一般労働者の平均年収は426.4万円
医者の年収がどのくらい高いかを相対的に確認すべく、まずは一般労働者の賃金についてみていきましょう。厚生労働省が公表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の月収の水準は、1976(昭和51)年から2019(令和元)年にかけて右肩上がり。2019(令和元)年における月収は、男女計=307.7千円(平均年齢43.1歳、勤続年数12.4年)、男性=338.0千円(平均年齢43.8歳、勤続年数13.8年)、女性=251.0千円(平均年齢41.8歳、勤続年数9.8年)となっています。
参照:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査の概況」3枚目より一部抜粋
これに、賞与などを加えた年収はどのくらいかというと、国税庁が公表している「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、一般労働者の平均年収は男女計=426.4万円、男性=539.7万円、女性=295.5万円となっています。
参照:国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査」p.13より一部抜粋
他の職業と比べて医者って儲かるの?
続いては、他の職業と比べて医者がどのくらい儲かるのかをみていきます。総務省統計局が公表している「日本の統計2021」より、男女別に職業別給料が高いランキングをまとめた結果は以下の通りです。
【男性編】職業別給料ランキングTOP10
順位 | 職業 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 給与 |
---|---|---|---|---|
第1位 | 医師 | 42.2歳 | 5.8年 | 93万6,900円 |
第2位 | 大学教授 | 57.3歳 | 16.6年 | 67万3,000円 |
第3位 | 高等学校教員 | 43.7歳 | 14.8年 | 43万3,800円 |
第4位 | システム・エンジニア | 39.4歳 | 12.3年 | 38万4,400円 |
第5位 | 営業用大型貨物自動車運転者業 | 48.6歳 | 12.1年 | 35万4,300円 |
第6位 | 自動車組立工 | 37.4歳 | 12.8年 | 35万2,000円 |
第7位 | 看護師 | 36.9歳 | 7.6年 | 34万1,300円 |
第8位 | 電気工 | 40.2歳 | 13.5年 | 33万5,000円 |
第9位 | 営業用バス運転者 | 51.2歳 | 11.2年 | 32万8,700円 |
第10位 | 一般科学工 | 38.2歳 | 12.3年 | 32万6,100円 |
【女性編】職業別給与ランキングTOP10
順位 | 職業 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 給与 |
---|---|---|---|---|
第1位 | 医師 | 37.3歳 | 4.7年 | 76万3,900円 |
第2位 | 高等学校教員 | 40.9歳 | 12.4年 | 38万6,000円 |
第3位 | 薬剤師 | 39歳 | 7.7年 | 36万4,400円 |
第4位 | 各種学校・専修学校教員 | 42.9歳 | 8.5年 | 33万100円 |
第5位 | 看護師 | 39.6歳 | 8.3年 | 33万800円 |
第6位 | システム・エンジニア | 34.6歳 | 9.1年 | 31万3,200円 |
第7位 | 臨床検査技師 | 39.4歳 | 11年 | 30万7,100円 |
第8位 | 准看護師 | 50歳 | 11.6年 | 27万8,200円 |
第9位 | 理学療法士・作業療法士 | 33歳 | 6.3年 | 27万7,300円 |
第10位 | 歯科衛生士 | 34.8歳 | 5.8年 | 26万7,500円 |
ご覧の通り、男女ともに医師がランキング1位を独占。しかも、他の職業と比べて平均年齢が若め、平均勤続年数は短めであることがおわかりいただけるでしょう。(※ただし、主要職種のみのランキングなので、これ以外にも給料が高い職種はあります)
参照:総務省統計局「日本の統計2021」より「主要職種別平均年齢、勤続年数、実労働時間数と月間給与額」より一部抜粋
給料が高い医者の中でももっとも高年収なのは何科の医師?
続いては、診療科別の医師の年収ランキングを発表します。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が公表している「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、医師の診療科別年収ランキングは以下の通りです。
順位 | 診療科 | 平均年収 |
---|---|---|
第1位 | 脳神経外科 | 1480.3万円 |
第2位 | 産科・婦人科 | 1466.3万円 |
第3位 | 外科 | 1374.2万円 |
第4位 | 麻酔科 | 1335.2万円 |
第5位 | 整形外科 | 1289.9万円 |
第6位 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1267.2万円 |
第7位 | 内科 | 1247.4万円 |
第8位 | 精神科 | 1230.2万円 |
第9位 | 小児科 | 1220.5万円 |
第10位 | 救急科 | 1215.3万円 |
年収が高い医師の中でも最も年収が高いのは、脳神経外科だと判明しました。高所得であることに重きを置いて将来の進路を選びたいという人は、脳神経外科医を候補に入れるのもいいかもしれません。ただし、いうまでもなく人一倍どころではなく努力も重ねなければいけなので、熱意を持って勉学や研修に取り組めるかどうかもしっかりと考えたいですね。
参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」p.30より一部抜粋
儲かっていることから、妬みの対象となることもある!?
一般労働者の平均と比べてもかなり年収が高いことから、医師になると、周囲から妬ましいという気持ちを持たれることもあるかもしれません。しかし、常に一人ひとりに真摯に向き合い、患者さんの気持ちに寄り添っている医者に対しては、ほとんどの人は「いつもよくしてくれてありがたい」「いい先生がいてよかった」というプラスの感情しか抱かないもの。しかも、お金というものは感謝されることによってさらに巡りやすくなるものなので、大きな金額を稼ぐことができるようになってからも、初心を忘れず丁寧に仕事し続けられるといいですね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2021年8月時点の情報を元に作成しています。