大学病院を舞台にした小説やドラマは数多く存在するため、そこで働く人たちの人間関係や出世街道にまで興味を抱いている人は多いかもしれません。中には、医者らの年齢と役職に着目する人もいるでしょう。そこで今回は、大学病院で働く人のさまざまの役職の中から、講師にスポットを当ててご紹介。だいたい何歳くらいで講師になれるのかなど、気になる疑問を紐解いていきましょう。
大学病院における出世の階段はどうなっている?
まず、大学病院で働く医師のキャリアについてざっくりと説明します。
医師を目指す学生たちは、6年間にわたって医学部で学んだ後、医師国家試験に合格したら、いよいよ研修医生活をスタートさせることになります。5年~7年に及ぶ研修医期間のうち、最初の2年間は初期研修期間。さまざまな診療科をローテーションしながら医師としての土台を築いていきます。2年間の初期研修を終えたら、「医局」に入局して後期研修をスタートさせることができます。
「医局」とは、大学病院の教授が受け持っている講座や、診療科に属している医師のグループおよび人事組織のこと。医局をピラミッドに例えると、最底辺にいるのが研修医で、それぞれの医局には、多いところで20人以上の研修医がいます。研修医は、入局後、無事に後期研修を終えて博士号を取得したら「助教」に昇格します。
そして、「助教」の次のクラスに該当するのが本題となる「講師」。一般企業で例えると“課長”のような立ち位置で、各医局内では1~3人の講師が医局内グループを束ねる役割を果たしています。講師になる年齢は人によって異なりますが30代半ばから40歳くらい。講師の次は「准教授」「教授」「病院長」と続きますが、准教授以降は原則ひとつの医局に対してひとりであるため、狭き門となっています。
大学の出世コースを外れた場合どうなるの?
医局内がピラミッド構造で上にいくほど数が減るということは、次のキャリアに進まなかった人はどうしているのでしょうか?
1つめの分かれ道
まず、研修期間を終えた段階で医局に入局せず、一般病院で働き始める人がいます。研究よりも臨床をやりたいと考える理由は人それぞれですが、ひとつの理由としては、年収が医局勤めと比べて倍以上ということが挙げられるでしょう。
2つめの分かれ道
大学病院の勤務医として働き始めた後、講師にはならずに、大学を離れて関連病院に出向することがあります。出向した場合、医局勤めと比べて年収が倍以上になることがあります。
3つめの分かれ道
医局に入局後、開業医として独立する医師が出てきます。開業するタイミングは人それぞれですが、おおむね40歳前後で独立する人が多いようです。
3つの分かれ道を見てわかるのは、出向にしろ開業にしろ、大学病院から離れる道を選んだ方が、少なくとも一時的には年収が高くなる可能性が高いということです。しかし、十分でない給与を補うためにアルバイトをすることは可能ですし、役職につくまでは年収が低くても、その先で出世して大きく道が開ける可能性もあります。
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大学病院の講師はどんなことをする?
話を本題に戻します。前述の通り、医局に入局した研修医のうち何割かは、30代半ばから40歳くらいでキャリアを「講師」へと進む道を選択するわけですが、そもそも講師とはどんな仕事をするのでしょうか?
講師もひとりの医師であることに変わりはないので、他の医師同様、診察をはじめとする業務をおこないますが、それに加えて、医療の世界を目指す学生たちに対して授業することが大切な業務です。なぜなら、大学病院は文化省直轄の病院であり、学校施設でもあるからです。
講師になれば自分主体で業務できるようになるためやりがいを実感しやすい
医局に入った直後は序列の最下層にいるため、キャリアを重ねている人を羨ましく思うこともあるかもしれません。実際、助教まではアシスタント的な仕事が中心になるため、やりがいを感じづらい場合もあるでしょう。しかし、講師からは自分主体で業務をおこなうことができるようになるため、仕事にもハリが出てくる可能性大。努力次第では30代のうちに講師になることも可能とわかったら、若いうちからしっかりと準備しておこうと思えそうですね!
特徴
対応業務
その他特徴
診療科目
特徴
対応業務
診療科目
この記事は、2021年8月時点の情報を元に作成しています。