医者の給料は高いイメージがありますが、診療科などの条件によって総額は上下します。では、医者のなかでも整形外科にスポットをあててみてみると、給料はどのくらいなのでしょうか?早速みていきましょう。
整形外科の平均年収は1289.9万円
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が公表している「勤務医の就労実態と調査に関する調査」によると、勤務医の整形外科の平均年収は1289.9万円です。これは、主たる診療科のなかで第5位となる金額。人の生死に関わることが多い脳神経外科や産科・婦人科、外科、麻酔科と比べると低いとはいえ、かなりの高収入であるといって間違いないでしょう。
平均年収ランキング
順位 | 診療科目 | 平均年収 |
---|---|---|
第1位 | 脳神経外科 | 1480.3万円 |
第2位 | 産科・婦人科 | 1466.3万円 |
第3位 | 外科 | 1374.2万円 |
第4位 | 麻酔科 | 1335.2万円 |
第5位 | 整形外科 | 1289.9万円 |
第6位 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 1267.2万円 |
第7位 | 内科 | 1247.4万円 |
第8位 | 精神科 | 1230.2万円 |
第9位 | 小児科 | 1220.5万円 |
第10位 | 救急科 | 1215.3万円 |
参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と調査に関する調査」P.30より一部抜粋
整形外科の日直・宿直の月当たりの回数は多い?
平均年収が高めということは、忙しさも相当なものでは? と考える人も多いでしょう。そこで次に、整形外科の日直・宿直についてみていきましょう。まず、日直が「ある」と回答した整形外科の割合は全体の61.7%、宿直が「ある」と回答した整形外科の割合は全体の68.9%です。
また、日直、宿直の回数別でみると以下の通り。日直も宿直も「ある」の回答が多いとはいえ、1~2回にとどまっている人がもっとも多いという結果です。
整形外科の日直・宿直の回数
日直・宿直 | なし | 1~2回 | 3~4回 | 5回以上 | 日直/宿直あり・計 |
---|---|---|---|---|---|
日直の回数 | 38.10% | 55.20% | 3.80% | 2.70% | 61.70% |
宿直の回数 | 31.10% | 42.00% | 22.00% | 4.90% | 68.90% |
日直や宿直の回数は診療科によってさほどばらつきはありませんが、最も多い救急科だけは、日直は91.8%、宿直は94.4%の医師が「ある」と回答しており、肉体的にはかなりしんどいことが予想されます。下記に救急科の日直・宿直の回数も記しますので、整形外科と比べてみてください。
救急科の日直・宿直の回数
日直・宿直 | なし | 1~2回 | 3~4回 | 5回以上 | 日直/宿直あり・計 |
---|---|---|---|---|---|
日直の回数 | 8.30% | 41.70% | 16.70% | 33.40% | 91.80% |
宿直の回数 | 5.60% | 11.10% | 19.40% | 63.90% | 94.40% |
参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と調査に関する調査」P.37より一部抜粋
宿直翌日の勤務体制は?
続いては、宿直翌日の勤務体制をみていきましょう。整形外科医の宿直翌日の勤務体制をみると、「通常通り勤務する」が89.8%と圧倒的に多いことがわかります。月に1~2回の宿直だったとしても、毎月のように「宿直明けに通常通り仕事」の日があると、精神的にもきついことが推測されます。
整形外科医の宿直翌日の勤務体制
通常通り勤務する | 午前中勤務して午後から休み | 一日中休み | その他 | 何らかの休みがある |
---|---|---|---|---|
89.80% | 8.10% | 1.00% | 1.00% | 9.10% |
参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と調査に関する調査」P.44より一部抜粋
オンコールの回数は多い?
日直や宿直の回数同様に気になるのが、オンコールの回数です。整形外科のオンコールの回数は、0回=32.6%、1~3回=51.5%、4~6回=10.6%、7~9回=2.3%、10回以上=3.0%と、「1~3回」の回答数が半数以上を占めています。オンコールも、日直・宿直と同程度の月1~3回程度あるということになりますが、オンコールの場合、いつ連絡がくるかわからないので、休めるときにはしっかりと身体を休める習慣をつけておきたいものですね。
参照:労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と調査に関する調査」P.48より一部抜粋
週当たりの平均労働時間は?
続いては、週当たりの平均労働時間を他の診療科と比較していきましょう。整形外科医の週当たりの平均労働時間は46.8時間。もっとも忙しい診療科である救急科の54.0時間よりは短いとはいえ、週休2日で換算してもかなり多忙であることがわかります。
週当たりの平均労働時間
順位 | 診療科 | 平均労働時間 |
---|---|---|
第1位 | 救急科 | 54.0時間 |
第2位 | 脳神経外科 | 53.3時間 |
第3位 | 外科 | 52.5時間 |
第4位 | 小児科 | 52.0時間 |
第5位 | 産科・婦人科 | 49.4時間 |
第5位 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 49.4時間 |
第6位 | 整形外科 | 46.8時間 |
第7位 | 麻酔科 | 45.8時間 |
第8位 | 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 | 44.3時間 |
第9位 | 内科 | 43.3時間 |
整形外科医が給料UPを目指すにはどうすればいい?
平均年収が高いとはいえ多忙となると、モチベーションが下がってしまうという人もいるかもしれません。それを防ぐためには、「多忙さは今と同じでも、給料UPを目指す」または「給料は今と同じだけど、今より余裕を持って働けるようになる」という選択肢があるでしょう。
そのための手段としては、「転職」または「開業」が考えられます。転職エージェントなどを利用して条件のいい転職先を探すか、それとも理想の医療を追求して自身のクリニックをオープンするかは自分次第。給料以外にもさまざまな条件を考慮しながら、進みたい道を模索できるといいですね。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2021年9月時点の情報を元に作成しています。