医師を辞めたいと思う理由とは?

「高収入」「人の命を救うことができる」「生命誕生の瞬間に立ち会える」「患者の家族に感謝される」など、医師の仕事には魅力的な側面がたくさんあります。しかし、どんな仕事でもそうですが、魅力的な側面がある一方、辛いことや大変なこともあります。そして時には、マイナス面ばかりに目が向き、仕事を辞めたいと思うこともあるもの。では、実際のところ、医師が仕事を辞めたいと思うのはどんなときなのでしょうか? さっそく見ていきましょう。

目次
  1. 医師が「仕事を辞めたい」と感じるのはどんなとき?
    1. 1.激務である
    2. 2.プレッシャーが大きすぎる
    3. 3.訴訟リスクが怖い
    4. 4.転勤が辛い
    5. 5.職場の人間関係に悩んでいる
    6. 6.待遇に納得いかない
    7. 7.経営が大変だ
    8. 8.仕事にやりがいを見出せない
  2. 医師を辞めたら、その後どう生きていけばいい?
    1. 1.介護老人保健施設の勤務医
    2. 2.病院や施設以外の、医師として活躍できる場を見出す
    3. .製薬会社に転職する
    4. 4.職場を変える、開業する
    5. 勤務医が辞める際、どんな準備が必要?

医師が「仕事を辞めたい」と感じるのはどんなとき?

まずは、どんなときに医師が仕事を辞めたいと感じるのかを考察します。

1.激務である

ひとつめの理由として考えられるのは、仕事が激務であるということ。事実、厚生労働省が公表している「医師の働き方改革について(2019年)」によると、医師の約40%が、“過労死ライン”とされる月80時間以上の残業をしていることがわかっています。月80時間以上働いている医師の分布は以下のようになっています。

残業時間 割合
80時間以上120時間未満 18.40%
120時間以上160時間未満 11.60%
160時間以上200時間未満 6%
200時間以上240時間未満 2.70%
240時間以上 1.80%

ここまで多忙だと、肉体面の疲労を癒すことができないのはもちろん、業務外の時間に新たな知識を吸収することなども難しくなってくるでしょう。

参考URL:厚生労働省医政局 医療経営支援課 医師の働き方改革について

2.プレッシャーが大きすぎる

また、患者の命を扱う外科医や産婦人科医などは特に、大きなプレッシャーを感じています。医療現場においては少しのミスも許されないため、医師も看護師も常に神経を張り巡らせているので、その分、プレッシャーやストレスを感じて当然です。さらに、入院患者の病状急変や救急外来への対応なども、場合によっては責任を問われる事態にもなりかねないため、負担を感じている医師も多いことでしょう。

3.訴訟リスクが怖い

2と関連する理由として、「訴訟リスクが怖い」も挙げられます。治療や手術に全力で挑むのはもちろんですが、どれだけ手を尽くしても救えない命もあります。その結果、訴訟を起こされることは、絶対にないとは言えません。事実、最高裁判所が公式サイトで公表している「医事関係訴訟事件統計」によると、2018年の医療関係訴訟事件数は785件もあります。

参考URL:裁判所 - Courts in Japan - 医事関係訴訟事件統計

4.転勤が辛い

大学病院に勤めている勤務医の場合、2、3年ごとに関連病院に転勤することになります。医局人事を断ることは難しいため、従いたくない異動が続けば、辞めたくなることもあるでしょう。

5.職場の人間関係に悩んでいる

職場の人間関係に悩むことは医師に関わらず誰にもあり得ますが、医師の場合、さまざまな立場の人間と関わらなければならないため、人間関係がより複雑であることは間違いないでしょう。看護師との人間関係に悩んでいる医師も多いと言われています。

6.待遇に納得いかない

高収入のイメージがある医師ですが、拘束時間の長さや責任感の重さを考えると、待遇に納得できない場合もあるでしょう。大学病院の勤務医の場合、勉強名目で無給医とされてしまうこともあるので、納得がいかなくても当然だといえるでしょう。

7.経営が大変だ

開業医の場合、経営が軌道に乗るまでは精神的にも安定できず、辞めたいと感じることがあるかもしれません。集患・増患がうまくいかなければ、なかなか開業資金を回収できずにストレスでいっぱいになることもあるでしょう。

8.仕事にやりがいを見出せない

医師に関わらずどんな職業でもそうですが、「キャリアをスタートしたところ、想像していたものとはかけ離れていた」「自分には向いてないとわかった」などで辞めたくなることは当然あるでしょう。また、医療ミスなどの失敗を犯して以降、仕事へのモチベーションを保てなくなった場合もあるかもしれません。

医師を辞めたら、その後どう生きていけばいい?

では、辞めたい気持ちが大きくなって、実際に医師を辞めた場合、その後はどんな人生を歩むことになるのでしょうか?

1.介護老人保健施設の勤務医

介護老人保健施設は、当直やオンコールが比較的少なく、精神的にも身体的にも負担が少なめです。仕事内容は、入所者である高齢者への健康管理および治療となります。施設内で高度な医療行為をおこなうことはできないため、その場で適切な処置をおこない、必要であれば大病院などにつなぐ必要があります。

2.病院や施設以外の、医師として活躍できる場を見出す

さらに柔軟に働きたいなら、産業医として働くのも一手。会社で働いている社員の健康管理や就業環境のチェックが主な仕事で、専門的な疾患を診ることはないため、技術的な部分に関して自信が持てないことが原因で医師を辞めたいと感じている人にも向いているかもしれません。ただし、産業医として活躍するためには、産業医学生涯研修を定期的に受講することが必要です。また、検診医や美容医、保健医なども、柔軟な働き方を求めている人に向いているでしょう。

.製薬会社に転職する

製薬会社に転職して、メディカルドクターとなるのもひとつの道です。メディカルドクターになると、臨床試験の情報収集やアドバイス、薬の有害事象に関する検証のほか、マーケティング戦力に関するアドバイスなどもおこなうことになります。

4.職場を変える、開業する

職場の人間関係や待遇へ納得できないことが原因で「辞めたい」と感じている場合、職場を変えたり開業したりすればもう一度やる気を取り戻せる場合も多いでしょう。

勤務医が辞める際、どんな準備が必要?

勤務医が仕事を辞めると決意したら、早い段階から退職の手続きを進めることが大切です。なぜかというと、突然医師が退職すると、人手が足りなくてみんなが困ってしまうからです。できれば2~3か月前に退職の意向を伝えて、病院側にも人員補充の準備をしてもらえるよう心掛けましょう。

心や身体を壊してまで働き続ける生き方を続けるべきか、一度立ち止まって考えてみて

医師を辞めたい気持ちはあるものの、なんとかがんばって辞めずにいるという人も多いかもしれません。しかし、肉体的・精神的に無理して働き続けても、長くは続けられないかもしれませんし、最悪の場合、過労死ということもありえます。そうした事態に陥らないよう、辛いと感じた時点で解決方法を考えるのが得策。場合によっては、「医師を辞める」以外の選択肢が一番だという結論に辿り着くこともあるでしょう。誰かに話を聴いてもらっただけで「もう一度がんばろう」と思えることもあれば、職場環境を変えたことで俄然働きやすくなることもあるもの。どんな選択肢があるのかを含めて、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか?

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