電子カルテを使えるパソコンのスペックは?

クリニックで電子カルテを導入するためには、パソコンが必要です。しかし、パソコンであればなんでもいいかというとそうではありません。では、どんな条件がそろっている必要があるのでしょうか? 早速みていきます。

目次
  1. 電子カルテを使うために必要な機材は?
    1. 【オンプレミス型電子カルテの場合】
    2. 【クラウド型電子カルテの場合】
      1. パソコン
      2. モニター
      3. マウス、キーボード
      4. プリンター
      5. スキャナー
  2. パソコンやモニターのスペックは?
  3. パソコンや周辺機器は消耗品。ブラウザなどのアップデートも必須

電子カルテを使うために必要な機材は?

まずは電子カルテを使うために必要な機材をみていきましょう。

【オンプレミス型電子カルテの場合】

オンプレミス型電子カルテの場合、各電子カルテメーカーから専用のパソコンやハードウェアを提供されるのが一般的です。そのため、何をそろえたらいいのか自院で考える必要はありません。

【クラウド型電子カルテの場合】

クラウド型電子カルテの場合、パソコンもハードウェアもクリニックで用意する必要があります。具体的には以下が必要です。

パソコン

各メーカーの電子カルテの仕様に合ったパソコンが必要です。導入を検討している電子カルテでは、どのOS、バージョンが推奨されているのかを確認することが必要です。レセコン用に受付に1台、ドクター用に診察室に1台設置する以外にも、必要に応じて台数をそろえることになります。

メモリ、CPU、HDDなどのスペックは、各社で異なるため、後半に紹介する各社のスペック表を参考にしてください。

また、クラウド型電子カルテの多くは、専用のアプリケーションではなくGoogle ChromeやFirefoxなどのブラウザ上で動くため、ブラウザを用意することも必要です。

ちなみに、アメリカのアクセス解析調査会社『StarCounter Global Stats(スターカウンター・グローバル・スタッツ)』の調査によると、2021年12月時点での日本国内におけるPCおよびモバイルのwebブラウザシェアランキングは以下の通りです。

第1位 Google Chrome 48.94%
第2位 Safari 30.45%
第3位 Edge 10.32%
第4位 Firefox 4.23%
第5位 Internet Explorer 2.18%
第6位 Samsung Internet 1.04%

参照:スターカウンター・グローバル・スタッツ

モニター

パソコンの台数分のモニターと、必要に応じてプラスアルファのモニターを用意します。診察室用には、タッチペンでの入力や指での画像拡大・縮小が可能なタッチパネル式を選ぶと、ドクターが直感的に操作できます。また、デュアルディスプレイなら、カルテ画面と予約患者一覧画面を同時に全画面表示できるため、診療の効率が上がります。

モニターの大きさや解像度は、各社で異なるため、後半に紹介する各社のスペック表を参考にしてください。

また、読影をおこなう際には、一般的なモニターではなく「医用画像表示用モニター」を使うのが適切です。医用画像表示モニターと一般的なモニターとの違いは以下です。

医用画像表示の規格やガイドラインに適合している・輝度や画面の均一性など、クオリティが高く安定している・長時間にわたって品質を保持できる品質管理機能が備わっている

たとえば、診断・検査用モニターである「RadiForce RX360」「RadiForce MX216」は医用画像表示用モニターに該当します。CRやCT画像の表示に最適な3メガピクセル、2メガピクセルモニターで、モノクロ画像とカラー画像が混在していたとしてもピクセル単位で自動判別して、適切な階調で表示してくれます。

参照:RadiForce RX360

参照:RadiForce MX216

マウス、キーボード

マウスおよびキーボードは手で触れることが多いので、触った感触がよい、手によくなじむものが理想です。また、タイプするたびにカチカチと音が鳴ると耳障りに感じてしまう患者やスタッフがいることも考慮して、なるべく音がしない静音タイプを選ぶことをおすすめします。さらに最近は、抗菌タイプのマウスを選ぶ人も増えています。

プリンター

領収書や紹介状、処方箋などの書類を印刷するため、プリンターを用意することは必須となります。

プリンターの印刷方式はインクジェットとレーザーの大きく2種類に分かれます。また、モノクロのみ印刷可能なものもあれば、カラーも印刷できるものもあります。そのなかからどれを選べばいいかというと、用途によって異なります。たとえば、受付で医療費明細書や領収書、処方箋などを印刷するのに使うのであれば、コンパクトなサイズのモノクロプリンターで十分です。

また、電子カルテを日医標準レセプトORCAと連携させるなら、日医標準レセプトソフト推奨プリンターを選ぶことが望ましいです。

スキャナー

保険証や紹介状などはスキャンして電子データ化することで、電子カルテに保存できます。

スキャナーは、ガラス面に原稿を伏せて下から光を当てて読み取る「フラットベッドスキャナー」、読み取り部は動くことなく、原稿のほうがその場所を通過して読み取る「シートフィードスキャナー」、電気スタンドのような形状の本体が、下に置かれた写真などを読み取る「スタンドスキャナー」の3タイプが存在します。種類やスペックによって読み取りにかかる時間や手間が大きく異なるので、効率よく作業できるものを選びましょう。

パソコンやモニターのスペックは?

続いては、代表的なクラウド型電子カルテメーカーが推奨しているパソコンやモニターのスペックを紹介します。

カルテ/企業 Win/mac 推奨ブラウザ モニター画面解像度 ハードウェア推奨動作環境 ネットワーク推奨動作環境 備考
CLIUS/株式会社Donuts Win/macともに可 Google Chrome最新ver 1920x1080 FULL HD(表示倍率:100%) OS:Windows 10 Pro(64bit)CPU:Core i5(第6世代)以上Ryzen 5(初代)以上メモリ:8GB以上記憶容量:SSD 240GB以上OS:macOS 10.14 Mojave以降(64bit)CPU:Core i5(第6世代)以上メモリ:8GB以上記憶容量:SSD 240GB以上※ハードウェア環境が推奨環境以下ですと、遠隔サポート時間や通常の業務速度に影響が出ます。 有線LANを推奨しております ※検査連携をする場合は別途CLIUS Connect(検査機器連携用アプリ)が必要です※一部機能では、Microsoft Office 2013以降(Word、Excel)が必要です
きりんカルテ/PHC株式会社 Win/macともに可 (各社にお問い合わせください) ワイドモニター(24インチ以上を推奨) フルHD対応 OS:Window=Windows 10 Home(64Bit) フルHD対応/Mac=OS X以降 フルHD対応CPU:インテルCoreTMi3 以上(インテルCoreTMi52GHz以上 推奨)メモリ:(GB以上SSD:256GB以上 有線LANインターフェース部が1000Mbps対応のもの 外付けハードディスクドライブ(カルテのPDFデータ保存用)は容量4TB以上 ネットワーク対応のもの推奨
エムスリーデジカル/エムスリーデジカル株式会社 (各社にお問い合わせください) Google Chromeのみサポート 解像度1920x1080以上のモニターでのご利用を推奨しております (各社にお問い合わせください) (各社にお問い合わせください) (各社にお問い合わせください)
CLINICS/株式会社メドレー Win/macともに可 Google Chrome最新版 解像度:1920×1080以上 (各社にお問い合わせください) (各社にお問い合わせください) インターネット回線:光回線(十分なパフォーマンスを確保するために持続的に高速な実効速度が得られる環境をご利用ください)

参照:株式会社Donuts「CLIUS」

参照:PHC株式会社「きりんカルテ」

参照:エムスリーデジカル株式会社「エムスリーデジカル」

参照:株式会社メドレー「CLINICS」

パソコンや周辺機器は消耗品。ブラウザなどのアップデートも必須

代表的なクラウド型電子カルテメーカーの推奨スペックを見てわかる通り、ブラウザはシェアランキングが高いもの、バージョンは最新のものであることが理想です。しかし、ランキングやバージョンはすでに変動するものですし、パソコン本体もモニターも周辺機器も、使うほどに劣化して動作が遅くなっていきます。つまり、一度買ったら終わりではなく、常に新陳代謝させていくことが必要だということ。資金繰りについて考える際には、常にその点を意識するようにしてくださいね。

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
医療現場の多様なニーズに対応するクリニック向けの電子カルテシステム

特徴

1.首都圏・関西圏トップクラスの導入実績とそれに伴う確かな導入ノウハウ  2.電子カルテ専門メーカーとして開発から販売・保守サポートまでをすべて自社グループ内で完結 3.ユーザー目線を重視した過不足のない機能や操作性の高さ

対象規模

無床クリニック向け

提供形態

パッケージソフト ハードウェア オンプレミス

オプション機能

レセプトチェック データ移行 モバイル端末 往診端末 タブレット対応

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、
ORCAを内包し、まるで一体型のような操作感を実現。オンライン診療機能を搭載し、患者アプリと連携。

特徴

1. 「CLINICSオンライン診療」を使うことで、電子カルテ上から患者のアプリとつながる画期的な機能を実現。これにより、患者の通院をサポート  2. 日医標準レセプトソフト「ORCA」を内包しているため、レセプトソフトを別途操作する必要がありません。事務スタッフの受付・会計作業が大幅に削減され、医療現場のスタッフからも高く評価されています。 3. 国際標準規格であるISMSクラウドセキュリティ認証を取得。SSL暗号化通信+証明書認証により安心のセキュリティを実現。

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム タブレット対応

提供形態

クラウド SaaS

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

クリニック開業ナビ

執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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