電子カルテと紙カルテの違いは? 併用はできる?

紙カルテから電子カルテに移行したいけど、新しいことを覚えるのは大変だし面倒くさい! そう考える人はとても多いでしょう。事実、使い方を覚えるまでにはスムーズに操作できないことにストレスを感じることもないとはいえません。しかし、導入することによって得られるメリットがたくさんあることもまた事実。紙カルテ、電子カルテのメリットもデメリットも知ったうえで、今後の方向性を考えたいものです。そこで今回は、紙カルテと電子カルテの違いや、併用はできるのかについて説明していきます。

目次
  1. 紙カルテのメリット・デメリット
  2. 電子カルテのメリット・デメリット
  3. 紙カルテから電子カルテへの移行期間に注意すべきこと
  4. 電子カルテ導入のスケジュールの目安
  5. 紙カルテをスキャンして電子カルテに取り込むこともできる

紙カルテのメリット・デメリット

まずは、紙カルテのメリット・デメリットについてみていきます。

紙カルテのメリットとしてまず挙げられるのが、コストの低さです。電子カルテは、使用するためのパソコンやタブレットも含めた導入費用に加えて、毎月の利用料がかかる場合が多いですが、紙カルテを使うために必要なものは紙とペンのみ。また、電子カルテのように電源を必要としないため、停電などの緊急事態でも問題なく使うことができます。

ではデメリットはというと、「患者の数だけ紙が必要で、しかも年々増えていくので保管場所の確保が大変」「水害などによって閲覧不可になることがある」「手書き文字が読みにくい場合がある」「誰かが使用中は他のスタッフが閲覧・編集できない」などが挙げられます。また、電子カルテの内容をもとに請求書作成業務などもおこなう必要がありますが、カルテが会計に回ってくるまでは算定処理がおこなえないうえ、すべて手作業になるため、忙しくなると業務が滞りやすくなることもデメリット。転記ミスも起こり得ます。

電子カルテのメリット・デメリット

続いては電子カルテのメリット・デメリットについてみていきます。

電子カルテのメリットとしてまず思いつくのは、「情報の検索や編集がスムーズにおこなえる」「誰にとっても読みやすい」「紙のように保管する場所が要らない」などでしょう。また、カルテの入力補助機能、処方や注射のオーダー機能などが搭載されているので、医師の業務負担が軽減されます。レセコン一体型の電子カルテであれば、スタッフの業務負担も軽減されるうえ、算定漏れなどのミスも減ります。処方箋などのミスがなくなることは、医療の安全性を高めることにつながります。医師やスタッフの業務がスムーズであることは患者の待ち時間軽減にもつながるので、結果としてクリニックの評価が向上することが期待できます。また、検査会社での検査結果をリアルタイムで共有できたり、iPadで撮影した画像を取り込んだりといったメリットもあります。

一方のデメリットは、まずは導入費用がかかること。操作方法を覚えるまでのストレスをデメリットと考える人も多いでしょう。また、停電時に利用できないことや、セキュリティ対策が必要なこともデメリットのひとつ。ただし、セキュリティレベルを上げるための方法はいくつかあるので、万全の体制を整えることは可能です。

紙カルテから電子カルテへの移行期間に注意すべきこと

紙カルテから電子カルテへの移行を決意したとしても、今日決意してあしたからいきなり電子カルテを使えるわけではありません。まずはどの電子カルテを使うかを決める必要がありますし、使う電子カルテを決めたら、どうやって使うのかのレクチャーを受けて、使い方を覚えていく必要があります。

移行以降の手順を文字化すると、「選定」→「要件確認」「システム設定」→「試験運用」→「本稼働」とシンプルですが、たとえば「選定」ひとつとっても、それぞれのメーカー、それぞれの機器のメリット・デメリット、使い勝手のよさを比較しながらひとつに絞ろうと思ったらそれなりに時間がかかります。「要件確認」や「システム設定」のステップをクリアするためには、自院の仕事のフローなどについて改めてしっかりと考える必要があります。

また、試験運用から本稼働へと進み、本稼働後のレセプトを提出するまでの間には、思わぬトラブルに見舞われることもあるでしょう。そうした場合に備えて、特に移行期間中には、電子化されたデータをプリントアウトして併用するというクリニックもあります。

その際に気を付けなければならないのが、紙に印刷した時刻以降の入力によって、指示が変わっている場合があるということです。その可能性があることを念頭に置いておかなければ、インシデント発生につながりかねないので十分に注意してください。

電子カルテ導入のスケジュールの目安

紙カルテから電子カルテに移行するにあたっては、運用開始日の8カ月以上前から準備をはじめることが望ましいです。目安となるスケジュールは以下の通りです。

  • 8カ月前:情報収集
  • 6か月前:資料請求やデモ実施を通して比較検討。見積、提案書の依頼や商談を通して電子カルテを選定
  • 3か月前:電子カルテの契約・発注およびネット環境・配線などの確認。機器メーカーとの打ち合わせも進める
  • 1か月前:電子カルテの導入・設定。機器との連携なども済ませて、試験運用をおこなう
  • 1か月後に運用開始

紙カルテをスキャンして電子カルテに取り込むこともできる

電子カルテに慣れるまでの間は、「今まで使ってきた紙のデータが見たい」と感じることも多いでしょう。その場合は、紙カルテをスキャンしてパソコンに取り込んで管理するのも一手。たとえば、京葉電子工業の「病院向け医療文書管理システム スキャンビューア」も、各種紙書類をデジタル化・一括管理するにはうってつけ。タイムスタンプと電子署名で原本化すれば、書類保管スペースと費用を大幅に削減することができます。気になる方はぜひ同社のサイトもチェックしてみてくださいね。

参照:京葉電子工業「病院向け医療文書管理システム スキャンビューア」

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
医療現場の多様なニーズに対応するクリニック向けの電子カルテシステム

特徴

1.首都圏・関西圏トップクラスの導入実績とそれに伴う確かな導入ノウハウ  2.電子カルテ専門メーカーとして開発から販売・保守サポートまでをすべて自社グループ内で完結 3.ユーザー目線を重視した過不足のない機能や操作性の高さ

対象規模

無床クリニック向け

提供形態

パッケージソフト ハードウェア オンプレミス

オプション機能

レセプトチェック データ移行 モバイル端末 往診端末 タブレット対応

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
ORCAを内包し、まるで一体型のような操作感を実現。オンライン診療機能を搭載し、患者アプリと連携。

特徴

1. 「CLINICSオンライン診療」を使うことで、電子カルテ上から患者のアプリとつながる画期的な機能を実現。これにより、患者の通院をサポート  2. 日医標準レセプトソフト「ORCA」を内包しているため、レセプトソフトを別途操作する必要がありません。事務スタッフの受付・会計作業が大幅に削減され、医療現場のスタッフからも高く評価されています。 3. 国際標準規格であるISMSクラウドセキュリティ認証を取得。SSL暗号化通信+証明書認証により安心のセキュリティを実現。

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム タブレット対応

提供形態

クラウド SaaS

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

クリニック開業ナビ

執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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