リニックや病院で働いている看護師にとっては、ノルマが課されることは日常的ではありません。そのため、「訪問看護ステーションなどでは看護師にノルマが課される」ときいても、具体的にどのような内容であるのかイメージしづらいでしょう。そこで今回は、訪問看護におけるノルマがどのようなものであるのか、ノルマをこなせなかったらどうなるのかを説明していきます。
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訪問看護における「ノルマ」は2種類ある
訪問看護ステーションをはじめ、訪問看護を提供している事業所の多くは、看護師に対して1種類もしくは2種類のノルマを課しています。
訪問件数のノルマ
1つめのノルマは、「訪問件数のノルマ」です。具体的には、「1日〇件は訪問しましょう」「1か月に△件は訪問する必要があります」といった具体に訪問件数の最低ラインが定められます。なぜこのようなノルマが設けられているかというと、極端なことをいうと、1日1件しかこなせない看護師ばかり集まってしまったら、その訪問看護ステーションはお金が回らなくなり経営を続けることができなくなるためです。
訪問件数のノルマのこなし方
訪問件数のノルマをうまくこなすことができず、せっかく入職した訪問看護ステーションを辞めてしまったり、なんとかこなしてはいるものの辛い思いをしていたりといったケースは多いです。
では、どうすれば訪問件数を難なくこなせるようになるかというと、まずは、始業前にしっかり時間をとって、その日の訪問先の業務を頭のなかでシミュレーションして、必要な準備をおこなうことが大切です。また、事業所では、次の訪問先への移動時間を考えてスケジュールを組んでくれているものですが、どういうルートで回ると効率的であるのかを事前に考えておくと、時間的余裕が生まれやすいといえます。想定より早く次の訪問先に到着しそうなら、空いた時間に車のなかなどで看護記録をつけるようにすると、1日の業務が終わったあとに、1日分の看護記録をまとめてつける必要がなくなるので時短につながります。
また、もしも1日の訪問件数のノルマを負担に感じているなら、勤務日数を増やすかわりに1日あたりの訪問件数を分散してもらえないかどうかと、勤務先に交渉してみるのもいいかもしれません。もしくは、子育て中などの理由で勤務日数を増やすのは難しい場合は、月給が減給となる前提で、1日に訪問可能な件数を事業所に申告して、調整してもらうという手もあります。
患者獲得のノルマ
2つめのノルマは、「患者獲得のノルマ」です。つまり、「営業」です。
「営業ってどうやってやればいいの?」「習ったことがない」「どこに行けばいいの?」と思って当然です。クリニックや病院で働く看護師などは“営業”とは無縁なので、「営業してきて」といわれてもただただ困ってしまうでしょう。
では、具体的にどこに行って何をすればいいかというと、たとえば病院やケアマネジャーを訪問して挨拶したり、自分が働いている訪問看護ステーションのパンフレットを渡したりすればいいのです。また、既存の利用者の情報交換をおこなうことも営業のうち。要は、「訪問看護を利用したいという患者さんが現れたときには、この訪問看護ステーションにお願いしよう」という関係性を構築できればいいのです 。
ただし、患者獲得のノルマに関しては、看護師自身ではなく、専属部隊が担当している訪問看護ステーションも多いので、どうしても営業したくない場合は、患者獲得ノルマが課されない訪問看護ステーションを選ぶといいでしょう。
患者獲得ノルマがある訪問看護ステーションのメリット、デメリットは?
訪問件数のノルマはほとんどの訪問看護ステーションにおいて設けられているものですし、上記に説明した通り、訪問件数のノルマが設けられているのは当然のことなので、避けて通ることは難しいといえます。しかし、患者獲得のノルマに関しては、設けられている事業所も設けられてない事業所もあるので、メリット、デメリットを考えて選ぶことも可能です。
患者獲得ノルマがある訪問看護ステーションのメリットは?
メリットから詳しくみていきましょう。
①収入が上がる
②営業スキルが身につく
③ツテができる
④視野が広がる
収入が上がる
患者獲得ノルマに対してインセンティブを用意している訪問看護ステーションの場合、数をこなせば必然的に収入が上がります。
営業スキルが身につく
最初はいやいや営業していたとしても、慣れてくると、自社の魅力を相手にうまく伝えられるようになり、営業に楽しさを見出せるようになることもあります。場合によっては、営業が楽しくなったことがきっかけで、訪問看護の仕事から営業職へと転職したくなることも考えられます、
ツテができると将来独立する際に役立つ
訪問先の病院やケアマネジャーと良好な関係を築くことができれば、将来、自分で訪問看護ステーションを立ち上げたいと思った際などに大変有利となります。最初からそれを見越して、患者獲得ノルマが設けられている訪問看護ステーションを選んでいる人も多いでしょう。
視野が広がる
自分とは異なる職種、異なる職場で働く人と逢って話を聴くことで、視野が広がることがあります。視野が広がるとどんないいことがあるかというと、働き方や生き方に新たな選択肢が生まれやすくなります。
患者獲得ノルマがある訪問看護ステーションのデメリットは?
続いてはデメリットです。
①看護の仕事に没頭できない
②忙しくて心身ともに疲れる
③患者を獲得できないことなどから余計なストレスを抱えることがある
看護の仕事に没頭できない
純粋に看護が好きで、訪問看護の仕事がやりたくて訪問看護ステーションに入職した人にとっては、それ以外の業務に時間を割かなければならないこと自体が苦痛に感じられるかもしれません。
忙しくて心身ともに疲れる
訪問件数もこなして患者獲得ノルマもこなさなければならないとなると、単純に忙しくなります。業務を要領よく進めるのが苦手な人であれば、毎日ノルマをこなすことでいっぱいいっぱいになって、心身ともにへとへとに疲れてしまうかもしれません。
患者を獲得できないことなどから余計なストレスを抱える可能性がある
営業先も医療関係者なので、忙しいときなどはきちんと話を聴いてもらえない可能性もあります。相手に悪気はないとはいえ、それがきっかけで、営業だけでなく人と話すことが億劫になったり、人間嫌いになったりする可能性もゼロではありません。また、訪問看護ステーションのなかには、患者を獲得できない看護師に対して、「患者が少なくて儲からない」と責任をなすりつけてくるブラックな事業所もあるといいます 。あまりない例ではあるはずですが、万が一、そのようなブラックな事業所に当たった場合は、速やかに退職届を出すことをおすすめします。
面接では必ずノルマについて詳しく聞いておこう!
訪問看護のノルマに不安がある場合は特に、面接時に、ノルマについて詳しく教えてもらうよう心がけましょう。ノルマに対してネガティブなイメージがあったとしても、事業所が「より多くの人に適切な看護を届けるために、わたしたちについて知ってもらいたい」などの考えを明かしてくれた結果、「自分も営業をがんばってみたい」と思うこともあるかもしれません。納得のうえでノルマをこなすぶんにはストレスも少ないはずなので、不明な点についてはしっかり確認するようにしてくださいね。
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診療科目
この記事は、2024年7月時点の情報を元に作成しています。