クリニックへのクレームにつながる「スタッフの接し方」とは?改善方法も併せて解説

Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)などに書き込まれるネガティブな口コミのなかには、スタッフの態度や言葉遣いに対して不快感をあらわにしているものが数多く存在します。

実際、コミュニケーション力の低さゆえに、患者から「冷たい」「不愛想だ」「そっけない」「態度が悪い」といった印象を抱かれることもあれば、本人が意図しているか否かに関わらず、失礼な言葉で患者を傷つけてしまうこともあるでしょう。

しかし、「コミュニケーションが苦手だから」や「イヤな思いをされるとは思っていなかった」は、患者に不快感を与えていい理由にはなりません。悪い口コミやクレームを防ぐためにも、どんな態度、どんな言葉遣いをされると患者が不快に感じるのかをスタッフにしっかりと理解してもらうことが大切です。

そこで今回は、具体的にどんなことに気をつければいいのかをみていきたいと思います。

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目次
  1. クレームを受けやすい対応事例
    1. 最低限の回答だけになってしまっている
    2. マナーがなっていない
    3. 患者さんにも聞こえるほどの私語をしている
    4. スタッフ同士の関係が良くない
  2. 実践すべきスタッフ教育とは?
    1. 服装に関して規定を設ける
    2. 私語の原則禁止やチャットツール導入を検討する
    3. マニュアルを用意する
    4. クリニックの理念を共有する
    5. 患者にアンケートをとる
  3. スタッフ教育は外注する手もある

クレームを受けやすい対応事例

まずは、どんな対応をするとクレームにつながりやすくなってしまうのか、みていきましょう。

最低限の回答だけになってしまっている

仕事が忙しくて余裕がないときなどは特に、患者から話しかけられても必要最低限の言葉を返すだけで、「他に困ったことはありますか?」などの言葉をかけないケースもあるかと思います。

本人としては、「聞かれたことには答えているからいいだろう」と思っているかもしれませんが、患者からすると、「ここのスタッフは愛想がない」「こっちは病人なんだからもっとやさしく接してほしい」と思うことも少なくはないでしょう。

本人にそのつもりはなくても、なにげない一言が「偉そうな態度」と判断されることは意外と多いものです。特に、わからないことを質問したときに「ここに書いてあるので読んでください」と返されたら、書かれていることに気づかなかったことを怒られているような気持にもなるでしょう。

スタッフにとっては「当たり前」のことでも、患者さんにとっても「当たり前」ではないこともあるものです。たとえば高齢の患者であれば、自動釣銭機の使い方や診察券の提出場所などがわからない人もいるでしょう。そこに寄り添うことなく、(使い方は書いてあるのに……)という気持ちで対応すると、クレームにつながってしまうかもしれません。

マナーがなっていない

社会人として基本的なマナーがなっておらず、きちんと敬語を使えないなどの場合、多くの患者から不快感を抱かれて当然です。

ほかにも過度なメイクやカラーリング、派手なアクセサリーなどは、医療機関にふさわしくないと捉えられるもの。髪の結び方ひとつとっても、「清潔感がない」「だらしない」と思われることがあります。

患者さんにも聞こえるほどの私語をしている

患者が少なく時間を持て余しているときなど、ついついスタッフ同士でおしゃべりしたくなることもあるかもしれません。しかし、調子が悪くてクリニックを訪れている患者にとっては、スタッフ同士の楽し気な声は耳障りになることも珍しくないものです。

会話の内容によっては、「ここの看護師はチャラついている」「患者のことなどまるで興味がないのだな」と思われてしまうでしょう。また、おしゃべりしていることを患者に指摘されないようにと声をひそめて話した結果、「自分の悪口を言っているのでは……」と勘違いされることもあり得ます。

スタッフ同士の関係が良くない

スタッフ同士の仲が悪く、一触即発の雰囲気であれば、同じ空間にいる患者だっていい気持ちはしません。

不穏な雰囲気を感じ取ってイヤな気分になることもあれば、余計な刺激を与えまいと身をこわばらせてしまう患者もいるでしょう。

実践すべきスタッフ教育とは?

上記に挙げたような事柄を原因として、スタッフに関するクレームやネガティブな口コミが広がってしまうと、クリニックの運営・経営には悪影響を与えてしまいます。

ネガティブな口コミを減らすには、何よりも「患者さんへの対応」の改善が必要です。どうすれば改善されるのか、クリニックで実施したいスタッフ教育について考えていきましょう。

服装に関して規定を設ける

メイクの色味やアクセサリーの大きさなどは、細かくルールを設けることで見た目に関するクレームは防げます。違反していた場合は、出勤時にその場でアクセサリーを外してもらうことなどもできるはずです。

私語の原則禁止やチャットツール導入を検討する

クリニックによっては、私語を原則禁止にしているところもあります。患者も静かな雰囲気を望んでいて、業務に必要なことも話しにくいなら、チャットツールを導入して患者に気づかれないように必要事項を伝達するのも一手です。

また一方で、和気あいあいとした雰囲気ゆえに愛されているクリニックが多く存在するのも事実です。特に、地元の高齢者の拠り所のようなクリニックや、子どもたちが看護師と会えることを楽しみにしているクリニックなどは、スタッフ同士で笑いあっているような空気感が理想とされる場合もあります。ただし、その場合も、仕事と関係ないおしゃべりばかりしているのはもちろんNGです。

マニュアルを用意する

特に電話や受付の対応に関しては、基本的なことをまとめたマニュアルを用意するだけでも成果が出やすいといえます。たとえば、“患者から質問されたときには、質問に対して答えたあとに「他にお困りのことはありますか?」の一言を付け加える”などを心がけるだけでも、患者の心象は変わってくるからです。

クリニックの理念を共有する

クリニックの理念を共有することも大切なスタッフ教育です。理念実現をともに目指す一員なのだという意識が高まれば、患者から信頼されるためには自分たちがどのような行動をとらなければならないのかを、少なからず考えるようになるはずです。

患者にアンケートをとる

どのスタッフのどんな態度、どんな言葉遣いに問題があったのかを知るためには、患者にアンケートをとることが有効です。

医師の目の届く範囲で問題行動やよくない言葉遣いがあった場合にはその場で注意すべきですが、目の届かないところで至らないことがあった場合、クリニック側は気付けないままということもあるでしょう。そうなると、不満を抱えた患者は、やり場がなくて口コミサイトに不満を書き綴ることになりがち。

それを防ぐためにも患者の声を直接受け止める場を設けておくべきですし、患者の生の声を聴くことで改善につなげることもできます。

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スタッフ教育は外注する手もある

スタッフ教育に力を入れたい思いはあるものの、忙しくて十分に時間がとれないというクリニックも多いでしょう。その場合、スタッフに接遇マナー研修などを受けてもらうのも一手です。

たとえば、医療人に必要な考え方やホスピタリティマインドを伝授してくれる研修や、3時間の集中コースで接遇マナーを学べるセミナーなどもあるので、利用を検討してみるのもいいですね。

参照: 船井総合研究所運用「病院・クリニック経営.com」 スタッフ教育・研修

参照: 医療総合コンサルティング・接遇マナー講習 個人情報対策JAPHICマーク・医療系人材紹介「グロースビジョン株式会社」クリニックの接遇 研修・セミナー

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執筆 CLIUS(クリアス )

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