一人前の整体師になるべく修業を積んだ後、独立開業したいと考えている人は多いはず。
しかし、開業するためには、整体師としての腕を磨く以外に必要な準備がたくさんあります。具体的にどんな準備が必要なのか、早速みていきましょう。
事業計画書を作る
開業を検討しているなら、まずおこなうべきことは事業計画書の作成です。事業計画書とは、どのように事業を運営していくのかを示した計画書のこと。「開業する目的」「理想とする患者層」「理想とする開業地」「利益目標」などを、数値目標を含めて具体的に落とし込んでいきます。
とはいえ、いきなり「今から事業計画書を作ってください」といっても、すぐに一枚の紙に必要なことをすべてまとめるのは難しいでしょう。
そのため、まずはアイディア段階でもいいので、「こんな整体院にしたい」「収入はいくらぐらいほしい」などを紙に書き出すことからはじめていくといいでしょう。自分の理想が明確になってくると、そのためにはどんな物件が必要なのか、どんな機器が必要なのか、1日に何人の施術をおこなえば理想通りの収入を得ることができるのかがわかってきます。
物件を選ぶ
開業したい大まかな場所が決まったら、早めに物件を探し始めます。ただし、駅近など立地がよければ、予算が高かったり競合が多かったりする場合が多いので、「その場所で開業して採算がとれるのか?」については十分に調査することが必要です。
独自の調査ではどの物件がいいか判断しきれない場合は、コンサルタントなどの専門家に相談するといいでしょう。
開業に必要な資金を準備する
理想の物件や使いたい器具などが決まったら、それらの購入やレンタルのために必要な資金を用意する必要があります。すでに十分な資金が手元にあるなら、一から準備する必要はありませんが、そうでないなら、早い段階で見積もりを出して捻出方法を考えることが必要です。
具体的には、最低限、物件費、内装工事費、設備費、備品購入費、広告宣伝費の5つが必要となります。物件費や内装工事費は広さによって異なりますが、5坪程度の物件を借りた場合の金額の目安は、前者が100万円程度、後者が200万円程度です。
また、主な備品は以下の通りです。
- 施術用ベッド(枕、フェイスタオル、バスタオルなども)
- 白衣または施術用のユニフォーム
- 患者用施術着
- 待合室の椅子やソファー
- カーテン
- 冷暖房器具
- 受付のデスクおよび椅子
- 電話
- パソコン
- コピー機
- 電子カルテ(紙カルテの場合は保管用の棚など)
- スリッパ
- 傘立て
- 玄関マット
- 保険証 診察券入れ
- 洗濯機(シーツやタオルの洗濯のため)
- ほうきや掃除機などの掃除用品
- ゴミ箱、ゴミ袋(トイレの汚物入れも)
細かなものまで考えるともっとありますが、最低限、上記は用意しておきたいところです。それぞれいくらかかるかを計算すると、備品代としていくら必要であるのかがわかります。
また、広告宣伝費としては、ホームページ作成費やチラシのデザイン・印刷代などが必要です。ホームページを自作する場合はサーバー利用料とドメイン料のみの捻出で済みますが、ITが得意でない場合は外注するのが得策でしょう。
開業資金の準備方法を考える
開業資金の準備方法として最初に考えられるのは、早くから計画を立てて貯金することです。5坪程度の物件での開業であれば数百万円の初期費用で実現可能なため、計画的に準備を進めれば十分貯金できるでしょう。
とはいえ、開業するのには勢いが必要なこともありますし、ベストなタイミングというものもあります。そのため、貯金が貯まるまで待っていられないこともあるでしょう。その場合、どうやって開業資金を用意するかというと、親や親族に借りる以外では、主に3つの方法があります。
1つめは、金融機関から借りる方法。2つめは、日本政策金融公庫に融資の申請をすること。そしてもうひとつは、助成金を利用する方法です。いずれの場合も、申請には事業計画書をはじめとする書類の提出が必要なので、申請を却下されないように過不足のない書類を作成することが不可欠です。
事業計画書作成に自信がない場合は、税理士に依頼するという選択肢を視野に入れてもいいでしょう。
メニューや価格を決める
メニューおよび価格の設定は、もっとも重要なポイントのひとつです。相場より安ければ、価格に惹かれて予約してくれる人も多い一方、人数をさばかなければ十分な儲けが出なくなります。反対に、相場より高く設定するのであれば、「その値段であっても来院したい」と思ってもらえるような特徴を打ち出していく必要があります。「整体師の腕がいい」ことはもちろん大きな売りになりますが、最初のうちは腕がいいかどうかは知ってもらえていませんし、ホームページなどで腕の良さをアピールすることは至難の業。お得なキャンペーンやポイントカードシステムなどを取り入れながら、うまく患者を取り込んでいくことが望ましいでしょう。また、最近では、クレジットカード決済やQR決済に対応しているかどうかなども、整体院選びのポイントのひとつになっているので、手数料がかかったとしても幅広い決済方法に対応していくことがおすすめです。
ホームページを作成する
ホームページには、「アクセス方法」「営業時間」「住所・電話番号」「価格・メニュー」といった基本情報に加えて、地域の人にとってどんな整体院でありたいのか、開業への思いなども載せると、見た人に好感を持ってもらいやすいでしょう。また、ホームページ上で予約できるシステムを導入しておけば、患者満足度向上にもつながります。
チラシを作成する
内装工事が終わり、ホームページも完成して、いよいよ開業間近となったら、地域の住民たちに自院のことを知ってもらうためにも、チラシをポスティングするのがおすすめです。住所や電話番号、営業時間、価格およびメニューといった基本情報を一枚のチラシにまとめるだけでなく、アピールポイントをキャッチコピーとして挿入したり、初回限定のお得なクーポンを兼ねたチラシにしたりすることで、集患率UPを狙いましょう。
計画や情報は常にアップデートしていこう!
事業計画書やホームページの制作などが初めてであれば、わからないことや不安なことも多いでしょう。しかし、わからないながらも着手して進めていくうちに、「こうすればうまくいくのか」「もっとこうしたい」と方向性や改善点がみえてきます。そのたびに事業計画やホームページの情報をアップデートしていけば、よりよい形で開業に漕ぎつけられることはいうまでもありません。資金調達のための事業計画書を再度提出することなどはもちろんできませんが、改訂したことをホームページに反映したり目標を更新したりすれば、それに伴いモチベーションもアップしていきますよ。
特徴
依頼内容
職種
建築内容
診療科目
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対応業務
その他の業務
診療科目
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この記事は、2023年1月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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