オンライン診療が拡大するに当たり、処方薬の受け取りにも新しいサービスが次々に登場しています。その中の一つが、ファミリーマートとオンライン薬局「ミナカラ」が共同で実施している『ファミマシー』です。これは「コンビニで処方薬が受け取れる」というサービスで、2021年8月6日から実証実験がスタートしています。今回は、『ファミマシー』実施の背景や、世の中にどんな影響を与えるのかをファミリーマートに伺いました。
コンビニで時間問わず処方薬が受け取れる
――『ファミマシー』について教えてください。
『ファミマシー』は、ファミリーマートの店舗にて、2種類の医薬品(①オンライン服薬指導後の処方箋医薬品、②一般用医薬品(第1類医薬品を含む市販薬))を最短当日配送・当日受け取りできるサービスです。
――薬はどのような形で受け取るのでしょうか?
お客さまは、ご自身のスマートフォン、タブレットから薬剤師の服薬指導・薬の説明を経て、オンライン上で購入します。薬はファミリーマート店舗に設置された認証機能付き受取BOXから受け取る形で、仕事帰りなどの遅い時間でも医薬品を手軽に入手できます。今回は都内8店舗で実証実験を行い、購入体験を通じて、利用者さまの課題がどの程度解決できるようになるかを検証します。
新たな非対面・非接触のサービスを創生
――今回の取り組みを始めた理由、背景を教えてください。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、お客さまのライフスタイルが多大なる制限を受けました。そんな中で、さまざまな非対面・非接触のサービスが生まれています。今回、ファミリーマートにご来店いただくお客さまに提供する新たな便利さとして、薬(処方薬および市販薬)の受け渡しサービスを開始しました。
――『ファミマシー』を利用することのメリットはどんなことでしょうか?
処方薬受け取りの場合でも、従来のようにご自身で調剤薬局に処方箋を直接持ち込む必要はありませんし、調剤薬局での待ち時間も発生しません。ファミリーマート店舗の営業時間中はいつでも受け取れるため、お客さまの「ご都合の良いタイミング」で薬を受け取れます。
継続受診率の向上に貢献
――「処方薬のコンビニ受け取り」が実現することで、世の中にどんな影響を与えますか?
自宅近くのコンビニで、自身のライフスタイルに合わせて薬を受け取れるようになります。その場合、例えば今まで定期的に薬の処方のために通院していた人や、外出できないために受け取りができないような人でも、オンライン診療・オンライン服薬指導を選択できるようになります。このサービスは通院負荷を軽減し、継続受診率の向上に貢献できると考えております。
――「クリニック」に与える影響はどんなことが考えられるでしょうか?
オンライン診療やオンライン服薬指導を望まれる患者さまに対する、「処方薬の安心・安全な受け渡し」に協力できると考えます。今後は実証実験の結果を検証し、前広に検討します。
――ありがとうございました。
近くに処方箋薬局がない地域の場合、オンラインで診療や服薬指導を受けることにどうしても抵抗が生まれます。しかし、近くのコンビニで手軽に処方薬を受け取れるようになれば、オンラインでの診療・服薬指導はぐっと身近なものになるでしょう。ニューノーマルな時代において、オンライン診療は重要度を増しています。新しい時代に即した医療を提供するためにも、こうした新しいサービスを理解しておくべきでしょう。
取材協力:株式会社ファミリーマート
特徴
オンライン診療機能
システム提携
診療科目
この記事は、2021年12月時点の情報を元に作成しています。