家族のサポートの必要性

私は総合病院の外科病棟で働く看護師です。入院する患者さんにとって、支えてくれる家族の存在は非常に大きなものです。今回は、患者さんの家族のサポートの必要性について、実際の私の体験を通して紹介していきます。今回の記事が患者や患者を支える家族への対応の参考になればと思います。

目次
  1. 患者さんにとって家族の存在とは
    1. 家族の抱えるストレス
  2. 家族への関わり
    1. 理想の医療現場

患者さんにとって家族の存在とは

皆さんにとって、家族とはどのような存在ですか。家族は一緒にいることが当たり前であるように感じることが多いかもしれません。また、お互いにサポートし合ったり、時にはけんかをすることがあったりすると思います。どのような関係性であれ、家族は切っても切れない関係であり、家族の存在を一言で表現することは難しいものです。

日常生活の中でも家族の存在は大きなものであると思いますが、入院した患者さんにとっての家族の存在とはどのようなものなのでしょうか。普段は一緒にいることが当たり前の家族でも、入院により、離れて生活することで気づく部分も多いと思います。

治療により心身共に弱っていた患者さんが、家族の面会により前向きになったり、表情が明るくなったりといったことは、私自身も働いていてよく実感しています。このように患者さんにとって家族の存在は非常に大きなものであると言えます。

次の章ではまず、家族目線で考えるストレスについて具体的に紹介していきます。

家族の抱えるストレス

ここからは、患者さんを支える家族を中心に解説していきます。今回は、がんと告知された患者さんを支える家族を例に紹介いたします。まず、がんと医師に告知をされた場合に、家族は、がんであることを本人に伝えるべきなのか迷い、戸惑います。がんと告知された場合、家族も相当なショックを受けると思いますが、患者さん本人のショックを考えると、告知すべきなのか、それとも告知せずに黙っているべきなのか、迷い、葛藤を抱えます。

医療スタッフは、家族の考えや患者さん自身の性格などをもとに、本人に告知するのか話し合っていきますが、その際には、告知した場合と告知しなかった場合の両方のメリットとデメリットを伝えていく必要があります。情報を提供した上で、家族間で話し合っていただき、今後の治療方針などを検討していく場合が多いです。

また、その後の治療方針が決まった段階でも、今後のことを考えると、不安を感じている家族がほとんどです。「病気が完治するのか」「再発したらどうしよう」「退院したとしても今後の生活はどうしよう」などとさまざまな不安を抱えています。

これらのことから、患者の家族への精神的なケアは非常に重要であると言えます。家族がどのようなことに不安を感じているのか知り、具体的なアドバイスやサポートをしていく必要があります。次の章で具体的な家族へのサポートについて紹介していきます。

家族への関わり

医療スタッフは患者を中心にサポートする場合が多いため、患者の家族へのサポートが後回しになったり、おざなりなったりすることが多いです。患者同様にその家族も不安を抱えていいますが、それを口にしない家族も多いため、医療スタッフは家族の心の状態を推測して、家族のニーズを理解していくことが重要になります。そのためには、患者さんだけでなく、家族とも密にコミュニケーションを図り、表情の変化や声のトーン、会話の内容にていち早く家族の変化に気づき、サポートしていくことが大切です。

病気と闘う患者さんの家族の中には、今後の治療について不安を抱えるだけでなく、相談する人がいなくて孤独感を感じてしまう人もいます。そのため、必要であれば、患者さんを支える家族が集まってコミュニケーションを図れる場である「家族会」なども紹介して、同じ境遇の人と触れ合い、孤独感を持たないようにサポートすることも必要です。

現在はコロナ禍であり、患者さんとの面会が全面禁止になっている病院がほとんどです。患者さんの様子がわからず、不安を抱えている家族がほとんどであり、時には患者さんの病態が急変してからやっと面会が可能になり、入院時や最後に見た姿とあまりにも異なり、ショックを受けるケースもあります。そのため、医療スタッフは、コロナ禍である現在は、今まで以上に患者さんの病態の変化に敏感になり、少しでも変化があった場合には、家族に連絡して口頭で伝えるなどしていく必要があります。

実際に声を聞いたりテレビ電話などで状態を確認したりすることで、安心する家族も多いため、時には、そういった場を設けて、家族に安心感を与えられるようなサポートも必要であると考えます。少しでも早く、コロナが収束して、患者と自由に面会できる日が戻り、患者を支える家族の不安を取り除ければいいなと思います。

理想の医療現場

私の考える理想の医療現場とは、患者同様、家族も含めたサポート体制が充実している病院です。家族が抱える不安は、相当なものであるため、家族の気持ちの変化にいち早く気づき、どのようなサポートができるのか、医療スタッフ間で考えていくことが大切になると思います。

家族へのサポートのポイントを以下にまとめます。

  • 家族の葛藤や不安について話を傾聴し、家族の思いを理解する
  • 家族の思いを共有して今後の治療について話し合う
  • 家族とコミュニケーションを密にとり、何が必要なのか具体的に考えて提供する

今回の記事が患者や患者の家族への対応について考えるきっかけとなり、今後のより良い医療に繋がればと思います。

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対象規模

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提供形態

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risa

執筆 看護師 | risa

看護師歴9年目で現在、総合病院勤務。日々、慌ただしく忙しい中でも、看護師としてやりがいを持って医療にたずさわっています。内科や外科での実際の経験を通して、皆さんに役立つ情報を提供していければと思います。


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