL:https://clius.jp/

文/宮原

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