勤務医数がもっとも多い年齢層とは?

全国で働く医者の中には、医療機関に勤務している医者もいれば、自らクリニックを立ち上げている開業医もいます。ではそのうち勤務医の数はどのくらいなのでしょうか?さっそくみていきましょう。

目次
  1. 全国の医師の半数以上が勤務医
  2. 勤務医の割合がもっとも多い層は40代
  3. 勤務医数がもっとも多いのは内科
    1. 勤務医の人数ランキング
  4. 都道府県別にみた人口10万人あたりの勤務医数がもっとも多いのはどこ?
  5. 「多い=足りている」と考えると患者のニーズも見えてくる

全国の医師の半数以上が勤務医

厚生労働省が公表している「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、2018(平成30)年の全国の医師数は32万7,210人。そのうち、31万1,963人が、病院や診療所などの医療施設に従事しています。

また、勤務先別にみると、勤務医と開業医は以下のように振り分けられます。

病院(医育機関附属の病院を除く)の勤務医 14万6,508人
病院(医育機関附属の病院を除く)の開設者または法人の代表者(=開業医) 5,183人
診療所の勤務医 3万2,127人
診療所の開設者または法人の代表(=開業医) 7万1,709人

つまり、全国の勤務医の数は17万8,635人、開業医の数は7万6,892人。ちなみに、31万1,963人の医師のうち残りは、介護老人保健施設や介護医療院などに勤めるなどしています。

参照:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.4より一部抜粋

勤務医の割合がもっとも多い層は40代

続いて、医療施設に従事する勤務医の数を年齢階級別にみていきましょう。

年齢 29歳以下 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上
総数 29,378 64,508 67,384 67,274 53,016 30,403
18,818 44,412 49,656 56.083 47,215 27,483
10,560 20,096 17,728 11,191 5,801 2,920

上の表の通り、勤務医の数がもっとも多い層は40代、続いて50代であることがわかります。また、70歳以上の勤務医も、全国に3万人以上存在します。

参照:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.5より一部抜粋

勤務医数がもっとも多いのは内科

続いては、診療科ごとに勤務医数を比較します。主たる診療科ごとの勤務医数を比べたところ、勤務医数がもっとも多いのは内科の8万9,037人がダントツ。2位は消化器内科(胃腸内科)の2万9,847人で、3位は小児科の2万7,608人となっています。

勤務医の人数ランキング

順位 診療科目 勤務医数
第1位 内科 8万9,037人
第2位 消化器内科(胃腸内科) 2万9,847人
第3位 小児科 2万7,608人
第4位 整形外科 2万5,488人
第5位 外科 2万4,842人
第6位 循環器内科 2万2,735人
第7位 リハビリテーション科 1万4,728人
第8位 皮膚科 1万4,244人
第9位 循環器内科 1万3,692人
第10位 眼科 1万3,513人

参照:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.11より一部抜粋

都道府県別にみた人口10万人あたりの勤務医数がもっとも多いのはどこ?

続いては、人口10万人に対して、医療施設医従事する医師数が多い都道府県をみていきましょう。人口10万人あたりの医師数トップ3は、1位=徳島県(329.5人)、2位=京都府(323,3人)、3位=高知県(316.9人)となっています。反対にワースト3は、埼玉県(169.8人)、茨城県(187.5人)、千葉県(194.1人)となっています。

参照:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 p.14より一部抜粋

「多い=足りている」と考えると患者のニーズも見えてくる

今回は勤務医数について、多い年齢層や診療科、都道府県を見ていきましたが、これらのデータを元に、開業する医師が年齢層、ニーズが高い診療科なども考察することができますね。これから開業しようと考えている医師のみなさんも、ぜひさまざまなデータを元に、将来の道を模索してみてはいかがでしょうか?

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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