現在では、集患のメインの手段はインターネットとなっています。患者が特定のキーワードで検索した結果、自院のホームページが上位に表示されないと、検索結果からの流入は期待しにくいといえます。
そのため、SEO対策に力を入れることがとても大切なのはいうまでもありません。また、リスティング広告を活用するのも一手です。
では、リスティング広告とは具体的にどのような広告で、どうすれば集患・増患に関して高い成果を出すことができるのでしょうか?詳しく解説していきます。
「リスティング広告」とは?
リスティング広告とは、検索キーワードやユーザー属性に合わせて表示される広告のことです。最も有名なのはGoogleの検索キーワード連動型のものでしょう。例えば、「美容整形」で検索してみると、以下のような検索結果が出ます。
では、オーガニック検索の結果(=通常の検索結果)はどこに表示されているかというと、上から5番目以下に表示されています。
(上記画像の場合)上から4番目までは広告であるにも関わらず、上位に表示されていることから、検索結果を見る人の目に入りやすいため、クリックされる確率が高くなります。そのため、集患が期待できるという仕組みです。
リスティング広告のメリットは?
続いては、リスティング広告のメリットをみていきます。リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードとマッチした場合に画面の上位に表示されやすいということ以外にもメリットがあります。
エリアなどを限定して出稿できる
リスティング広告は、エリアを限定して出稿することが可能です。たとえば、クリニックが東京都新宿区に立地している内科である場合、他の都道府県在住の人の画面に広告が表示されても意味を成しませんし、東京都内在住であっても、新宿区から距離がある地域の人に広告を見てもらう必要はありません。
そのため、たとえば「新宿区 内科」のキーワードで検索するユーザーなど、自院を利用する可能性の高いユーザーに対してアピールできることは大きなメリットとなり得ます。
そのほか、対象とする年齢・性別などのターゲティング設定も可能です。
ターゲットをニッチな疾患の患者に絞ることで、広告予算を抑えられる
インターネット広告では、掲載枠ごとにオークションが行われ、落札できた広告主の広告が掲載されます。リスティング広告においては、入札の対象が「ユーザーが検索するキーワード」となりますが、このキーワードを「内視鏡検査 新宿駅」などに絞れば、検索する人の数が多くはないため、広告にかけられる予算が少なくても出稿しやすいといえます。
しかも、リスティング広告の掲載そのものは無料で、広告がクリックされると課金される「クリック課金制」であることも魅力です。
広告出稿をすぐに停止できる
広告の表示を止めたくなったら、すぐに止められるのも大きなメリットです。前述の通り、クリック課金制なので、予約枠が埋まってきた時点で出稿を停止するなどすれば、無駄に経費を使わずに済みます。
設定内容や訴求内容を柔軟に変えられる
リスティング広告の内容やターゲティング設定は、簡単に変えることができます。内容の変更がすぐに反映されるので、たとえば花粉症の治療など、季節によってアピールしたい治療が異なるクリニックにも向いている広告であるといえるでしょう。
【自院で行う場合】リスティング広告出稿の流れ
リスティング広告を出稿することは、広告代理店を通さずともできます。具体的な流れをみていきましょう。
1.アカウントを取得する
リスティング広告は複数ありますが、代表的なふたつが「Google広告」と「Yahoo!広告」です。いずれに出稿したい場合もアカウントが必要です。
前者の場合、Googleのアカウントが必要です。アカウントを取得したら、Google広告のページへと進みます。 参照:Google広告
後者の場合、Yahoo!ビジネスIDを作成する必要があります。ID取得後は、広告管理ツールより手続きを進めることになります。 参照:Yahoo!広告ヘルプ「お申し込み方法」
※ここからはGoogle広告を利用する場合の手順をベースに解説していきますが、Yahoo!広告の場合も大まかな流れは同じです。
2.キャンペーンを作成する
「すべてのキャンペーン」から「新しいキャンペーンを作成」を選択します。
3.キャンペーンの目標、キャンペーンタイプを設定する
キャンペーンの目標、キャンペーンタイプを設定します。キャンペーンの目標は、クリニックの場合、「見込み顧客の獲得」などが妥当でしょう。
キャンペーンタイプは、リスティング広告の場合、「検索」を選択します。
キャンペーンの目標とキャンペーンタイプを選択します。
4.ターゲティング、オーディエンスを設定する
ターゲティングとオーディエンスの選択によって、リーチする対象を絞ることができます。初めてリスティング広告を出稿する場合、広告掲載分析が可能となる「モニタリング設定」がおすすめです。
5.予算と広告表示オプションを決める
1日あたりの予算と広告オプションを決めます。広告表示オプションとは、リスティング広告のなかに追加の情報を表示させる機能です。リスティング広告は基本テキスト広告ですが、広告表示オプションを活用することで、テキストが画像なども表示できます。
また、URLや電話番号、住所などを表示することもできるので、文字数制限があるために訴求しきれなかった内容を載せることもできます。広告表示オプションに関しても、リスティング広告の掲載同様、クリックされなかった場合は費用が発生しませんが、クリックされた場合、オプション表示のぶんも課金されることになります。
6.広告グループを作成する
「広告グループ」とは、「広告、キーワード、入札単価」がセットになったものを指します。1つのキャンペーンのなかに、複数の広告グループを作ることができます。
Google広告の場合、1つのキャンペーンのなかに2万、Yahoo!広告の場合、1つのキャンペーンのなかに2,000の広告グループを作成することができます。
7.広告を作成する
最後に、キーワードに関連した「広告」を作成します。「広告」は、キーワードとセットになって「広告グループ」のなかに構成されるもので、Google広告の場合、1つのグループのなかに50、Yahoo!広告の場合、1つのグループのなかに300の広告を作ることができます。
【広告代理店に依頼する場合】リスティング広告出稿の流れ
続いては、広告代理店を通した場合の流れを解説します。
1.依頼する広告代理店を決める
広告代理店を選定する際は、「クリニックの広告運用経験があるかどうか」を重視したいところです。なぜかというと、クリニックの広告運用は、一般的な企業の広告運用とは異なる点がいくつかあるためです。
2.広告の目的や予算を決める
広告代理店を決めたら、どんなリスティング広告を出したいのかを確認されることになります。そのため、広告を出す目的や予算、伝えたい内容、ターゲットとする患者層、広告を配信する地域、目標とする顧客獲得単価、費用対効果などを細かく決めておくことが望ましいといえます。
ターゲット層などをまったく決めていないまま打ち合わせしても、広告代理店としては具体的な提案ができないため、せっかくリスティング広告を掲載しても、それに見合った効果を期待することができません。
3.広告代理店からの提案をしっかり確認する
ヒアリング内容をもとに広告代理店が具体的な提案を提示したら、必ず予算や見込みの効果を確認しましょう。内容に納得できない場合、交渉することも大切です。
4.広告配信を開始する
クリニックからの発注手続きが完了したら、広告代理店がアカウント開設および入稿手続きを進めてくれます。
5.運用実績や改善提案のレポートを確認する
広告配信後は、広告代理店から定期的に運用実績や改善提案などのレポートが共有されます。これを確認することで、患者1名の集患にどの程度のコストがかかっているのかなどがわかります。
また、目標顧客獲得単価や申込数などの目標を達成できていない場合は、広告代理店のアドバイスを受けながら改善を進めていきます。
「医療広告ガイドライン」を守ろう
クリニックがリスティング広告を出すにあたっては、医療広告ガイドラインを遵守する必要があります。医療広告ガイドラインとは、医療機関における広告規制の指針を記載したガイドラインのことで、正式には「医業若しくは歯科医業または病院若しくは診療所における広告等に関する指針」といいます。(医療広告ガイドラインについて詳しくは下記記事をご参照ください)
前述の通り、リスティング広告を作成して出稿する手続き自体は、時間はかかるものの比較的シンプルではありますが、広告に盛り込んだ内容が医療広告ガイドラインに引っ掛かっていないかどうかのチェックも必要であることを考えると、広告代理店に依頼するのもひとつの考え方であることがわかるでしょう。
とはいえもちろん、医療広告ガイドラインに注意しながら自院で出稿を進めることも可能ではあるので、どちらの方法がより自院に適しているかをじっくり考えてみてくださいね。
特徴
その他特徴
対応業務
診療科目
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この記事は、2021年6月時点の情報を元に作成しています。