開業しやすい診療科は何科?その理由とは?

将来、自院を開業したいと思っている人にとって気になるのが、開業しやすい診療科ランキング。何を持って開業しやすいというかというと、たとえば、「その診療科の医師として一人前のスキルを身に着けるまでが難しい」などいろんな観点がありますが、今回は、「開業しやすい」=「開業資金が低い」という観点から、開業しやすい診療科が何科であるのかを考えていきたいと思います。

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それでは早速、主な診療科別にクリニックの開業資金の目安をみていきましょう。

目次
  1. 診療科目毎の開業資金の目安について
    1. 一般内科
    2. 消化器内科(胃腸内科)
    3. 呼吸器内科
    4. 循環器内科
    5. 内分泌・糖尿病内科
    6. 泌尿器科
    7. 脳神経内科
    8. 脳神経外科
    9. 皮膚科
    10. 整形外科
    11. 小児科
    12. 産科、婦人科 ※参照ページの「不妊治療専門」と抱き合わせ
    13. 眼科
    14. 耳鼻咽喉科
    15. 精神科・心療内科
    16. 外科
    17. 在宅医療
  2. 開業しやすい診療科ベスト3は?
    1. 第3位:在宅診療
    2. 第2位:内分泌・糖尿病内科
    3. 第1位:精神科・心療内科
  3. 開業に失敗しないためにとりたい5つの施策
    1. 1.自院の強みを活かす
    2. 2.既存のクリニックについて徹底的に調べる
    3. 3.事業計画、資金計画をしっかりと練る
    4. 4.自己資金をすべて開業に回さない
    5. 5.インターネットでの宣伝に力を入れる
  4. 「開業しやすいかどうか」以外の要素にも目を向けよう

診療科目毎の開業資金の目安について

一般内科

土地、建物代は、エリアや広さにもよりますが約3,000万円~程度。一般内科の診療に必要な設備としては、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、X線撮影装置、DICOM(ダイコム)画像を見ることができる高精細モニターとPACS、超音波診断装置、心電計、内視鏡、内視鏡洗浄液などが挙げられます。設備代は約2,000万円~3,500万円程度と考えられます。合計すると、約5,000万円~6,500万円。ただし、融資を受けるなどすれば自己資金額0円でも開業可能です。

消化器内科(胃腸内科)

消化器内科の開業には、1,000万円程度の自己資金が必要と言われています。一般内科と大きく異なる点は、下部内視鏡検査をおこなうとすれば、回復室および複数のトイレを配置することが必須であること。そうなると自ずと、クリニックの面積が必要となります。損益分岐点を超えるまでの運転資金と設備資金は、併せて7,000万円程度だと考えるといいでしょう。

呼吸器内科

呼吸器内科の患者さんが気になる症状は、主として「息切れ」と「喘息」です。特に小児喘息の子どもがいる家族にニーズが高いことが考えられます。一般内科同様、X線撮影装置を備えているのはもちろん、CTなどを備えているクリニックもあるため、一般内科の開業資金よりはやや高めと考えていいでしょう。

循環器内科

循環器内科は、診療内容の認知度が低いことから立ち上がりが遅いため、1,000万円程度の自己資金があったほうが安心だと言われています。心臓や血管の不調だけでなく、生活習慣病なども診るため、力を入れたい領域によって開業資金に幅が出るでしょう。

内分泌・糖尿病内科

内分泌・糖尿病内科の開業資金は、一般内科と同程度とされています。ただし、開業前の勤務先の外来患者さんを担当して、その後も病診連携を取る方針の場合、自己資金は不要。勤務先の外来患者さんを連れていけない場合も、半径1kmにライバルとなる専門医がおらず、病診連携がきちんと取れるなら、自己資金ゼロ円でも開業できます。

泌尿器科

泌尿器科は内科を標榜することもあるため、ベースは一般内科と同程度であると考えてよいでしょう。泌尿器科ならではの設備としては、膀胱鏡、膀胱用超音波画像診断装置、尿流用測定装置、尿分析装置などがあります。内科を標榜せず、泌尿器科に特化する場合は、設備代が一般内科より安くなる可能性があります。

脳神経内科

一般的にはまだ認知度が低い脳神経内科ですが、神経疾患の診療やリハビリまでできる医療機関であれば、ニーズが高くなると考えられるでしょう。開業資金は、クリニックのコンセプトやエリアなどの条件によってピンキリ。撮影は画像センターに外注できる都心であれば、院内には電子カルテとリハビリ用の器具のみをそろえるのでも問題なし。しかし、画像センターが存在しない地方の場合、CTやMRIをそろえなければならないため、自ずと高額な開業資金が必要になります。

脳神経外科

脳神経内科同様、画像センターを利用できる都市部であれば、CTやMRIなしで開業できるためコストを安く抑えられます。開業資金の幅としては6,000万円から2億5,000万円程度。機器を持たずに開業する場合、自己資金ゼロでも開業可能です。

皮膚科

皮膚科の開業資金には、土地、建物代に約1,500万円~、設備代に約500万円~かかります。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、顕微鏡、無影灯、オートクレーブなど。ただし、美容皮膚科として各種レーザー機器などを導入する場合は、設備代がかなり高額になります。

整形外科

整形外科の開業資金としては、土地、建物代が約3,000万円~、設備代が約1,900万円~2,500万円程度かかります。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、X線撮影装置、DICOM(ダイコム)画像を見られる高精細モニターとPACS、施術代・リハビリ機器などです。ただし、テナント開業なら自己資金ゼロでも開業可能。戸建て開業なら、自己資金1,000万円程度で開業可能です。

小児科

小児科医の開業資金は、土地、建物代が約3,000万円~、設備代が約1,000万円で合計4,000万円~程度です。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、吸引機、心電計など。親御さんが車で子どもを連れてくることが多いため、敷地内に駐車場は確保したいところです。

産科、婦人科 ※参照ページの「不妊治療専門」と抱き合わせ

土地、建物代が約3,000万円~、設備代が約2,000万円で合計5,000万円~程度かかります。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、内診台、X線撮影装置、DICOM(ダイコム)画像を見られる高精細モニターとPACS、超音波診断装置、コルポスコープなどです。ただし、不妊治療に特化した高度不妊治療専門員の場合は、土地、建物代は約4,500万円~、設備代は約5,000万円~と金額が上がります。なぜなら、高額な機械や設備のほか、培養室や無菌室なども必要になり、内装工事費も上がるからです。

眼科

土地、建物代に約3,000万円~、設備代に約2,000万円~4,500万円程度かかります。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、顕微鏡、眼圧計、視野計、眼底検査機器、視力検査機器など。ただし、白内障やレーシックなどの手術をおこなう場合は、機器のコストが高額であることと、機器を設置するスペースも必要となることから、開業資金も跳ね上がります。

耳鼻咽喉科

土地、建物代に約3,000万円~、設備代に約2,000万円~2,500万円程度かかります。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、電動イス、X線撮影機器、DICOM(ダイコム)画像を見られる高精細モニターとPACS、聴力検査室、専用内視鏡などとなります。

精神科・心療内科

土地、建物代は約1,000万円~、設備代は約400万円~。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッドなどです。

外科

土地、建物代は約3,000万円~、設備代は約1,500万円程度。必要な設備は、電子カルテ、レジスター、コピー複合機、診察用ベッド、X線撮影装置、DICOM(ダイコム)画像を見られる高精細モニターとPACS、顕微鏡、手術代、無影灯などです。

在宅医療

在宅診療は、一般的なクリニックに必要な「診察室」を用意しなくてよいため、一般内科などと比べて開業資金が1,000万円から1,500万円程度下回ると思ってよいでしょう。

開業しやすい診療科ベスト3は?

以上のことから、金銭面から考えた「開業しやすい診療科」ベスト3は以下の3つの診療科といえるでしょう。

第3位:在宅診療

基幹病院や訪問看護ステーションなどとの連携が必要なので、その分、やるべきことは増えますが、診療室を持たずに開業できるため、内装などを考える必要もありません。

第2位:内分泌・糖尿病内科

「前勤務先の外来患者さんを連れていくが、病診連携は取り続ける」場合、自己資金ゼロでも開業できることが大きな魅力です。

第1位:精神科・心療内科

すべての診療科の中でもっとも開業資金が少ない診療科です。自己資金ゼロで開業できる場合もあります。

開業に失敗しないためにとりたい5つの施策

開業しやすいことはひとつのメリットではありますが、開業しただけで続かなければ意味がありません。そこで最後に、「開業に失敗しないためにやるべき5つの施策」をご紹介します。

1.自院の強みを活かす

たとえば内科の場合、専門に特化したほうが集患につながることもありますし、特別に得意とする領域はないものの、丁寧な診察や患者さんとのコミュニケーションには自信があるなら、一般内科または在宅診療などで地域の人々の健康を守ることに向いているかもしれません。自身の強みを自分でも理解することで、何をアピールすればいいのかが見えてくるはずです。

2.既存のクリニックについて徹底的に調べる

こちらは開業前にやるべきこと。開業したいエリアに人気のクリニックがあるのか、どのクリニックはどんな理由からに気があるのかなど、競合についてよく調べることで差別化を図りましょう。場合によっては、開業エリアを考え直したほうがいいということもあるかもしれません。

3.事業計画、資金計画をしっかりと練る

患者さんひとりあたりの平均単価は、相場なども参考にしながら決めていくといいでしょう。また、開業資金の返済や医療機器のリース料、人件費、家賃などの大きな固定費を書き出して、損益分岐点を把握したうえで、事業計画を今一度見直すことも大切です。その際、導入予定の機器が本当に必要なのかどうかについても考えましょう。

4.自己資金をすべて開業に回さない

万が一うまくいかなかった場合を考えて、生活費や運転資金に補てんできるくらいの自己資金はとっておくのが得策です。借り入れしすぎもよくありませんが、自己資金を出し過ぎるのも問題。ちょうどいいバランスを意識しましょう。

5.インターネットでの宣伝に力を入れる

せっかくいい診察をおこなっていても、潜在的顧客にそのことを知ってもらうことができなければ集患にはつながりません。自院がどんな病気の治療を専門としているかなど、ホームページで詳しく説明できるといいでしょう。

クリニックの開業、まずは何から?

クリニック開業ナビでは、物件探しから開業・経営支援まで、クリニックの開業に関するサポートをトータルで行っています。「まずは何から始めればいいのかわからない」といった場合でも、専任のコンシェルジュが完全無料でご相談を承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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「開業しやすいかどうか」以外の要素にも目を向けよう

今回は、元手が少なくても開業しやすい診療科を中心に紹介しましたが、「開業しやすいかどうか」はあくまでもひとつの要素。その先にある「一人前の開業医として地域住民をサポートすること」という目標を忘れずに今後の計画を立ててくださいね。

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その他の業務

経理・税務顧問 経営分析 継承案件紹介

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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