小さなお子さんを診療するにあたって、注意すべきポイントがいくつかあります。そこで今回は、小児科での診療における注意すべき4つのポイントをご紹介いたします。
1.患者が1人目の子ども
誰しもが「初めて」を経験しますし、初めてのことを経験する際に不安はつきものです。特に、1人目の子どもが体調を崩したときの不安は大きいものです。
不安を抱えている親御さんに対して、医療従事者として何ができるかを以下に挙げました。
- 「初めてのお子さんが 初めて発熱された場合は不安になって当然です」と言葉をかけてあげる
- 自分たち医療従事者も、お子さんを心配していることを伝えてあげましょう
- いつも以上に丁寧な説明と共感で安心感を与えましょう
- そもそも何人目のお子さんかわからない場合もあるので、こちらから確認してあげるのもいいでしょう
- 困ったことがあったら、いつでも受診してくださいと伝えましょう
- 親御さんとの信頼関係を築くことを意識しましょう
2.親御さんが高級ブランド品を身にまとっている
高級ブランド品をまとう理由のひとつに、「自分のステータスや金銭的余裕を見せつける」といったことが挙げられます。
高級ブランド品を身に着けた方が受診した際には、以下の点を意識しながら対応するといいかもしれません。
- 言葉遣いや対応が不十分だとトラブルになりやすいです
- 逆に、高評価は周囲の親御さんへの宣伝になります
- 受付の段階で、事務や看護師さんから医師へ情報共有しておくことが重要です
3.安心を処方
医師は患者さんの病を探り、治療方法を考えます。看護師は患者さんへの十分なケアを考えます。共通していることは、患者さんへ安心を提供していることです。
安心を提供しているんだと認識して行動するだけで、患者さんに満足感を得てもらいやすくなります。患者さんに安心してもらうためにも、以下のようなことは意識しておくといいでしょう。
- 発熱してすぐに子供を連れてくる親御さんがいますが、発熱1日目は原因がわからないことが多いです
- 解熱薬や咳止めは治療ではなく、症状を和らげるだけですが、原因がわからないうちは、数分の診察後、解熱薬などを出して様子を見るしかありません
- それでも満足して帰られる親御さんは、お薬と一緒に”安心”も貰いに来ているのです
4.希望を満たす
上記3で述べた、安心を処方することと医学的に適当だと思って行動することが相容れないことがあります。しかし、原因がわからない間にも子どもは苦しんでいます。医師は、そのために何ができるかを考えることが大切です。また、「子どものためにもなんとかしてほしい」という親御さんの思いに応えることも同様です。今できる最善の治療はなんなのかをしっかりと説明しながら、親御さんのこともお子さんのことも安心させてあげられるといいですね。
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この記事は、2021年7月時点の情報を元に作成しています。