家族の存在の大きさ

私は総合病院の外科病棟で働く看護師です。働きながら見ていて思うことですが、入院する患者さんにとって、支えてくれる家族の存在は非常に大きなものです。今回は、患者さんにとっての家族の存在について、実際の私の体験を通して感じたことを紹介していきます。今回の記事が、患者や患者を支える家族への対応の参考になればと思います。

目次
  1. 入院による患者さんの影響
    1. 身体的ストレス
    2. 精神的ストレス
  2. 家族の存在
    1. 理想の医療現場

入院による患者さんの影響

どんな病気であれど、入院となると、患者さんの身体的・精神的なダメージは大きなものになります。治療による身体的苦痛の他にも、入院による環境の変化などによる精神的なダメージも大きなものです。

今までは、社会の中で夫や妻、親や社会人などのたくさんの役割を担って生活していた人が、入院によって「患者さん」という立場になったことで社会と切り離され、これまでの生活とはかけ離れた入院生活になります。このことによる影響は、非常に大きなものであると考えます。

身体的ストレス

病気によって大なり小なりの差はありますが、入院生活による身体的な苦痛は、大きなものであると言えます。例えば、検査入院にしても、点滴や採血をするために針を穿刺される痛みを味わうことになります。また、普段の生活にはない点滴のルートがある違和感や不快感があり、生活が不自由になります。

手術となれば、身体的な苦痛はさらに大きなものになり、術後の痛みが最大の身体的な苦痛になると思われます。術後は、イレウスや筋力の低下などを防止するために、痛みがある中でも、翌日から歩行を促されます。もちろん、鎮痛剤を使用しながら疼痛コントロールをして歩行しますが、鎮痛剤の効果が切れた際の苦痛は大きなものになります。

内科的治療のうち抗がん剤の投与を例にとって説明すると、抗がん剤は副作用が人それぞれであり、嘔気や倦怠感、便秘など、さまざまな副作用があります。副作用による苦痛は大きく、患者さんによっては、耐えられずに治療を中止する人もいるものです。

このように、入院による身体的なストレスは大きなものであり、医療スタッフは患者さんの苦痛を少しでも緩和できるようにサポートする必要があります。

精神的ストレス

入院による環境の変化や集団生活から、精神的なストレスを感じる患者さんがほとんどです。治療によってさまざまなことが制限されることや、慣れない環境に適応することができないことから、鬱のような症状が出てしまう患者さんもいます。

例えば、術後であれば医師の指示が出るまではベッド上で安静といわれ、トイレに行くこともできなくなる場合が多いです。普段はトイレに当たり前のように行っていた患者さんがベッド上での排泄を指示されれば、不快感や羞恥心があります。安静にする理由を理解していたとしても、戸惑いや葛藤があります。

病状が良くならず、予定していたよりも長い入院となれば、患者さん自身、非常に不安になり、今後のことを考えて悲観的になることもあります。このような場合には、医療スタッフが患者さんの話を傾聴し、不安を緩和できるようにサポートすることがありますが、家族の面会により、安心感を得られたり、ストレスが緩和されたりすることが多いです。医療スタッフが親身になって関わったとしても、家族の存在の大きさに勝るものはなく、家族の存在が一番の支えとなり、患者さんの精神的なサポートになっていることが多いです。

そのため、家族の力も借りながら、患者さんの精神面をサポートしていくことが大切であると考えます。

家族の存在

最近では、コロナの流行により、家族の面会も全面禁止になっている病院がほとんどです。家族と会うことができないということは、患者さんが思っている以上に精神的に多大なダメージとなります。実際にコロナ禍で家族の面会が禁止になってからは、精神的に不安定になり、精神科にコンサルテーションをかけることが非常に多くなりました。

このように家族の存在は、私たちが思っている以上に大きな影響を与えていることを実感しています。入院や手術により精神的に不安定になってしまった患者さんが家族と面会をした際には、今までの精神的な症状が嘘かのように前向きになり、表情も明るくなったということも実際にあります。どんなに優れた薬でも、家族の存在には勝てないということです。

コロナ禍で面会が制限されている現在では、直接面会ができなかったとしても、電話にて声を聞いたり、最近では、テレビ電話も普及してきているため、テレビ電話を活用したりすることをおすすめします。テレビ電話では、家族の声だけでなく表情もわかり、家族との繋がりを実感することができます。このように家族との繋がりを感じることができる場を設けることも、医療スタッフの役割の1つであると考えます。

また、患者さんを支える家族も患者さんと同じように不安を抱えていることが多いです。そのため、家族の話を傾聴してアドバイスをしたり、家族の気持ちを医療スタッフ間で共有したりするためにカンファレンスなどを活用していくことも必要です。患者さん同様に家族も患者の一員として考え、サポートしていく体制が非常に重要になります。

理想の医療現場

私の考える理想の医療現場とは、心身共にストレスを抱える患者さんやその家族をしっかりとサポートできる体制が整っていることです。患者数の増加や医療スタッフの不足により、1人ひとりの患者さんと関わる時間も制限されている中でも、医療スタッフ同士で協力して、病気と闘う患者さんやその家族の支えとなれればいいなと思います。

患者さんやその家族へのサポートのポイントを以下にまとめます。

  • さまざまなストレスを抱える患者に対しての精神的サポートは重要
  • 家族の存在は患者にとって大きなものであり、家族の協力も得てサポートしていく
  • 家族のことも一緒にサポートしていく

今回の記事が患者や患者の家族への対応について考えるきっかけとなり、今後のより良い医療に繋がればと思います。

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

risa

執筆 看護師 | risa

看護師歴9年目で現在、総合病院勤務。日々、慌ただしく忙しい中でも、看護師としてやりがいを持って医療にたずさわっています。内科や外科での実際の経験を通して、皆さんに役立つ情報を提供していければと思います。


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