医療機関における受付・案内ロボット導入の現状・課題とは?
2022年2月、神奈川県横浜市にある『横浜保土ヶ谷眼科』が案内ロボット「KettyBot」(ケティボット)を導入しました。飲食業界では、すでに多くの企業がロボットをアテンドや配膳用に配置していますが、医療業界ではまだまだ実例は少数。では、医療機関における受付・案内ロボット導入の現状はどうなっているのでしょうか? 日本国内で「KettyBot」の展開を担っている『Pudu Robotics Japan株式会社』に伺いました。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
PUDU製ロボットの日本の医療機関導入は眼科が初めて
――医療機関における受付・案内ロボット導入の現状を教えてください。
医療機関でのロボット活用は、これまでさまざまな実証実験が行われていますが、「ロボットによる案内」はまだまだこれからという状況です。弊社でも、医療機関への導入事業はまだ発足したばかりの段階です。
「KettyBot」の公式動画
――2022年2月から『横浜保土ヶ谷眼科』で「KettyBot」の運用が始まりました。他の医療機関でも「KettyBot」は活用されているのでしょうか?
いえ、弊社の「KettyBot」が日本の医療機関に導入されるのは、『横浜保土ヶ谷眼科』が初めてになります。『横浜保土ヶ谷眼科』への導入をきっかけに、医療機関業界全体で「ロボットによる案内」という、新しいインテリジェントサービスが広まっていくのではと期待しています。
ニーズを満たせるだけの機能が必要
――医療機関での受付・案内ロボットのニーズを教えてください。
多くの医療機関で「人手不足」が問題になっています。患者さんの数は増えているのに、業務を行う上で必要な人材が集まっていないのです。そのため、受付や案内を行うロボットのニーズは高まっています。
また、カルテを紙で管理しているというクリニックも少なくありません。その場合、受付のたびにスタッフが何度も往復してファイルを取りに行かないといけませんが、往復作業をロボットに任せれば、それだけ作業時間を削ることができます。こうした、受付や案内以外でのニーズもあります。
他には、食堂があるような規模が大きい病院でもロボットのニーズがあります。例えば、料理の配膳または下げ膳の作業を任せるといった形での活用が期待されています。
――医療機関へのロボット導入の「課題」は何でしょうか?
現状、受付・案内や配膳といった作業はロボットでカバーできていますが、それ以外の医療機関での業務はロボットでは行えません。もちろん、受付・案内以外でもロボットを使いたいというニーズはあるものの、そのニーズを満足させるだけの機能を持たせることができていないのです。ニーズを満たすためにどのような機能を持たせたり、アップデートを施したりすればいいのかを考える必要があります。
ロボット導入がより良い医療の提供につながる
――医療機関へのロボット導入はどのようなメリットをもたらしますか?
ロボットを導入することは医療機関の運営コストの削減につながります。また、スタッフの作業時間も減るため、医療スタッフが患者により専念できるようになり、患者さんのサービス体験を向上させることができます。
――御社の「KettyBot」ができることを教えてください。
「KettyBot」の場合、医療機関では以下のような形で利用ができます。
①「KettyBot」の操作画面に、患者さんからよく聞かれる質問と回答を事前に設定。患者さんから質問があった場合に、画面を通してすぐに答えることができます。
②「KettyBot」中央にある18.5インチのスクリーンで、患者さんへの通知や注意事項などの情報をループ再生。院内を巡行させることで、患者さんに情報伝達ができます。巡行範囲も設定可能です。
③「KettyBot」の得意分野が「配送」です。資料ファイル以外にも、約30kgまでの重めのものもスタッフの代わりに運びます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
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ロボットを導入したクリニックからの反響
――「KettyBot」を導入した『横浜保土ヶ谷眼科』からどのような声が寄せられていますか?
『横浜保土ヶ谷眼科』からは、
- ロボットの外形が院内の雰囲気に合っている
- 小さいお子さまに人気
- 患者さんを避けて動くなど安全性が高いと感じている
- ファイルと医療設備の配送で役立っている
といった声をいただいています。特に「ファイルと医療設備の配送」といった作業をロボットが行うことで、医療スタッフの負担を削減できているとのことです。「スタッフが患者さんの対応に集中できて、サービスの向上にも繋がっている」と高い評価を得られています。
――今後、さまざまな医療機関で導入されるかもしれませんね。
『横浜保土ヶ谷眼科』以外にも、今後は歯科など多くの医療機関で導入する予定です。スタッフの負担軽減を考えているクリニックさまや、開院する際にロボットを導入したいという先生は、ぜひお問い合わせいただきたいと思います。
ロボットを用いることでスタッフの作業負担も軽減できますし、新型コロナの影響で重要性が増した「非接触でのサービス提供」という点でも貢献します。アップデートにより、今後はさらに「ロボットでできること」の幅も広がるでしょう。ロボットをうまく活用すれば、患者さんに提供する医療の質を高められるかもしれません。
『Pudu Robotics Japan株式会社』「KettyBot」
取材協力:Pudu Robotics Japan株式会社
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2022年7月時点の情報を元に作成しています。