医師になったからには、開業医を目指したいと考える人は多いはず。
しかし、開業するということは「経営者」になるということなので、医師として患者に医療を提供する以外に、やるべきことが増えます。そのぶんやりがいも大きくなる一方、慣れないことにストレスを感じることもあるかもしれません。
そこで今回は、クリニックを経営していくうえでは具体的にどんなことを考える必要があるのか、どんな悩みが生じがちなのかを解説していきます。
「経営者」に求められることは?
クリニックを開業することは、医師であると同時に「経営者」としての役割も求められるということ。集患対策から資金繰り、日々の業務の効率化にいたるまで、経営に関わるすべてのことを考え、実践していく必要があります。
また、自己資金でまかなえない分の資金を調達しなければならない場合や開業に向けてスタッフを募り教育する場面でも、あらゆることを考えて行動に移していかなければなりません。
開業医は経営者(個人事業主)であるため、事業を回すためには何が必要であるかを理解して、そのすべてに目を配り続ける必要があるのです。
クリニックの経営者が持つ悩みとは?
経営者としてやらなければならないことは、大きく「ヒト」「モノ」「カネ」の3つにわけることができます。この3つに関して、それぞれどんな悩みが生じやすいのかをみていきましょう。
ヒトに関する悩み
クリニックを開業するといっても、医師1人すべての業務を行うわけではありません。どんな仕事でもそうですが、人間関係は仕事をするうえでも重要な要素となってきます。
受付や事務、看護師、パートナー医師などと良好な関係を築くためにも、まずは「ヒト」に関する悩みについてどのようなものがあるのか、みていきましょう。
いい人材が集まらない
開業に向けてスタッフ募集を開始しても、思うような人材が集まらない場合があります。その場合は、募集条件や人材会社を変えるなどして工夫する必要があります。
場合によっては、クリニックのSNSやドクター自身のSNSから、人材募集中である旨発信したほうがいい人材が集まることもあります。
採用した人がすぐ辞めがち
採用したスタッフがすぐに辞めてしまうと、新たにスタッフ採用費が必要となるため金銭的に大きな打撃となります。採用前に、長く働いてもらえそうかどうかを見極めることが大切です。
スタッフ同士の仲が良くない
人間関係のトラブルは、スタッフの早期退職をまねく原因となり得ます。みんなが気持ちよく働けるよう、早い段階でスタッフ同士の不和に気づいてあげるのも経営者が成すべきことの1つ。
週に一度1on1の機会を持つなどして、スタッフ側からも悩みを話してもらえるような環境を作ってみるとよいのかもしれません。
社労士などの委託先とトラブルが起きがち
社労士や税理士をはじめ、クリニック経営をサポートしてくれる専門家と良好な関係を築けるよう、しっかりとコミュニケーションをとることもとても大切。
とはいえ、専門家側に問題がある場合は、関係構築に苦心すること自体時間の無駄。信頼できる相手かどうかをきちんと見極め、万が一契約を結んだ後にトラブルが起きた場合には、早期に問題を解決して契約を打ち切り、新たに信頼できる依頼先を見つけるのが賢明です。
モノに関する悩み
次にみていくのは、「モノ」に関する悩みについて。
医療機器や電子機器、事務用品に至るまで、クリニックの開業にはあらゆる「モノが必要になります。」とくに承継開業の場合は考えなければならないことが多くなるかもしれません。
機材トラブル
機材自体に問題がある場合もあれば、機材同士の連携がうまくいかないことなどもあります。
いずれにしろ迅速に対処できるよう、各種機材の購入またはリース・レンタルの際には、契約内容やサポート体制をよく確認しておくことが大切です。
IT化についていけない
ITに疎いドクターにとって大きな悩みの種となりやすいのが、各種機器の設定や操作が難しいこと。
また、ホームページの作成や運用に関しても同じことが言えます。各種機器の扱いに関しては、なかなか慣れないとしても、電子カルテやレセプトコンピューターの操作などは覚える必要がありますが、設定や接続に関しては業者に頼るのが得策。
ただし、NTTの工事などは依頼しても手配までに時間がかかる場合が多いので、早めにスケジュールを調整することも大切です。
物件の状態・設備について
開業前にあれこれと 考えた物件・設備であっても、いざクリニックを開業してみると、「ああしておけばよかった」「こうするべきだった」という悩みが出てきてしまうことも、珍しくはないようです。
とくに承継の場合は、新規開業に比べると「自分の考えをすべて反映できる」わけではないことも多いため、余計な手間やコストがかかってしまうことも、場合によってはあるようです。
カネに関する悩み
最後は「カネ」の悩みについて。
やはり経営を行っていくうえで、最も気になるのがここではないかと思います。
クリニックにつきものなカネの悩みには、どんなものがあるのでしょうか?
患者が来ない
せっかく開業しても患者が来なければ収益を上げられません。開業に先駆けて集患のための対策を講じていかなければ、事業が軌道に乗るまでに時間がかかり、黒字倒産となることなどもあるので注意が必要です。
また、患者の再診率が低くなかなか増患できない場合は、その理由を分析して改善していくことが不可欠。患者アンケートによって不満点を確認したり、予約システムを導入して患者のストレスを軽減したりと、講じるべき対策はさまざまにあります。
思った以上に経費がかかる
クリニックを経営していくうえでは、設備費や人件費のほか、スタッフの福利厚生費や接待交際費などさまざまな経費が必要となります。
何にいくらかかるのか、月々いくらかかるのかを把握していないまま、最新の機器にお金をつぎ込むなどしていると、あっという間に資金が足りなくなることも。
経営者としてまず身につけるべき考え方は「経営資源の最適化」
ヒト・モノ・カネに関しての悩みはどこまでいっても尽きないものなので、常に改善方法を模索しながらPDCAを回していくことが大切です。そもそも何に問題があるのか、どこを改善すればいいのかがわからないなら、優秀な事務長を雇うのも一手。
とはいえ、事務長にすべてを投げっぱなしでは経営者として成長することはできませんし、万が一、事務長に問題があったときには大きな窮地に陥ることになります。
そうした事態を避けるためにも、「経営者としてクリニックを回していくためには何が必要なのか?」をきちんと理解しておくことは必要です。
自分でできないことに関しては専門家を頼りつつも、対等に話し合えるだけの知識を身につける努力は欠かさないようにしてくださいね。
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この記事は、2021年10月時点の情報を元に作成しています。