開業医は、医師であると同時に経営者です。経営者として人を雇うとなると、考えなければならないのがお金のこと。看護師や事務員の給料についても、自分自身の給料についても考えることが必要になります。では、それぞれの給料として妥当な金額はどのくらいなのでしょうか? 早速解説していきます。
開業医の年収を上げるには?
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開業医の年収はどうやって決まる?
勤務医の所得は、勤務先である法人などが決めて法人から支払われます。これを「給与所得」といいます。では、開業医の所得はどうやって決まるかというと、事業の収益(保険診療+自費診療)から、人件費や経費を引いた額です。これを「事業所得」といいます。
続いては、勤務医の「給与所得」、開業医の「事業所得」の平均値をみていきましょう。
勤務医の平均年収は?
中央社会保険医療協議会が公表している「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告―令和3年実施-」によると、令和3年度における勤務医の平均年収は11.932(千円)です。
参照:中央社会保険医療協議会「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告―令和3年実施-」p.907より一部抜粋
開業医の平均年収は?
中央社会保険医療協議会が公表している「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告―令和3年実施-」によると、令和3年度における主たる診療科のクリニックの年収は以下の通りです。
診療科 | 平均年収(千円) |
内科 | 20,040 |
小児科 | 14,228 |
精神科 | 32,296 |
外科 | 11,284 |
整形外科 | 25,604 |
産婦人科 | 15,829 |
眼科 | 32,224 |
耳鼻咽喉科 | 20,025 |
皮膚科 | 28,796 |
その他 | 24,816 |
全体 | 22,568 |
参照:中央社会保険医療協議会「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告―令和3年実施-」p.843~より一部抜粋
クリニックに勤務する看護師の平均年収は?
続いては、クリニックに勤務する看護師の平均年収、つまり、開業医として看護師を雇う場合どのくらいの給与を支払うのが妥当であるのかをみていきましょう。
厚生労働省が公表している「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、クリニックの正看護師・准看護師の平均年収は以下の通りです。
【クリニックで働く正看護師・准看護師の平均年収】
額面 | 手取り | |
月収 | 34万円 | 28万円 |
賞与 | 84万円/年 | 70万円/年 |
年収 | 492万円 | 406万円 |
また、パートやアルバイトの平均年収は492万円より100万円以上マイナスとなる364万円です。
【クリニックで働くパート・アルバイトの平均年収】
額面 | 手取り | |
月収 | 30万円 | 25万円 |
年収 | 364万円 | 300万円 |
参照:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
クリニックに勤務する医療事務の平均年収は?
続いては、医療事務の平均年収をみていきます。
医療事務の平均年収は、294万円と看護師よりはかなり低い傾向にあります。ただし、地域によって差があり、地もっとも低い四国地方だと、246万円にまで下がります。また、病院で働く医療事務も含んでのデータのため、クリニックのみでのデータをとるとさらに下がる可能性があります。
【医療事務の地域別年収】
北海道・東北 | 甲信越・北陸 | 関東 | 東海 | 関西 | 四国 | 中国 | 九州・沖縄 |
247万円 | 270万円 | 300万円 | 275万円 | 277万円 | 246万円 | 255万円 | 250万円 |
参照:求人ボックス 給料ナビ「医療事務の仕事の年収・時給・給料」
看護師も地域によって給料に差が出る?
医療事務同様、看護師も地域によって給料に差があります。調査の結果、もっとも年収が高い地域は378万円、低い地域は297万円と、81万円もの差があることがわかっています。 ※こちらも、病院で働く看護師も含んだデータです。また、パート・アルバイトも調査対象となっています。
【看護師の地域別年収】
北海道・東北 | 甲信越・北陸 | 関東 | 東海 | 関西 | 四国 | 中国 | 九州・沖縄 |
320万円 | 337万円 | 378万円 | 355万円 | 362万円 | 317万円 | 317万円 | 297万円 |
開業医の年収を上げるには?
クリニックの開業を成功させるには、確実な調査と綿密な計画が必要です。クリニック開業ナビでは、信頼できる実績のある医療知識豊富なコンシェルジュが開業にまつわるお悩みになんでもお応えします。物件、内装・施工業者、コンサルタント、システム、その他事業者多数の中から、あなたのお悩みの解決に最も理想的な事業者を選定してご紹介します。
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「平均年収を知ること」はスタッフを雇ううえでのファーストステップ
開業医として独立する前は「給料を払われる立場」だったことから、最初のうちは、妥当な金額を決めること自体難しく感じるかもしれません。しかし、まずは平均年収を知れば目安が見えてきますし、その金額を支払うためにはどのくらい稼げばいいのかに関しても具体的な数値がわかってきます。また、その次のステップは、「競合より優秀なスタッフを雇うためには給料をいくらにするといいか」を考えることです。予算を鑑みて、開業時からそこを狙えそうなら狙うもよし。平均年収は社会情勢などによって変動する場合もあるので、来年以降の開業になりそうなら、最新のデータを探してみてくださいね。
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この記事は、2022年5月時点の情報を元に作成しています。