「CLINICS(クリニクス)オンライン診療」は「オンライン診療」を実現するためのシステムとしては、現在最も使用されているものと言っても過言ではありません。
実際、2020年6月時点で10万回の診療をこなした実績を誇ります。
診療所のみならず、「東京大学医学部附属病院(東大病院)」「東北大学病院」などの中核病院でも広く使用されており、これは「CLINICSオンライン診療」がいかによくできたシステムであるのかを証明しています。
「CLINICSオンライン診療」の特徴・機能
クラウド診療支援システム「CLINICS」は「CLINICS予約」「CLINICSカルテ」「CLINICSオンライン診療」が連携してスムーズな医療支援を実現します(「CLINICSカルテ」は日本医師会の標準レセプトソフト「ORCA」を完全内包)※。
「オンライン診療」では、患者さんは「CLINICS」アプリを利用し、クリニック側ではクラウドサーバー上にあるシステムを利用します。
患者さん側のアプリはダウンロード、利用料金は無料です。
※すでに別種のレセコンを使用している場合でも「CLINICS」との併存は可能です。
「CLINICSオンライン診療」の機能
「CLINICSオンライン診療」は以下の機能を備えています。
- Web予約・予約管理
- 事前問診
- 保険証の確認
- リアルタイムビデオ通話による診察
- 診療代金の決済(クレジットカード決済)
- 薬局への処方せんデータの配信・処方せんの配送サポート
「CLINICS予約」の管理画面
まず注目すべきは「予備問診機能」です。失念しがちですが、診察自体はビデオチャット機能さえあれば可能ですが、「オンライン診療」では事前問診を欠かすことができません。
保険証の確認も個人を特定するためには必須です。「CLINICSオンライン診療」ではオンライン診察を始める前に必要な機能をきちんと盛り込んでいます。
また、診察が終了し、医事会計が終わったら、患者さんは診療代をクレジットカードで決済します。
さらに「CLINICSオンライン診療」では、手間のかかる投薬についてもオンラインで行えるよう工夫されています。患者さんが選択した調剤薬局に処方せんデータが送信されますので、そのデータをもとに薬局は患者さんの薬を調整。
服薬指導については薬局の薬剤師とビデオチャットで行い、薬は配送されます。実際の処方せんもクリニックから調剤薬局に配送するという具合です。
このように、「CLINICSオンライン診療」では、「オンライン診療」のWeb予約から診察終了・精算、患者さんが処方薬を受け取るまでの一連の流れをシームレスに行うことが可能です。つまり「オンライン診療」のトータルソリューションを提供するシステムなのです。
「CLINICS」アプリでの服薬指導を受けている様子。患者さん側
患者さん側にも「「CLINICS」アプリ一つで「オンライン診療」の予約から服薬指導を受けることまで一気通貫で可能」という大きなメリットがあります。
「CLINICSオンライン診療」の導入準備・導入に必要な時間
「CLINICSオンライン診療」導入の準備については以下のようになります。
クリニック側で準備すること
- パソコンなどの機器や通信環境の準備
- 時限的措置を含めたオンライン診療実施の具体的な算定点数や要件について理解
- 対象とする疾患や患者さんについてなど、オンライン診療方針の策定
- 医療クラークやその他事務スタッフ含めた、診療実施におけるオペレーション設計
- システム画面の操作方法のインプット、テスト診察の実施
- 患者さんへの案内方法の策定
- オンライン診療用のメニュー作成および「CLINICS Web」サイトでの公開
- オンライン診療の実施に関して患者さんとの同意を得る
患者さん側で準備すること
- 「オンライン診療」実施について医師との同意
- 「CLINICS」アプリのインストール(PCではブラウザーからログインできるのでインストール不要)
- アプリでアカウント登録
- 医療機関の診察予約
クリニック側で特に重要な作業は、2、3、4です。
現在の医師・スタッフのワークフローがどのようになっているかを理解し、「オンライン診療」をどのように実現するのかを考えておかなければなりません。
「CLINICSオンライン診療」開発・販売元の株式会社メドレーによれば、オンライン診療の体制構築・スタッフのトレーニングに「1カ月~1カ月半」ほどの時間を要することもあるとのこと(繁忙期には要相談)。
つまりクリニックとしては「オンライン診療」をすぐにでも始められると安易に考えない方がいいということです。慌てて「オンライン診療」を始め、ワークフローが混乱したなどの例は枚挙にいとまがないのです。
「CLINICSオンライン診療」のサポート体制
「CLINICSオンライン診療」の導入に際してサポート体制は特に以下の点に注力しているとのこと。
- ITリテラシーをしっかりサポート
- 現場の活用事例を共有すること
医師でもIT技術についての理解度は実にさまざまですから、そこをまず押さえるのは非常に重要なポイントです。また、「ほかのクリニックではどのように活用しているのか」を知ることはクリニックにとって大きな助けになります。「CLINICS」は中核病院から診療所まで広く使われているので、参考事例には事欠かないというわけです。
さらに、以下も注目ポイントとして挙げられます。
- 複数の医師が開発に参加し、臨床における活用事例を基にしたシステム改善を継続的に行っていること
- 複雑なルール、多様な活用方法に精通した専門チームが医療機関をサポートしている。患者さん向けサポートデスクも完備され、医師と患者双方が安心して利用できる体制が整っていること
特に患者さん向けのサポートデスクが設けられているのは素晴らしいことです。クリニック側の負担を軽減してくれるものといえるでしょう。
「CLINICSオンライン診療」の導入費用
サービス・項目名 | 価格 |
初期費用/導入費用 | 数十万円 (クリニックの状況に合わせて個別に提案) |
システム利用料 | 1万円/月 |
サービス利用料 | 決済額の3.45% |
日本で最も使われている「オンライン診療」システムといってよい「CLINICSオンライン診療」。開発には医師はもちろん医療従事者が多く携わり、現場での使い勝手を第一に考えて設計されている点が最大の特徴といえるでしょう。
特徴
オンライン診療機能
システム提携
診療科目
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2020年11月時点の情報を元に作成しています。