美容クリニックでできるクレーム対策は? 

クリニックを運営していくうえでは、クレーム対策について考えることが不可欠です。「クレームが入った場合どうすればいいのか」「なぜクレームが多いのか」「クレームを減らすためにはどうすればいいのか」など、考えるべきことはたくさんあります。そこで今回、美容クリニックがとるべきクレーム対策について解説していきます。

目次
  1. 美容クリニックにクレームが入る原因は?
    1. すべての診療科に入り得るクレーム
    2. 美容クリニックならでは「施術に関する」クレーム
      1. カウンセリング時に患者の希望をしっかり聴き取っていなかった
      2. 無理な要求を引き受けた
      3. ドクターと患者の“イメージしていたもの”が違っていた
      4. ドクターやスタッフが施術に失敗した
    3. 美容クリニックならではの、契約に関するクレーム
  2. クレームを予防する方法は?
    1. カウンセリングの質を上げる
    2. 「仕上がりイメージ」をできるだけ明確に伝える
    3. 失敗した場合は無料でやり直しする
  3. クレームが入った場合の対処法
    1. まずは事実確認をする
    2. 医療的な対応が必要な場合は対応する
    3. 悪質なクレームの場合は弁護士に相談する
  4. クレーム対応としてもっとも悪手は「無視」

美容クリニックにクレームが入る原因は?

美容クリニックにクレームが入る原因はいくつかあります。

すべての診療科に入り得るクレーム

まず、どの診療科にも共通して言えることですが、「ドクターやスタッフの対応が悪い」「電話がつながりにくい」「予約しても待たされる」「掃除が行き届いていない」などのクレームが入ることがあります。

美容クリニックならでは「施術に関する」クレーム

内科や皮膚科などには、「症状が治らなかった、悪化した」といったクレームが入る可能性がありますが、美容クリニックを利用する患者は、そもそも怪我や病気を患ってはいません。では、処置や施術に関してはどんなクレームを入れる患者が多いかというと、「説明を受けて期待していた結果と違う」ということです。では、なぜ患者が期待していた効果を得られないことがあるかというと、以下のような原因が考えられます。

カウンセリング時に患者の希望をしっかり聴き取っていなかった

美容クリニックにおけるカウンセリングは本来、本来は患者の悩みや理想を炙り出し、そこにどこまで近づけるか、そのための方法としてどんな施術があるかを説明するものです。しかし実際には、施術や外科的処置を行う前に同意書にサインしてもらうために、規約を一通り読むだけにとどまっているケースもあります。

それでもサインを得られたら問題ないと考えるクリニックもあるかもしれませんが、たとえ法的には問題がなかったとしても、「しっかりした説明がなかった」と口コミなどでクレームを入れてくる患者もいます。また、そもそも患者のなかには、「今の容姿がイヤだ」という思いは明確であるものの、「どうなりたいか」に関してははっきりと思い描けていない人もいます。

そのため、イメージが曖昧なまま施術や外科的処置を行った結果、「こんなふうになりたいだなんて言っていない」とクレームを入れてくる可能性があります。

無理な要求を引き受けた

たとえば美容整形であれば、元のパーツを考えるとそこまでの変化は難しいということもあれば、「〇才以上若見えしたい」「1週間以内に肌荒れを完治させたい」など、確約が難しいことを要求されることもあるでしょう。

こうした要求に対して、「できるところまでやってみましょう」と患者を受け入れた場合、100%は期待に応えられない可能性があることをはっきりと伝えておかなければ、後々クレームを入れられる可能性が高いといえます。

ドクターと患者の“イメージしていたもの”が違っていた

美容クリニックでの施術や外科的処置は、けがや病気を治すためのものではありません。けがや病気を治す治療や手術であれば、「治ったかどうか」という絶対的基準があります。

しかし、美容クリニックでの処置や外科的処置に関しては、「患者が望む状態になったか」という極めて曖昧な基準しかありません。たとえばシミやニキビ、ホクロの除去や脱毛の施術であれば、誰が見ても同じゴールを設定できますが、胸の形や二重の広さなどは、ドクターと患者とでよしとするラインに違いがある場合も多いでしょう。

そのため、ドクターからしたら「キレイに仕上がりましたよ」と自信を持って言える結果であっても、患者は納得がいかないということも考えられます。

ドクターやスタッフが施術に失敗した

施術に失敗してクレームが入ることももちろんあります。たとえば、レーザー照射を担当するスタッフが、患者に、「痛くないからもう少し強く当ててほしい」と言われてそれに応えた結果、火傷をしてクレームが入るパターンは多いかもしれません。

また、腕があるドクター外科的処置を担当した場合でも、患者一人ひとりの体質や肌質にも違いがあるため、腫れが引かないことや出血が止まらない可能性はゼロとは言い切れません。

美容クリニックならではの、契約に関するクレーム

美容クリニックならではのクレームでもうひとつありがちなのが、「勢いで契約したけど、よくよく考えたら高額だから返金してほしい」というものです。

これに関しては、一般的に、金額が5万円を超える場合は「特定商取引法」が適用となり、クリニックが契約書面を受け取った日を含む8日間ではクーリング・オフの対象となります。また、クーリング・オフ期間を過ぎた場合も、契約期間内であれば、患者は決められた金額を支払うことで中途解約することが可能とされています。

事実、国民生活センターには、「カウンセリングを受けて外科的処置を行うことに承諾したが、冷静に考えると高額で支払えない」といった相談が入ることが多いとされているので、クリニック側もクーリング・オフ制度に関してはよく理解しておくことが必要です。

 

クレームを予防する方法は?

続いては、クレームを最小限にとどめるための方法をみていきます。

カウンセリングの質を上げる

クレームを防ぐためにまず大切なことは、カウンセリング時にじっくりと話を聞き、患者と「会話」することです。

美容クリニックの施術や外科的処置のほとんどには、「同意書」が用意されているため、ドクターやスタッフは、「同意書にサインしてもらうこと」を目的に話を進めがちです。特にスタッフがメインで患者から話を聞き出すクリニックの場合、スタッフはスタッフで「営業ノルマを達成したい」という事情があるため、とにかく同意書にサインさせたいと必死になってしまうこともあるでしょう。

しかし、それこそが大きなトラブルの原因となっていることを考えると、クリニックの体制そのものを見直す必要があるといえそうです。

また、ノルマを達成することを重視した結果、患者の悩みを解決するための最適な施術でないにも関わらず、施術をすすめてしまうことなどもあり得ます。

クリニック側からすれば、ひとつでも多くの契約をとりたいと思って当然ですし、営業をがんばることは悪いことではないので難しいところですが、結果的に患者から満足されないものをすすめた結果、クレームが入るリスクが高くなることも覚えておいてください。

「仕上がりイメージ」をできるだけ明確に伝える

ドクターと患者の“美の基準”が違うことに対するクレームを防ぐためには、できる限り、仕上がりイメージを明確に伝えることが有効です。シミュレーションシステムなどを導入していて、実際に3Dなどで患者に提示することができるなら尚可です。

失敗した場合は無料でやり直しする

明らかな失敗に関しては、無料でやり直しすることが筋です。そのため、このパターンに関しては、はじめから「あり得る」としたうえで、失敗が起きた場合は無料でやり直す旨、患者に伝えておくことが、クレームを防ぐことにつながります。

たとえば、日本で名前を知らない人がいらないほどの大手クリニックも、「失敗する可能性はゼロではない」としたうえで、失敗した場合は無料でやり直しすることを公言しています。

 

クレームが入った場合の対処法

続いては、クレームが入った場合の対処法をみていきましょう。

まずは事実確認をする

クレームが入った場合、まずは事実確認をすることが大切です。患者が施術の結果に満足していないことは事実だとしても、「施術前に患者がその内容に合意していたか」「ドクターやスタッフからきちんと説明があったか」などの条件を満たしている場合、クリニック側に100%非があるとは言い切れません。

しかし、事実を確認することなく、「合意をいただいているので対応いたしかねます」と突っぱねると、患者も怒りが増すばかり。訴訟を起こされたり悪質な口コミを書かれたりに発展することも考えられるので、まずはしっかりと相手の話を聞きましょう。

医療的な対応が必要な場合は対応する

「赤みや腫れ、痛みが引いていない」「火傷している」などの場合、必ず医療的な対応が必要です。一般的に、美容整形の賠償額は医療過誤と比べて少ない場合が多いため、訴訟を起こしても割に合わないことから、お金をかけてまで訴訟する患者は少ない傾向にあります。

しかし、医療的に落ち度があって対応していない場合は、たとえばマスコミなどに取り上げられた場合、あっという間に悪評が広がり、廃業に追いやられてしまうケースもあります。そもそも、クリニック側に非がある場合は、クレームに対応するメリット・デメリットを考えるまでもなく、「誠心誠意を尽くす」の一択です。

悪質なクレームの場合は弁護士に相談する

場合によっては、クレームに耳を傾けた結果、患者の「美しくなりたい」の主訴に、クリニックとしてできるだけのことをしているのに、「これ以上を望んでいた」「思っていた通りにならなかった」と全額返金や無料でのやり直し、謝罪金を求められることも。

場合クリニックができるだけのことは行った旨を伝え、それでもクレームを取り下げない患者に対しては、弁護士を通して対応することが望ましいといえます。

 

クレーム対応としてもっとも悪手は「無視」

クレームの内容はさまざま。また、クリニック側に非がある場合もあればそうでない場合もありますが、前述の通り、いずれにしても最初にきちんと相手の話を聞くことが大切です。

話を聞いて、どこに問題があったのかを分析して改善に努めることは、必ずクリニックのサービス向上につながります。

一方、クレームにきちんと対応せず無視してしまった場合、クリニックのサービスが向上することがないだけでなく、悪い口コミが広がり、クリニックの評判を落とすことにもつながります。

それを防ぐためにも、クレームが入ったときにきちんと対応することを心がけてくださいね。

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執筆 CLIUS(クリアス )

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