算定漏れを防ぎ、診察の流れを止めない

梅屋敷内科クリニック
辻川 雄
  • 内科
  • アレルギー科
  • 呼吸器内科
  • 循環器内科
  • 消化器内科
導入時期
令和6年4月
導入の背景
他電子カルテからの移行
東京都大田区大森に拠点を置く同クリニックは、「必要な医療を、必要なだけ提供する」という信念のもと、地域に根差した「かかりつけ医」として多くの信頼を集めている。呼吸器・循環器・総合内科における高い専門性が最大の特色であり、一般的なクリニックでは専門医への紹介を要するような症例でも、院内で一貫した診断・治療を完結できる体制が整っている。また、AI診断支援機能を備えた内視鏡を導入し、最新技術と豊富な臨床経験を掛け合わせることで、精度の高い検査を実現。過剰な医療を排し、患者一人ひとりの背景や想いに真摯に寄り添う診療スタイルは、地域医療の安心を支える大きな支柱となっている。
導入前の課題
  • ・【収益管理の不備】旧システムでは加算が自動反映されず、算定漏れが恒常的に発生していた
  • ・【登録業務の煩雑さ】薬剤名から適応病名を探し出す検索機能に課題があり、薬剤と病名の整合性を確保する作業が煩雑だった
  • ・【データ管理・運用の制約】万が一のシステム変更や機器連携の際、特定のメーカーの仕様に縛られやすく、自院のデータでありながら柔軟な運用や経営の透明性を確保しづらかった
導入後の効果
  • ・【収益機会の最大化】レントゲン等の画像管理加算項目など、手動入力を要していた項目が自動反映されるようになり、取り漏れを防ぐことができた
  • ・【業務効率の向上】カルテの処理速度が上がったことに加え、看護師による事前ヒアリングやCLIUSの「クリップボード機能」等を活用した事前予習により、診察の質を落とさずに診療時間を短縮できた
  • ・【データ主導の柔軟な運用】カルテとレセコンが分離されているため、万が一のシステム変更や機器連携もメーカーに左右されず、柔軟さと経営の透明性を確保できた

算定漏れとメーカー依存を解消し、診察の質を落とさず収益と業務効率を最大化

2018年7月の開業以来、地域医療の最前線で患者様と向き合い続けている梅屋敷内科クリニック。院長の辻川先生は、システム導入において「診療以外の作業を効率化し、患者様と向き合う時間、診療の本質に集中できるか」を追求されています。
なぜクリニックからの支持が高い「一体型」電子カルテではなくあえて「分離型」のCLIUSを選んだのか、お話を伺いました。

CLIUSを導入されたきっかけと、それ以前の課題を教えてください

CLIUSが幅広いユーザーにとって使いやすいこと、電子カルテとレセコンが分離していること、この2つを軸に電子カルテを探しており、いくつかの電子カルテを比較した中で最終的にCLIUSに決めました。

以前も電子カルテとレセコンが分離されているシステムを使っていましたが、薬剤名から適応病名を検索する機能に課題を感じていました。薬剤を入力しても該当する病名がスムーズに表示されないこと、頻用する病名の候補が自動表示されないため、再診患者さんが来られた際にも手間がかかり、電子カルテの乗り換えを決めました。

何より深刻だったのは算定漏れです。 CLIUS導入以前のカルテ環境では、レントゲンの電子画像管理加算など自身で入力する必要がありましたが、CLIUSはアシスト機能によって必要な加算項目を自動表示してくれるので助かっています。以前のシステムでは、3年間で500万もの算定漏れがあり、事務スタッフも気づききれない盲点だったのでCLIUSに乗り換えてよかったと思っています。

他社カルテと比較されたなかで、CLIUSを導入いただいた「決め手」はどのような点でしょうか

カルテの乗り換えを検討し始めた段階で、他社製品のデモやトライアルも相当数試しました。その中でCLIUSに決めた最大の理由は、やはり圧倒的な処理速度と構造のシンプルさです。他社と比べても画面の切り替わりが数秒単位で速い印象で、診察の現場において、この数秒のレスポンスの差が積み重なることの価値を日々の診療のなかで実感しています。

他社の電子カルテはレセコン一体型が多いのですが、電子カルテとレセコンの処理を同時に走らせるため負荷が干渉し合い、動作が重くなったり障害の原因になったりするのではないかという懸念も耳にしていました。その点、CLIUSはカルテとレセコンの役割が明確に分業されているので、非常に安定しています。

さらに、万が一のシステム障害時のリスクを分散できるのも大きかったですね。 一体型のクラウドシステムだとサーバーが共有されているため、メーカー側で障害が起きた際にカルテもレセコンも両方止まってしまう懸念があります。しかし分離型なら、仮にカルテ側のサーバーにトラブルが起きてもレセコンは生きているため、診療や窓口業務を完全に止めずに済みます。この『現場が止まらない安心感』は非常に大切だと考えています。

その他に、CLIUSを評価いただいた点や将来を見据えて重視されたポイントはありますか

CLIUSを評価しているもう一つの理由は、レセコンにWeb ORCAを採用している点です。Web ORCAはオープンソースであるため、各メーカーの医療機器とつなぐ際の標準規格になりやすく、「様々なシステムや機器と連携しやすい」という考え方で設計されています。そのため、レセプトチェックソフトやAIを活用した点検ツール、経営分析ソフト、健診・検査システムなど、多くのサービスと柔軟に連携できます。

また、自動精算機や受付システムなどの院内機器もWeb ORCA対応製品が豊富なため、新たに機器を導入する場合でも「この機器とはつながらない」という心配が少なく、安心してシステムを拡張できます。

さらに、レセコンが電子カルテと独立した構成であるため、患者情報やレセプト資産をクリニック側で管理しやすく、将来的に電子カルテを変更する場合でも、レセコンや周辺機器を活かしやすい点も大きなメリットです。一般的な一体型クラウド電子カルテの場合、レセプトに変更があると電子カルテや会計などシステム全体の改修作業が伴うため、タイムラグが生じやすいと聞いています。その点、分離型はAPI連携さえすればほとんどの対応が完了します。そもそもシステムとして、レセプト変更へ追従しやすい設計になっていることは、クリニックの実務において非常に有利ですね。

今後はAIやさまざまな医療機器との連携がさらに重要になると考えています。そのような時代だからこそ、一体型電子カルテよりも、Web ORCAを活用した分離型システムの方が、地域医療連携を含めた拡張性や将来性の面で優れていると感じています。 私がCLIUSを高く評価している理由は、現在の使いやすさだけではなく、このような将来を見据えた柔軟なシステム構成にあります。

ORCAのUIについて、スタッフの皆様のお声はいかがでしたでしょうか。また、運用面でのメリットなどはありますか

使い始めると『ORCAはやっぱり使いやすい』と評価するスタッフが多いですね。算定チェックや入力漏れを先回りして通知してくれるアラート機能も非常に豊富ですから。もちろん、他社システムから移行して最初の数ヶ月は事務スタッフも大変だったと思いますが、CLIUSはカルテ画面からレセコン情報へスムーズにアクセスできる設計なので、結果として大きな混乱はありませんでした。

今のスタッフは非常に優秀ですし、CLIUSの操作性のおかげで、診察は医師、会計業務は事務と、業務の分業化もスムーズにできています。医療事務の視点からも『カルテ画面上でレセコンの情報が見えるのはありがたい』と評判です。

それから価格面ですね。オプションを増やせば金額は上がりますが、自分たちの運用に合わせてコストを抑えようと思えばコントロールできる。データ量に応じた従量課金などがないのも、経営的には非常に助かっています。

クリニック経営で大切にされていることは何でしょうか

やはり、スタッフが安心して長く働ける環境づくりですね。看護師さんの採用が難しい時代ですが、勤務医時代には味わわなかった人事周りの苦労を経験する中で、『ある程度スタッフに裁量をお渡しし、信頼してお任せする』というスタンスに落ち着きました。

また、スタッフを守る姿勢を院長が示すことも不可欠です。理不尽なクレームに対しては毅然とした姿勢でスタッフの盾になる。そして何より、経営者としてクリニックの収益体制をしっかりと整えておくことが、結果としてスタッフの安定した雇用につながると考えています。

風邪の患者さんがオンライン診療を選ばれるようになったり、特色のないクリニックは淘汰されたりと、内科は開業5年を目安に患者数が落ち着く傾向にあると言われていますが、おかげさまで当院は患者さんが増え続けています。これも、地域に必要とされる専門性を持ちつつ、CLIUSで効率化した分、スタッフが患者さんと丁寧に向き合える体制が作れているからだと思います。

集患について、何か特別な工夫はされているのでしょうか

集患については、駅前の一等地なら合理的ですが、当院のように駅から少し距離がある場合は、やはり口コミが基本です。専門性を大切にしながらも、地域のみなさまに幅広く頼っていただけるクリニックを目指して、日々の信頼を地道に積み重ねていくこと。地域のみなさまから愛され、必要とされるクリニックであり続けることが、結果として一番の近道ではないかと考えています。

今後のCLIUSへ要望はありますか

要望としては、診療情報提供書といった本来カルテにあるべき機能は標準搭載してほしいですね。また、UIの改善要望はいくつかあります。まずクリップボード機能について、日々テンプレートが増えていくため、ドラッグ&ドロップで自由に場所を並び替えでき、頻繁に使用するものを一番上に配置できるようになると便利さが増しますね。もう一つは、共通する機能やボタン配置の統一です。例えばゴミ箱のマークなどがそうですが、同じ機能を持つボタンは設計に規則性を持たせ、いちいち画面を確認しなくても無意識に操作できるようになれば、より直感的に使えて日々の時間短縮に大きく繋がると思います。

一方で、先ほどから申し上げている通り、CLIUSの価値は『オープンな姿勢』にあると感じています。クラウド型なので、診察室や受付、検査室で使用するパソコンを自分好みで選べてコストも抑えられますし、カルテとレセコンが分離されているので、万が一他社へ乗り換える際もデータが人質になるようなことはありません。

カルテメーカーによっては、いざという時に患者データや診療データを出してくれないケースも少なくないと聞いています。その点、CLIUSはレセコン情報をクリニック側が持っていられる。自院にデータ主権があるからこそ、外来データ加算の取得や疾患別の患者抽出、アカウント数の柔軟な把握なども、クリニック主導で行えるわけです。

これからの時代、医師にも今まで以上のIT知識が求められるようになってきていると感じています。だからこそ、この『データに対する主権』を確保できる点は、これから開業される先生方にもぜひお伝えしたい重要なポイントだと思います。

これから開業される先生方へ、効率的な運用のアドバイスがあればお願いします

看護師さんと連携した事前ヒアリングの仕組みはおすすめですね。以前は診察室で私自身が最初から最後まで患者さんからお話を伺って診察内容を打ち込んでいたのですが、看護師さんに診察前の事前ヒアリングを徹底してもらう体制に変えました。

これだけで診察のテンポは劇的に変わりました。以前は午後に50人ほど来院されると、診察を終えるまでに1時間以上も押してしまうことが常でしたが、今はほとんど定刻に診察を終えています。医療情報の取れる看護師さんが患者さんの情報を事前に整理しておく、これは本当に大きいです。

あと、AI音声文字起こし機能なども先生のスタイルによっては活用できると思います。ただ、私自身はタイピングが早いこともあり、結局キーボードで打ってしまった方が早く、思考のペースにも合っているんですよね。タイピングが苦手な先生にはとても便利な機能だと思いますが、ご自身の入力スピードやスタイルによっては、まだまだ手入力の方が使い勝手がいい場面もあるかもしれませんね。

実際にCLIUSに触れてみる

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