クリニックの電子カルテはレセコン一体型と分離型どちらがいい?

電子カルテ選びの際、多くのクリニックが着目することのひとつが、レセコン一体型か分離型かということでしょう。 「レセコン一体型」は、電子カルテとレセコンが1つのパッケージになっているソフト、「レセコン分離型」は、それぞれが別のソフトとして独立していることを意味しますが、一体型、分離型にはそれぞれどのような利点があるのでしょうか? 早速解説していきます。

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目次
  1. レセコンとは?
  2. レセコン一体型電子カルテ、レセコン分離型電子カルテのメリット、デメリット
  3. レセコン一体型の電子カルテのメリットは?
    1. 電子カルテのみで業務が完結する
    2. 障害発生時の問い合わせ先がひとつ
  4. レセコン一体型の電子カルテのデメリットは?
    1. サーバー障害時はどちらも使えない
    2. 入れ替えの際は両方とも変える必要がある
  5. レセコン分離型の電子カルテのメリットは?
    1. 初期費用を抑えられる場合がある
    2. 電子カルテを乗り換えてもレセコンはそのまま使える
    3. サーバー障害時に両方いっぺんに使えなくなることがない
  6. レセコン分離型の電子カルテのデメリットは?
    1. 2つのシステムの操作が必要
  7. なぜレセコンがORCAなら分離型をチョイスしやすいのか
  8. ORCAとは?
  9. 「ORCA分離」「ORCA連動」「ORCA内包」とは?
  10. 「レセコン一体型×オンプレミス型」の電子カルテは?
    1. Medicom-HRf(PHC株式会社)
  11. 「レセコン一体型×クラウド型」の電子カルテは?
    1. CLINICSカルテ(株式会社メドレー)
    2. エムスリーデジカル(エムスリーデジカル株式会社)
    3. Medicom-HRf(PHC株式会社)
  12. 「レセコン分離型×オンプレミス型」の電子カルテは?
    1. Dr.Simpty for ORCA(三栄メディシス株式会社)
  13. 「レセコン分離型×クラウド型」の電子カルテは?
    1. CLIUS(株式会社Donuts)
    2. エムスリーデジカル(エムスリーデジカル株式会社)
    3. きりんカルテ(PHC株式会社)
    4. Medicom-CK(PHC株式会社)
    5. Open-Karte Cloud(富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社)
  14. 自院に必要な機能を良く見極めて選ぶことが大切

レセコンとは?

まずはレセコンについておさらいしましょう。

レセコン(レセプトコンピューター=医事会計システム)とは、医療機関における保険算定や請求業務を自動化できるツールです。保険診療をおこなっているクリニックや病院では、患者に提供した診療行為ごとの保険点数を算定して、各患者の負担割合に応じた自己負担金をその場で支払ってもらい、差額に関しては1月分まとめて審査支払機関に請求します。

自己負担金を支払う患者に渡す領収書、診療明細書、処方箋の作成をはじめとする一連の業務を自動化するレセコンの普及率は、現在、ほぼ100%とされています。

レセコン一体型電子カルテ、レセコン分離型電子カルテのメリット、デメリット

まずは、レセコン一体型電子カルテ、レセコン分離型電子カルテのメリット、デメリットをみていきましょう。

レセコン一体型
×
オンプレミス型
レセコン一体型
×
クラウド型
レセコン分離型
×
オンプレミス型
レセコン分離型
×
クラウド型
価格
初期費用=300~500万円
月額費用=3~5万円
数年ごとに要更新、買い替え

初期費用=0円~
月額費用=2~5万円
更新、買い替え不要

初期費用=300~500万円
月額費用=3~5万円
数年ごとに要更新、買い替え

初期費用=0円~
月額費用=2~5万円
更新、買い替え不要
使いやすさ
経過年数によって重くなりがち
院外使用にはシステム構築などが必要

場所を問わず利用可

経過年数によって重くなりがち
院外使用にはシステム構築などが必要

場所を問わず利用可
機能
豊富なカルテ機能
一部カスタマイズも可能
画面はやや複雑

シンプルな画面設計

一部カスタマイズ可能
画面はやや複雑

シンプルな画面設計カルテ側にレセコンの一部機能を呼び出せる
連携
クリニックに合った連携システムを構築できる

連携数や種類はメーカーによって異なる

クリニックに合わせてカスタマイズ可能

カルテの連携面はメーカーによりけり
レセコンの連携が豊富なら◎
サポート
現地対応可能な場合が多い

現地対応は稀だがオンラインで対応

現地対応可能な場合が多い

現地対応は稀だがオンラインで対応
開発スピード
OSのアップデートも含めたシステムの更新は5年に1回程度

メーカーによるが毎月~3か月ごとにアップデートを実施

OSのアップデートも含めたシステムの更新は5年に1回程度

メーカーによるが毎月~3か月ごとにアップデートを実施

レセコン一体型の電子カルテのメリットは?

続いては、レセコン一体型の電子カルテのメリットを詳しくみていきましょう。

電子カルテのみで業務が完結する

領収書や診療明細書、処方箋の作成なども電子カルテでおこなえるため、業務を簡略化できます。また、基本的に電子カルテが入ったどの端末からでも会計事務をおこなえるため、スタッフ不在時に急患対応にあたらなければならない場合など、ドクター自ら診察室のパソコンで会計事務をおこなうことも可能です。

障害発生時の問い合わせ先がひとつ

電子カルテとレセコンを連携させて使っている場合、万が一の障害発生時にはそれぞれのベンダーに問い合わせて原因を解明しなければならないためリスクが大きいといえます。その点、レセコン一体型であれば問い合わせ手順がシンプルです。

レセコン一体型の電子カルテのデメリットは?

では、デメリットとしてはどんなことが挙げられるかというと以下の通りです。

サーバー障害時はどちらも使えない

サーバー障害発生時は、電子カルテ、レセコンの両方が使えなくなります。

入れ替えの際は両方とも変える必要がある

メーカーサポートが切れた際など、レセコン、電子カルテの両方を入れ替える必要があります。

レセコン分離型の電子カルテのメリットは?

続いては、レセコン分離型の電離カルテのメリットをみていきます。

初期費用を抑えられる場合がある

レセコンと同一ベンダーの電子カルテを選べば、初期費用を抑えることが可能です。もしくは、レセコンがORCA(日医標準レエプトソフト)であれば、連携実績のある分離型電子カルテがいくつか存在するため、好みの電子カルテと接続して使える場合があります。

電子カルテを乗り換えてもレセコンはそのまま使える

より魅力的な電子カルテに出逢って乗り換えたくなった際も、レセコンはそのまま同じものを使い続けることができます。

サーバー障害時に両方いっぺんに使えなくなることがない

電子カルテのサーバー障害時ならレセコンは使えますし、レセコンのサーバー障害時であれば電子カルテは使えます。

レセコン分離型の電子カルテのデメリットは?

続いてはデメリットです。

2つのシステムの操作が必要

カルテ入力後、レセコンソフトにデータを送信する必要があるため、一体型と比べて業務量が多いといえます。また、2つのシステムのユーザーインターフェイスが統一されていないことから、操作方法をマスターするのに時間がかかる場合もあるかもしれません。

なぜレセコンがORCAなら分離型をチョイスしやすいのか

前述の通り、レセコンがORCAであれば、連携実績のある分離型電子カルテが複数存在足します。その理由は、ORCAが日医標準レセコンになりそうな流れになって以降、「ORCAと連携できる電子カルテを開発しよう」という電子カルテベンダーが増えたため。つまり、もともとORCAと連携可能であることを前提に作られている電子カルテが多いということです。

ORCAとは?

ここでORCAについても詳しくみていきましょう。

日医標準レセプトソフト「ORCA」とは、『日本医師会』が提供しているレセプトソフトのこと。日本のレセコンはもともと、主に民間企業主体で開発・販売されていたことから、メンテナンス費用を含め高額な投資が必要なうえ、互換性に乏しく、ネットワーク化が進んでいませんでしたが、ORCAはこうした課題の解決を目的として開発されたため、さまざまな電子カルテと連携が可能で、実際に実績も豊富なのです。

「ORCA分離」「ORCA連動」「ORCA内包」とは?

続いては表題の言葉の説明です。

「ORCA分離」「ORCA連動」はここまでに述べてきたように、ORCA(レセコンの一種)と電子カルテが分離しているタイプや、分離しているけど連携できるタイプを意味します。

では、「ORCA内包」とはなにかというと、ORCAと電子カルテの連携方法の一種で、主にCLINICSカルテとの連携方法を示す言葉です。CLINICSカルテは、業界で初めてORCAを内包したクラウド型電子カルテであるだけでなく、レセコンと電子カルテが統一されたユーザーインターフェイスであることから、医療業界者からも重宝されています。

「レセコン一体型×オンプレミス型」の電子カルテは?

続いては、電子カルテのタイプごとにどんなメーカーのものがあるのかをみていきます。まずは「レセコン一体型×オンプレミス型」の電子カルテです。

Medicom-HRf(PHC株式会社)

オンプレミス型、クラウド型の両方に対応している、医事一体型電子カルテシステムです。PACS、問診システム、予約・再来受付システムをはじめとするさまざまな機器との連携によって業務が効率化されます。

参照:Medicom-HRf

「レセコン一体型×クラウド型」の電子カルテは?

続いては「レセコン一体型×クラウド型」です。

CLINICSカルテ(株式会社メドレー)

クリニック内のさまざまな機器とシームレスに接続が可能。CLINICSシリーズの「オンライン診療」「予約」機能を利用すれば、ひとつのシステムで、予約から受付、カルテ入力、会計業務まで完結できます。レセコンはORCAを内包。

参照:CLINICSカルテ

エムスリーデジカル(エムスリーデジカル株式会社)

レセコン一体型、ORCA連動型の両方のタイプを用意。カルテ作成・オーダー入力を効率化してくれる「AI自動学習機能」、紙カルテを超える書き心地で、シェーマもハンコ感覚で使える「iPadアプリ」などの豊富な機能を備えています。

参照:エムスリーデジカル

Medicom-HRf(PHC株式会社)

オンプレミス型、クラウド型の両方に対応している、医事一体型電子カルテシステムです。PACS、問診システム、予約・再来受付システムをはじめとするさまざまな機器との連携によって業務が効率化されます。

参照:Medicom-HRf

「レセコン分離型×オンプレミス型」の電子カルテは?

続いては「レセコン分離型×オンプレミス型」です。

Dr.Simpty for ORCA(三栄メディシス株式会社)

日医標準レセプトソフト・ORCA連動の電子カルテです。新規開業時ならORCAと電子カルテのセットで導入、既にORCAを使用中なら電子カルテのみ導入など、状況に応じた形で導入することができます。

参照:Dr.Simpty for ORCA

「レセコン分離型×クラウド型」の電子カルテは?

続いては「レセコン分離型×クラウド型」です。

CLIUS(株式会社Donuts)

シンプルで見やすい画面設計で、使いやすさにすぐれています。初期費用、ランニングコストともに低価格で気軽に導入可能。クラウド版のORCAと連携させて利用可能です。

参照:CLIUS

無料トライアル実施中

クラウド型電子カルテ「CLIUS」の無料トライアル 専門のスタッフが機能を余すところなく解説!実際に触っていただき、使用感を確かめていただくことも可能です。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

エムスリーデジカル(エムスリーデジカル株式会社)

レセコン一体型、ORCA連動型の両方のタイプを用意。カルテ作成・オーダー入力を効率化してくれる「AI自動学習機能」、紙カルテを超える書き心地で、シェーマもハンコ感覚で使える「iPadアプリ」などの豊富な機能を備えています。

参照:エムスリーデジカル

きりんカルテ(PHC株式会社)

ORCAのクラウドサービス「日レセクラウド」とワンパッケージで提供されています。電子カルテとしての基本機能に加え、外来受付や予約機能、訪問スケジュール作成機能、在宅医療文書作成機能など、在宅医療に対応した機能も備えています。

参照:きりんカルテ

Medicom-CK(PHC株式会社)

レセコンは、同シリーズの「Medicom-HSi」 のみ使用可能(別売)。看護支援機能やリハビリ支援機能などを一体化した電子カルテです。訪問診療時には、院内ネットワークと持ち出し用端末をVPN接続すれば、訪問先でもカルテを参照&記載できます。

参照:Medicom-CK

Open-Karte Cloud(富士フイルムヘルスケアシステムズ株式会社)

検査結果、アレルギー情報、医薬品情報などを一画面に集約して表示できる「アシストビュー機能」搭載の電子カルテ。ORCAまたは提携企業の「Medical Leader-Account(ML-A)」との連携が必要です。

参照:Open-Karte Cloud

自院に必要な機能を良く見極めて選ぶことが大切

価格や使い勝手など、電子カルテを選ぶ基準はクリニックごとに異なって当然。また、それぞれの電子カルテにメリット、デメリットがあるものなので、まずは自院に必要な機能と、どの程度までなら予算を充てることができるかを十分に考えてチョイスすることが大切です。使い始めてから後悔することのないよう、ぜひじっくり時間をかけて選んでくださいね。

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

クリニック開業ナビ

執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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