「エアカーテン」は、強力な風を噴射してカーテンを作る製品です。飲食店やスーパー、工場、コンビニなどさまざまな施設で導入されていますが、医療施設でも数多く導入事例があります。
では、エアカーテンを導入することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?エアカーテンの設備事業を行っている『株式会社トルネックス』にお話を伺いました。
ドアの開閉に伴う熱損失が減らせる
導入するメリットとして、まずは「温度対策」が挙げられます。
例えば、暑い夏の日に冷房で部屋をよく冷やしたり、暖房で十分に暖めたりしても、何度も部屋を出入りすれば冷たい空気や熱気が外に逃げてしまいます。特に冬場は屋内と屋外との気温差が大きいため、熱気が逃げるだけでなく冷たい外気が足元から一気に入ってしまいますよね。クリニックの場合も同じです。特に患者さんの出入りが多ければ多いほど空気が逃げ、待合室の温度が変わります。温度が変化すると快適さも失われます。
しかし、エアカーテンがあれば空気の流れが止まるため、冷暖房時の熱損失を減らせるのです。冬は暖く、夏は涼しい状態を維持しやすくなります。特に病気で苦しんでいる人は温度変化に敏感ですから、できるだけストレスなく待合室で過ごしてもらうためにも、エアカーテンは役立ってくれるのです。
季節によっては害虫対策にもなる
医療施設にとってハエなどの害虫は大敵。見た目が不快なだけでなく、衛生管理の観点からも徹底的に対策をとりたいものです。しかし、精密機器の多い院内で燻煙式の殺虫剤を炊くことはできませんし、置くタイプの虫除け製品を設置しても思うように効果が得られないことも。
過去には、厚生労働省から医療機関に向けて「ねずみ及び昆虫等の防除における安全管理について」という通知が出され、院内に残留した薬剤が患者に健康被害を及ぼさないよう注意喚起されたこともありますが、実際、害虫やねずみの駆除に悩んでいるクリニックはとても多いのです。
そうした悩みを解消するためにもエアカーテンは有効。風の幕によって害虫の侵入を防ぐ効果が期待できますし、トルネックス社には、風で侵入を防ぐだけでなく、フマキラーの『ウルトラベープPRO』を用いた「防虫エアカーテン」という製品もあります。
忌避剤の成分がエアカーテンで広がり、害虫の侵入を防ぎます。
気になる導入費用や電気代は……
実際に導入する場合、株式会社トルネックスでは、問い合わせ後に取り付け場所を確認し見積もりを出します。金額がOKなら工事を開始するという流れで、問い合わせから稼働まではスムーズに進めば3週間ほどだそうです。
また、導入費用については、機器と工事費でだいたい20~30万円ほど(導入する機器のタイプやサイズ、機能で値段は変わります)。こうした大型の機器は電気代が気になるところですが、高くても月々数百円とのこと。
エアカーテンの種類や機能も、前述の防虫タイプのものや自動ドアの開閉に連動して作動するタイプなどさまざま。導入する場合は、サイズはもちろん、用途に応じて選ぶといいでしょう。
クリニックにメリットの多いエアーカーテン導入を検討してみて
エアカーテン導入のメリットや導入のプロセス・費用などをまとめてみました。
出入りによる温度変化を軽減し、害虫の侵入を防ぐと、医療機関にとってはありがたい効果を有しています。
実際に導入している病院もありますから、患者さんの快適さを保つためにも、開業の際には導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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この記事は、2021年2月時点の情報を元に作成しています。