院長、受付スタッフの両方をサポートする医療アシストサービス「医’s アシスト」

IT技術・ネットワークと患者さん個人の健康情報を利用して、より良い医療を提供しようという試みが進んでいます。

クリニックも過当競争の時代ですから、集患に力を入れるのはもちろんですが、患者さんに「かかりつけ医」として選んでもらえることがさらに重要です。

今回ご紹介する『医's アシスト』は、医師と患者さんとのコミュニケーションを助けて「かかりつけ医」になることを支援し、医師の仕事の効率化にも貢献するサービスです。

サービスの提供元である『株式会社医針盤』に取材し、『医's アシスト』のコンセプト、特徴、利用料などについてご紹介します。

『株式会社医針盤』は『H.U.グループホールディングス株式会社』が2020年6月5日に設立した新会社です。医師の皆さんはご存じのとおり、『H.U.グループホールディングス株式会社』は臨床検査会社として日本で三本の指に入る『株式会社エスアールエル』を傘下に持ちます。

目次
  1. 『医's アシスト』とは?
  2. 『医's アシスト』の特徴
    1. 『医's アシスト』の主な機能
    2. 患者さんとの関係を密にする機能
    3. レセプトのチェック機能
    4. 患者さんが診療予約を入れる/クリニックが管理する機能
    5. オンラインAI問診機能
    6. 診療エディター経由で紙カルテにも対応
  3. 電子カルテ・レセコンとの連携
  4. 『医's アシスト』の導入にかかる時間
  5. 『医's アシスト』の利用料
    1. シンプルパックとスタンダードパックの違い
  6. 『医's アシスト』のサポート
  7. 先生のファンを増やしましょう
  8. まとめ

『医's アシスト』とは?

厚生労働省では、医療連携ネットワーク(EHR)とパーソナルヘルスレコード(PHR)をつなぎデータ活用環境の実現を目指しています。クリニックからすれば、医療のネットワーク、患者さんの診療記録を使ってより良い医療を提供しなければなりません。

重要なのはEHR・PHRをいかに活用するかです。これができれば、患者さんをより深く知ることができ、通常の診療現場だけの関係ではなく、人と人としての関係も築くことができるでしょう。

つまり、EHR・PHRを用いて患者さんにとっての「真のかかりつけ医」になることができるというわけです。かかりつけ医として信頼されれば、その患者さんはリピーターになってくれますので、クリニックの経営に資することは言うまでもありません。

『医's アシスト』はEHR・PHRの活用、クリニックの医師・院長が「真のかかりつけ医」になることができるよう設計されたサービスです。

クリニックで使う『医's アシスト』は、患者さんの使用する『ウィズウェルネス』というコンシューマー向けの健康管理アプリと連携できるようになっています。この『ウィズウェルネス』は、一般ユーザーが自身の健康状態を記録して管理するためのものです。

『ウィズウェルネス』がPHRを担い、『医's アシスト』と共に働いて医療の質の向上、効率化を推進するのです。

↑『ウィズウェルネス』の画面。患者さんの健康管理用のアプリです。

『医's アシスト』の特徴

「真のかかりつけ医」となるのを支援する『医's アシスト』は、予約・受付管理からオンライン問診票、診察支援まで、さまざまな業務を効率化するためのクリニック向けサービスです。

↑問診からのAI診療支援画面です。

『医's アシスト』は、医師向け、医事向け、患者さん向けとして以下の機能を備えています。

『医's アシスト』の主な機能

■医師向けの機能

  • 診療録エディター
  • 患者カルテ
  • 診察支援
  • 電子カルテ連携
  • 問診フォームの作成
  • 検査結果の送信
  • ■受付事務向け機能

  • 受付管理
  • 診療設定
  • 特別休日の設定
  • レセコン連携
  • お知らせ
  • 『医's レセ』点検(レセプト点検、請求漏れのチエック)
  • 予約リマインド
  • ■患者さん向けの機能

  • 診療予約
  • 代理予約/複数予約
  • オンラインAI問診票
  • 予約リマインド
  • 検査結果受信
  • 特筆すべき機能について以下にご紹介します。

    患者さんとの関係を密にする機能

    医師の判断によって、患者さんに血液検査や健康診断の結果※などのデータを送信することができます(来院前に検査結果を送信しておくこともできます)。その際に、医師からのコメントを加えることが可能です。注意すべき点やアドバイスなどを加えれば、患者さんとの関係をより近しいものにできるでしょう。

    ※現在は『株式会社エスアールエル』『株式会社日本医学臨床検査研究所』『株式会社エスアールエル北関東検査センター』および『株式会社北信臨床』の担当した検査結果のみ対応可能です。

    ↑患者さんに検査結果を送る際にはコメントを入れることができます。

    レセプトのチェック機能

    オプションですが、レセプト点検、請求漏れのチェックを行えます。クリニックでは毎月の請求作業に多くのマンパワーが必要とされますが、この『医's レセ』を用いれば省力化が可能です。『株式会社医針盤』によれば、「毎月の請求作業に7日かかっていたのにこの機能によって2日まで短縮できた」というクリニックもあるとのこと。

    ↑レセプト点検するとこのように結果が表示されます。

    患者さんが診療予約を入れる/クリニックが管理する機能

    コロナ禍の中「クリニックを訪問するのにも予約を入れる」のが常識となっています。予約システムの有無は集患に大きな影響を与えます。予約システムがあれば、患者さんが自分でクリニックの「診療空き時間」を調べ、予約を埋めてくれるからです。『医's アシスト』の予約システムは、直接来院、電話予約、Web予約全てに対応可能な受付管理機能を有しており、順番予約・時間枠予約の両方に対応しています。予約が入ると、前日・当日には自動でリマインドメールを配信します。また、患者さんが自身だけではなく、子供や家族の予約も一度に行える複数予約にも対応しています(患者さんが『ウィズウェルネス』に登録していることが前提)。

    オンラインAI問診機能

    患者さんは来院前にオンラインでAI問診を受けることができます。AIを用いた問診なので精度が高く、患者さんの症状に合わせて問診が進みます。この問診結果はクリニックへと送信され、4種の医学教科書の豊富な情報※から「問診の下書き」に変換されます。クリニックではこの下書きを電子カルテ側にコピペして使うことが可能です。これによって、クリニックで問診を行う時間、カルテに問診内容を書き込む時間の両方を節約できます。また、問診結果から予想される疾患の候補、対応する薬剤の情報も表示されますので、医師はこれを参考に診療を行えるのです。さらに、問診フォーム作成機能により簡単な設定で自由にカスタマイズすることも可能で、初診に加えて、最新問診にも対応できます。

    ※『株式会社プレシジョン』のCDSを搭載

    ↑患者さんが見る問診画面。

    ↑医師の見る問診結果の画面。

    診療エディター経由で紙カルテにも対応

    上記の問診結果は「診療録エディタ」で編集できるのですが、電子カルテを使っている場合には、ここで整形したものを電子カルテ側にコピーして使えます。紙カルテを使っている場合でも、電子的な「診療録」上でデータがどこにあるのかの情報をシールプリンター(別途購入)で印刷できます。このシールを紙カルテに貼付しておけば、紙カルテから電子的な診療録を検索することが可能なのです。電子的な診療録と紙カルテをつなぐための工夫といえるでしょう。

    電子カルテ・レセコンとの連携

    『医's アシスト』では複数の電子カルテと連携が可能です(10社14カルテに対応:2021年12月20日現在)。例えば、以下のような電子カルテです。

  • 株式会社EMシステムズ『MAPs for CLINIC』『MRN』
  • エムスリーデジカル株式会社『M3 DigiKar』
  • PHC株式会社『Medicom-HRf』『Medicom-HRV』
  • 富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社『Hi-SEED Cloud』
  • 株式会社メドレー『CLINICSカルテ』
  • 株式会社ユヤマ『BrainBox(R) VⅢ』
  • 株式会社ラボテック『SUPER CLINIC』
  • 上記以外でもつなぎ込みは可能ですが要相談となります。現在クリニックで使っている電子カルテと連携できるかどうかの詳細は、サービス提供元である『株式会社医針盤』に確認してください。

    レセコンでは、日医標準レセコン『ORCA(オルカ)』との連携が可能となっています。

    『医's アシスト』の導入にかかる時間

    『医's アシスト』の導入に当たってクリニック側で用意するものはインターネット環境に接続可能なパソコンのみです。

    導入は以下のステップを踏んで進み、4回ほどの打ち合わせを行います。

    申し込み前

    ①導入の合意後、営業担当者やWebサイトを通じて申し込み

    ②申し込み後~導入 訪問1回目:予約枠の説明と提案、訪問2回目:機器の導入と電子カルテとの連携確認

    ③導入~運用開始 訪問3回目:スタッフへの操作説明、訪問4回目:開院立ち会い(午前診療)

    ④アフターフォロー 訪問5回目:2週間後に訪問、不明点等を確認(午前診療)

    『株式会社医針盤』に伺ったところ、『医's アシスト』の導入には1カ月ほどかかるとのことです(クリニックの日程調整、つなぎ込む電子カルテ業者の都合などに左右されます)。

    『医's アシスト』の利用料

    『医's アシスト』の導入には初期費用がかかります。これは販売代理店によって異なりますので、詳細な金額は代理店に問い合わせて確認する必要があります。

    また、『医's アシスト』の利用には月額費用がかかります。「シンプルパック」と「スタンダードパック」の2つのコースがあり、シンプルパックは予約・受付管理を導入、効率化したいというクリニック向けで、スタンダードパックには診療支援機能を含めた全ての機能が含まれます。

  • シンプルパック:1万6,000円/月 [税別]
  • スタンダードパック:2万5,750円/月 [税別]
  • シンプルパックとスタンダードパックの違い

    シンプルパックとスタンダードパックでは、装備している機能が大まかには以下のように違います。

    シンプルパック、スタンダードパックで利用できる機能の詳細な違いは『株式会社医針盤』のサイトで確認してください。

    「毎月のレセプト点検、請求漏れのチェックを行う機能」(『医's レセ』)はオプションで利用できます。これは非常に強力な医事支援ツール。毎月の請求作業を大幅に短縮してくれます。利用料は月額4,900円[税別]で、上記の料金以外に必要となります。

    『医's アシスト』のサポート

    『医's アシスト』では導入後、メール・電話でのサポートを行っています。

    電話サポート:月~土曜9:00~17:00(日・祝日・年末年始は休み)

    メールサポート:365日24時間受け付け

    先生のファンを増やしましょう

    『株式会社医針盤』に『医's アシスト』のアピールポイントを伺ったたところ、「先生のファンを増やしましょう。『医's アシスト』は先生のファンを作るのに役立ちますよと申し上げています」とのことでした。確かに、ファンになってくれれば、その患者さんの「かかりつけ医」になることができるでしょう。『医's アシスト』はファンを増やすためのツールと捉えることもできます。

    まとめ

    『医's アシスト』は、「診療予約」「受付管理」「診療支援」「検査連携」「オンライン問診」が1つのシステムの中に統合されて一気通貫で行えるサービスになっています。これらを一つ一つ別のサービスを利用すると、その分初期費用と月額費用がかかってトータルで見ると高くついた、といったことになりがちです。『医's アシスト』は全部入りで、電子カルテと連携でき、リーズナブルな価格になっているといえます。

    実際に使用している医師からは「検査結果にコメントを入れて送ったところ、患者さんから大変に喜ばれた」という声も上がっています。患者さんとより深くつながるという意味では、まさにうってつけのツールといえるでしょう。新規開業するクリニックにこそ向いたサービスともいえますので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

    取材協力:『株式会社医針盤』

    Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

    特徴

    1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

    対象規模

    無床クリニック向け 在宅向け

    オプション機能

    オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

    提供形態

    サービス クラウド SaaS 分離型

    診療科目

    内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

    クリニック開業ナビ

    執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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