トラブル回避のためのご家族への対応

病院では日々さまざまなトラブルが起きています。患者さん同士のトラブルもあれば、スタッフ間のトラブルもあります。中でも厄介なのが、患者さんのご家族からのクレームです。病院経営をより良くするためのアドバイスとして貴重な意見ですが、クレームはお互いにとっていい気持ちがしません。

トラブルを回避できるよう、普段からできることはたくさんあります。今回は、病院でのトラブル回避のためのご家族への対応をまとめました。日頃の態度や些細な気遣いで、患者さんご家族とのトラブルを回避できますよ。

目次
  1. 患者さんのことは普段から敬称を付けて呼ぼう
  2. 看護師同士でもあだ名や名前呼びは避けよう
  3. 病棟内は常に清潔に保とう
  4. 患者さんの情報はナースステーション以外で話さない
  5. マスクはしっかり着用しよう
  6. 電話対応では明るく丁寧な態度を心がけよう
  7. 患者さん家族からの手土産は受け取らない
  8. ご高齢の患者さんへも敬語で話そう
  9. まとめ

患者さんのことは普段から敬称を付けて呼ぼう

まずは基本的なことですが、患者さんのことは必ず「〇〇さん」と呼びましょう。敬称を略して呼び捨てやあだ名で呼ぶのはNG。仲の良い患者さんだとついついあだ名で呼んでしまうこともありますが、あくまで患者さんと看護師の関係です。敬称を付けて呼ぶように徹底しましょう。

私が働いていたときには、「ここの病院では患者さんをあだ名で呼んでいる」とクレームが入ったことがありました。ご家族からしたら、自分の家族が雑に扱われているのではないかと嫌な気持ちになってしまうので、普段から気をつけましょう。

看護師同士でもあだ名や名前呼びは避けよう

看護師同士で仲が良いと、ついついあだ名で呼んだり下の名前で呼んだりすることってありますよね。ですがそういった呼び方は馴れ馴れしい印象になり、真面目に仕事をしていないと思われてしまうことも。患者さんご家族からはあまり良い印象ではありません。

以前働いていた病院で、ご家族から担当看護師を呼ぶように言われました。私は担当看護師と同期でしたので「〇〇ちゃん」とうっかり下の名前で呼んでしまったのです。すると、その呼び方を不適切だと思った患者さんのご家族からご指摘を受けました。気が緩んでいるように見えるので不適切だとのことでした。

患者さんはもちろん、患者さんのご家族にもさまざまな価値観の方がいます。安心して治療をお任せいただけるように、礼儀として同僚のことは「〇〇さん」と名字に"さん"を付けて呼びましょう。

病棟内は常に清潔に保とう

病棟内の汚れ、ナースステーションの散らかりを患者さんのご家族はよく見ています。治療をおこなう場所が清潔でなく整っていないのは不信感を与えてしまいます。常に見られている意識をもって、清潔に保つよう心がけましょう。こまめな清掃や整理整頓できれいな環境を保つことも、医療スタッフの勤めです。プロ意識を持って取り組みましょう。

患者さんの情報はナースステーション以外で話さない

患者さんの情報を、病室や廊下など、ナースステーション以外で話してはいませんか? 患者さんの病名、病状などは個人情報です。うっかり漏れてしまわないよう、ナースステーション以外では患者さんの情報を話さないよう徹底しましょう。

他の方の個人情報を聞いてしまった方は、自分の情報もどこかで話されてしまっているんじゃないかとヒヤヒヤしてしまいます。気をつけるに越したことはありませんので、患者さんの情報は無闇に話さないよう徹底しましょう。もちろん、電話越しで患者さんの情報を聞かれた際にも同様です。電話ではどなたからかかってきているのか判断できないので「お答えしかねます」と伝え個人情報を漏らさないようにしましょう。

マスクはしっかり着用しよう

今の御時世は特にですが、医療者のマスク着用は徹底しましょう。マスクから鼻だけ出ていたりするとだらしない印象です。マスクの効果も薄れてしまいますので、しっかりと着用するよう意識することが重要です。マスク一つで病院の印象が悪くなってしまっては悲しいです。常に意識することを忘れず、紐が緩んだら新しいものを使うなどしっかりと対策しましょう。

電話対応では明るく丁寧な態度を心がけよう

電話対応では明るく丁寧な態度を心がけましょう。電話対応へのクレームは意外と多いのです。私が勤めていた病院では「さっき電話対応した〇〇さんの態度が悪かった」「さっき話した相手を出してくれ」と言われることがしばしばありました。電話では表情が伝わらないため声で判断されてしまいます。対応の悪さは最もご指摘を受けることが多い部分です。患者様やご家族に不快な思いをさせないよう、電話でも丁寧な対応を心がけましょう。

患者さん家族からの手土産は受け取らない

こちらもトラブルに発展しやすい部分です。患者さんのご家族は病院へ出向く際に手土産を持ってきてくださることが多いです。中には現金を持ってくる方も。そういったものは一度受け取ってしまうと毎回持ってきてくださったり、賄賂的な扱いとして捉えられてしまったりすることも。患者さんご家族への負担にもなってしまいますので、どんな手土産でも受け取れないよう徹底しましょう。

今回だけ、と受け取ってしまうと、「なぜさっきの家族の手土産は受け取って私たちのは受け取ってくれないんだ」と差別しているようにも捉えられてしまいます。どのご家族からも手土産は受け取らない、という決まりを徹底し、スタッフ全員に周知する必要があります。

ご高齢の患者さんへも敬語で話そう

ご高齢者の患者さんに対してついついタメ口になっていることはありませんか? 「〇〇だよね」「〇〇しよっか」などと、介護していると甘い口調になってしまうこともしばしば。本人は無意識かもしれませんが、第三者から見るとなんて失礼な態度なんだと感じることもあります。患者様のご家族からしても失礼な態度だと思われてしまうことが多いため、患者さんへは必ず敬語で接しましょう。

まとめ

どれも基本的なことですが、意識せず働いているとついついやってしまっていることもあるでしょう。患者さんも患者さんのご家族も、スタッフの態度や言動をとても良く見ています。いつ見られても失礼のないような態度を心がけ、気持ちの良い看護を提供しましょう。

辞めない職場つくりませんか?

特徴

”伴走型のコンサルティング” 『私たちは経営者(院長)とスタッフの間の潤滑油である』をモットーに様々な医療機関の人事制度(組織風土、給与制度改定、目標管理・人事評価システムの構築 職員教育計画策定ならびに実施、退職金制度改定等)を支援をさせていただいています。

対応業務

採用支援

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

ベル

執筆 男性看護師ライター | ベル

看護師歴14年目。救急、ICU、外科、内科を経験トラブルも多い看護の世界でいろいろいあってもこの仕事が好きな男性看護師。 現在、管理職として働きながらブログなどでも経験を活かしたノウハウを執筆しています。


他の関連記事はこちら