駐車場があると、車で来院する患者さんを迎え入れる際に役立ちます。繁華街のビルテナントの場合は必要ないかもしれませんが、例えば郊外にあるクリニックの場合は、駐車場は必須といえます。クリニックに駐車場を用意するメリットは、どんなことが挙げられるのでしょうか? 駐車場を備えるメリットや注意すべき点をご紹介します。
駐車場は集患範囲を広げる
駐車場を備えることにより、患者さんの「来院機会」を増やす、または損失を防ぐことができます。
例えば、小さなお子さんがいる、身体的事情などで徒歩や公共交通機関を利用するのを避けたい場合は、自家用車で病院に行けると助かります。駐車場がなく、車で行けないならば断念するしかありませんが、車で行けるとなれば、多少遠くても行こうと思うでしょう。車で行けるクリニックは集患範囲も広くなります。集患範囲が広ければ、それだけ来院数の増加も見込めます。
また、駐車場があると送迎がしやすくなります。駐車場のないクリニックだと、乗り降りで路上に駐車せざるを得なかったり、近くのコインパーキングを使わないといけなかったり不便な面があります。クリニックに駐車場があれば、そこに車を停められますから、送り迎えもスムーズに行えます。送迎時に車で待機する際も、ほかの車の往来を気にする必要はありません。利便性が高まれば、利用したいという患者さんも増えます。
クリニック内の密を避けることにもつながる
新型コロナウイルス感染症対策として、多くのクリニックが密を避ける工夫を取り入れています。しかし、できるだけ混雑しないように予約を管理していても、患者さんが集中すると長時間の待ちが発生し、待合室も混雑してしまいます。
そうした混雑を防ぐために、車で来院した患者さんは「車内で待ってもらう」という工夫を取り入れているクリニックも多くあります。受付を済ませた後は診察時間まで車で待ってもらい、順番が来れば携帯電話に連絡するという形です。車で来院した人にしかお願いできない方法ですが、待合室に入る人が減るため、混雑緩和につながります。これも駐車場を備えている場合のメリットといえるでしょう。
駐車場の管理やトラブルなどデメリットもある
あると便利な駐車場ですが、それだけコストもかかります。また、患者さんが車をぶつけた、来院者ではない車が停められているなど、駐車場内でのトラブルが発生する可能性もゼロではありません。メリットだけでなく、こうしたデメリットも考える必要があります。
特にコストは大きな問題です。自クリニックの敷地内に駐車場を作る場合は、工事するお金が必要です。すでに駐車場のある物件を借りる場合も、トラブルを防ぐために防犯カメラの設置や、診察時間外に無断駐車されないようにチェーンを張るなど、管理のための手間とコストが発生します。近隣の駐車場を借りる場合も、当然ですが賃料を支払わないといけません。
せっかく駐車場を設けたのに、車で来院する患者さんがいなくては意味がありません。費用対効果を踏まえて、駐車場を備えるかどうかを考えましょう。
患者さんが使いやすいような工夫を
近隣の駐車場を借りているクリニックも多く見られますが、その場合に注意したいのが「駐車場の場所」です。あまりに離れている、分かりにくい場所にあるのは患者さんのためにもなりません。使いにくい駐車場だと患者さんも避けますし、借りる意味もありません。
また、貸し駐車場の場合、「駐車スペース」が分かりにくいのも避けるべきです。間違って違う場所に停めてしまうとトラブルになります。駐車していい場所はどこで、どの位置なのかを分かりやすく表示するなど、患者さんに安心して使ってもらうための工夫が必要です。
まとめ
駐車場は、集患範囲を広げ、密を避けられるなど感染症対策としても有効です。特に、駅から離れている場所など、アクセスが難しい位置にあるクリニックほど駐車場の存在は重要です。開業する際は、近隣の駐車場状況や患者さんの来院手段などを踏まえ、駐車場を設けるかどうか検討してみてはいかがでしょうか。
特徴
職種
依頼内容
建築内容
診療科目
特徴
依頼内容
建築内容
職種
診療科目
この記事は、2021年7月時点の情報を元に作成しています。