医師からも頼りにされる、医療系ベンチャー無料支援事業「MEDISO」

医療業界にインパクトを与えられそうなアイディアや技術を持っているけど、資金やノウハウが足りずに実用化できていないという人はいませんか? そんな人にぜひ知ってほしいのが、医療系ベンチャーの無料支援事業「MEDISO(メディソ)」(=Medical Innovation Support Office)です。同事業は、厚生労働省のベンチャー支援策の一環として、医薬品や医療機器、再生医療等製品などの製品の事業化を目指している、個人を含めたベンチャー、アカデミアなどの支援 のためにスタート。事業が開始となった2018(平成30)年にはポータルサイトも開設となり、現役の医師から、これから医療業界に従事したい学生まで、 さまざまな相談者の課題解決をサポートし続けてきています。

目次
  1. 医薬品メーカー出身者からVC、弁護士まで多彩な専門家が相談者をサポート
  2. MEDISOの使命は、「医療系ベンチャー企業の底上げ支援」と「有望企業の輩出支援」
  3. アイディア段階でも事業展開中でも相談できるよう、2つの相談方式を用意
  4. 総合面談後は、MEDISOの常勤サポーターによる助言を受けられる
  5. 事業スタートから約3年1か月で630件以上の相談に対応
  6. 経済産業省の「InnoHub」とも連携しながら、より多くの相談者をサポート
  7. 事業を進めていくなかで、新しい課題が出てくるたびに質問するのもOK!
  8. 医薬品、医療機器の発展に貢献すべく、シンポジウム開催やハンズオン支援をおこなうことも
  9. サポーターは相談者と同じ目線に立ち、しっかり寄り添ってサポートしてくれる

医薬品メーカー出身者からVC、弁護士まで多彩な専門家が相談者をサポート

サイトの運営に携わっているのは株式会社三菱総合研究所。相談者からの質問に応えてくれる「サポーター」は、医薬品・医療機器メーカー出身者から、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)・AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)経験者、VC、弁護士、弁理士など多彩な専門家がそろっています。そのため、資金面に関することから薬機法に関することまで、質問ごとに、回答者として最適な専門家に相談に乗ってもらえるのが大きな魅力です。

MEDISOの使命は、「医療系ベンチャー企業の底上げ支援」と「有望企業の輩出支援」

MEDISOの目的として掲げていることのひとつが、「医療系ベンチャー企業の底上げ支援」です。その実現のため、まずは窓口に寄せられた一つひとつの相談の課題を分析して、必要な場合は各分野の専門家を紹介しています。たとえば、知財戦略に関することが課題なら弁理士さんが最適。

いずれの分野でも実務経験豊富な方ばかりなので、実践的なアドバイスを提供できるのがポイントです。そしてもうひとつの目的が「有望企業の輩出支援」ですが、2018年2月の事業スタート以降、実際に有望な企業が出てきています。

そう話してくれたのは、株式会社三菱総合研究所 MEDISOプロジェクトマネージャーの八巻心太郎さん。MEDISOでは、八巻さんを中心とするプロジェクトメンバーが相談受付や課題分析をおこない、その後、実際の相談を各専門家が担当しています。

アイディア段階でも事業展開中でも相談できるよう、2つの相談方式を用意

相談方式は2パターンあります。まずひとつめが、起業やアイディア実現に向けてより本格的に動いている人向けの「MEDISO総合面談」。

受付後、相談内容の精査をおこない、必要であればサポーターの助言へとつないでいきます。そしてもうひとつが、MEDISO事業への問い合わせやシンプルな疑問について、短時間で気軽に相談できる「MEDISO Open Hours」。こちらは、初歩的なことを質問したい場合などにうってつけ。

「事業についてまだ具体的なことまで掘り下げられておらず、これから何を準備していけばいいかわからない」「とりあえずざっくり質問してみたい」などにも対応してくれます。

総合面談後は、MEDISOの常勤サポーターによる助言を受けられる

MEDISO総合面談」受付後に助言をおこなうのは、MEDISOのオフィスに常駐している「常勤サポーター」。MEDISOのサポーターには、具体的な相談があった際に対応する「非常勤サポーター」もいますが、「MEDISO総合面談」に寄せられたすべての相談に対して、ジェネラルな対応ができる専門家が「常勤サポーター」としてオフィスに常勤しています。

そのうちのひとり、橘正敏さんは、精密機器企業の医療機器部門に25年以上従事。

国内外の市場調査や販路開拓などのマーケティング、商品企画、法規制対応、品質システム構築など、製品ライフサイクルに関する一連の業務に携わり、社内外の多岐にわたるプロジェクトを管轄してきました。業務を進めるうえで大切にしていたのは、プロジェクト全体を広く見渡し、ステークホルダーとの良好な関係を構築しながらパフォーマンスを最大化させること。MEDISOの相談においても、この考えに則って、ファクトベース、リスクベースに基づきながら支援をおこなっています。

事業スタートから約3年1か月で630件以上の相談に対応

すべての相談内容を確認してきている橘さんによると、相談内容は初歩的なことからかなり高度なものまでさまざま。2018年2月の事業スタートから3年強で630件以上の相談に対応していますが、日に日に相談件数が増えているのだとか。相談者の内訳としては、ベンチャーが59%、学術団体が17%、個人などその他が24%。扱っているものの内訳は、医療機器が46%、医薬品が23%、再生医療等製品が10%で、その他ヘルスケアの領域にあるものが21%。

もっとも多い相談内容は法規制に関することで、これが全体の53%を占め、続いて資金調達に関することが34%、事業計画に関することが32%なのだそうです。

また、医薬品に関しては資金調達、知財戦略に関する相談が多く、再生医療等製品に関しては法規制対応の相談割合が高いのが特徴。医療機器に関しては、法規制対応、マーケティング、事業計画、国際展開、保険収載の相談割合が高いそうです。

経済産業省の「InnoHub」とも連携しながら、より多くの相談者をサポート

相談内容によってはMEDISOでは対応できないですが、経済産業省が2019年に立ち上げた「InnoHub(イノハブ/=Healthcare Innovation Hub)」の窓口につなぐことがあります。

「InnoHub」では、ヘルスケアやライフサイエンスに関わるベンチャー企業などをサポートしているのですが、どちらも三菱総合研究所が運営していることもあり、“協業”のような形で双方のスキームを連携して相談者のマッチングをおこなっています」と八巻さん。

「MEDISO Open Hours」のように気軽に相談できる機会が設けられているだけでなく、MEDISOでの個別紹介が難しい場合にはマッチングする先まで紹介してもらえるなんて、相談しない手はなさそうです。

では、具体的にはこれまでにどんな相談が寄せられているのでしょうか?

「法規制に関することだと、「このアイディアを製品化する場合、どうすれば薬機法に抵触しませんか?」といった相談もあれば、製品化にあたって会社が取得すべきライセンスの内容についての質問もあります。それから、事業化していくにあたってのチームビルドや、資金調達に成功するための事業計画書作成のポイントについて尋ねられる方もいます」。

そう話す橘さんによると、個人もしくは少人数で事業を興しての製造販売の場合、ある程度の規模でライセンスアウトしたいとの相談もあるそうで、そのために取っておくべき特許権などのアドバイスを求められることも多いのだとか。

事業を進めていくなかで、新しい課題が出てくるたびに質問するのもOK!

おおまかなことは総合面談で対応しますが、より専門性の高い回答が必要な場合は、総合面談の後に「MEDISO戦略助言面談」を設けて、各分野のエキスパートである非常勤サポーターが助言をおこなっています」と橘さん。

また、事業を展開していくうえで新たな課題に直面するたび、相談を持ち掛ける企業もあるのだそうです。「2、3回相談されている企業はかなりありますし、多いところだと8回にものぼります。初期段階ではチームビルドに関する質問だったのが、段階が進むにつれて、企業価値をあげるために相談にこられるようになるなど、質問のレベルもあがっていっていますね」。

さらに、医師からの相談件数について尋ねると、「非常に多いです」と即答。「たとえば、「自分が一生の間に直接治療できる患者の数は限られているけど、自分のノウハウを医療機器として製品化できれば、何万人の患者さんを救うことができる」との志のもと相談を持ち掛けていらしたトップドクターもいます。

このドクターのようなすばらしい志があっても、資金調達から法規制に関することまでさまざまな課題をクリアしようとすると、ひとりではなかなか形にできないのがもどかしいところ。

事実、一般的なスタートアップが起業からエンドポイントまでに1~2年かかるところ、扱うものが医療機器や医薬品の場合、5~10年はかかるといいます。

しかし、早い段階でMEDISOに相談してプロの助言を受けることができたら、その期間を短縮することができるのが大きなメリット。事実、MEDISO立ち上げからわずか3年数か月の間に、ほぼほぼエンドポイントまで達している相談者がかなりいるのだそうです。

医薬品、医療機器の発展に貢献すべく、シンポジウム開催やハンズオン支援をおこなうことも

現在は、実際にMEDISOに相談にきてよかったと思っていただいた方々からの口コミで、利用者がどんどん増えていっています。だからこそ、MEDISOのプレゼンス向上にも力を入れていかなければと考えています」(八巻さん)その一環として、バイオビジネスにおけるアジア最大級の展示会「バイオジャパン」や「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット」にてシンポジウムをおこなったり、こうしたイベントに出展しているベンチャーを支援したりと幅広い試みを展開中。

また、昨年度は、人材交流事業として、MEDISO相談にいらっしゃった優良ベンチャーから選抜した後、約20社に対して、各方面の専門家を派遣するハンズオン支援もおこなってきました。

これにより、相談者にはより多くのチャンスが与えられていることになりますが、「まだ相談できる準備段階に至っていない……」と尻込みしてしまう人もいることでしょう。これに対して八巻さんは、「相談者のそうした懸念を払しょくするために用意されているのが「MEDISO Open Hours」ですので、準備不足だなどと気にせず、とにかく早い段階で相談にきてほしいです」とコメント。

サポーターは相談者と同じ目線に立ち、しっかり寄り添ってサポートしてくれる

サポーターは“先生”ではないので気負う必要なんてないんです。同じ目線に立ち、相談者に寄り添っていきたいと思っていますし、相談者の志やポジティブな言葉を聴くことで、逆にこちらが勇気をもらって一日明るい気分で過ごせることもあるくらい。

わたしに限らず、MEDISOでサポートしている人はみんな同じ気持ちです。「こういうふうに相談しないといけない」なんて決まりもまったくないので、気軽に相談してもらえたらうれしいです。(橘さん)

今まさに開業準備を進めている人も、開業からこれまでに新たな課題に直面して、それを解決するためのアイディアが芽吹き始めている人も、プロの助言を得たくなったときには、ぜひMEDISOへの相談を検討してみては?

「医療系ベンチャー・トータルサポート事業」の総合ポータルサイト MEDISO

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特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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