紙の保険証は不要になる? クリニックが保険証について考えるべきこと

2022年10月13日 、河野太郎デジタル相は、紙の健康保険証を2024年秋に廃止する方針だと発表しました。目的は、マイナンバーカードと保険証の一体化推進。従来の保険証の新規発行を停止することによって、マイナンバーカードへの置き換えを推し進めようというのです。しかし、2024年秋はまだ少し先ですが、すでに現在、全国のクリニックは紙の保険証の新規発行を停止しているのでしょうか? 早速みていきます。

目次
  1. なぜ政府は紙の保険証を廃止しようとしているの?
  2. マイナンバーを持っていない人は医療を受けられなくなる?
  3. マイナ保険証を使いたい患者は増えることが予想される
  4. 全国の医療機関におけるマイナ保険証の導入率は?
  5. マイナ保険証導入のリスクは?

なぜ政府は紙の保険証を廃止しようとしているの?

まずは、政府が保険証に関してマイナンバーに一本化しようとしている理由をみていきます。政府が紙の保険証を廃止したい理由は主に2つあります。1つは、マイナンバーの利用促進目的です。これまでにも政府が、マイナポイント還元などの施策を講じてきたものの、2023年4月4日時点での政府の発表でも、申請率が100%に達しておらず、人口に対して76.3%であると報じられています 。

2つめの理由は、健康保険証の不正利用問題対策のためです。なぜマイナ保険証に切り替えることによって保険証の不正利用を防ぐことができるかというと、紙の健康保険証は、免許証やパスポートと異なり顔写真が付いていない一方、マイナンバーカードであれば、これらの身分証明書と同じように顔写真が付いていることから、本人確認の制度が増すためです。

ただしもちろん、顔写真が付いていたら100%不正利用を防止できるかというとそうではありません。いとも簡単に写真を偽造する人もいれば、見た目の印象が近い写真付き身分証明書を使って悪さを働く人もいるでしょう。それでも、顔写真付きカードで確認をとることによって、少しでも不正利用の件数を削減することができるなら、一本化を進めることには大きな意味があるといえそうです。

マイナンバーを持っていない人は医療を受けられなくなる?

マイナンバーカードの申請率が76.3%となると、気になるのが、残りの23.7%は医療を受けることができないのか? ということです。これに関しては、2022年10月24日に岸田総理が、カードを持っていない人には別の制度を用意するとの意向を表明しています。

具体的な内容としては、保険証代わりとなる「資格確認書」を発行するというものです。資格確認書があれば、マイナ保険証を登録していなくても健康保険の適用を受けられるということになります。ただし、資格確認書の有効期限は1年間で、更新は何度でも可能ですが、期限が切れていて更新手続き前に来院した場合は、患者には一旦10割負担で支払ってもらうことになります。

マイナ保険証を使いたい患者は増えることが予想される

23.7%の人がなぜマイナンバーカードを申請していないかというと、そもそもマイナンバーカードは当初、申請するかしないかは任意とされていたからです。ただし、そもそも任意であったにも関わらず、政府から来秋にも紙の保険証を廃止する方針が示されていますし、紙の保険証ではなくマイナ保険証を使ったほうがお得となるよう、制度にも変化が加えられていっています。そのひとつとして、マイナ保険証を利用したほうが、診療報酬の初診時加算額が高く設定されています。

どのくらい差があるかというと、マイナ保険証を利用した場合、診療報酬の加算額は初診時6円ですが、紙の保険証の場合、初診時12円と設定されています 。たった6円の差と思う人もいるかもしれませんが、できるだけ医療費を抑えたいと考えている患者にとっては、少額であっても安くなることは魅力かもしれません。

また、もうひとつ、患者がマイナ保険証を選びたくなる理由があります。それはなにかというと、過去の特定健診情報や診療・薬剤情報などが一元化されること です。お薬手帳を持参していない場合でも、クリニックのほうで過去の履歴を確認してもらうことができるため、安心だと考える人も多いでしょう。もちろん、患者自身でマイナポータルにアクセスして、自らの検診情報や診療・薬剤情報を確認することも可能です。

全国の医療機関におけるマイナ保険証の導入率は?

では、全国の医療機関におけるマイナ保険証の導入率はどのくらいかというと、厚生労働省が公表している「オンライン資格確認の都道府県別導入状況について」によると、2023年5月7日時点において、病院は84.3%、クリニックは65.1%が導入済です。

都道府県別のオンライン資格確認導入状況は2020年11月8日からほぼ1週間置きに更新されていますが、少しずつ数が増えていっているので、2024年秋を待たずして、2023年中にはほとんどの医療機関で導入が完了する可能性もあるでしょう。そうした状況において取り残されてしまうと、患者から選ばれないクリニックになる可能性が高くなるので、少しでも早く導入することをおすすめします。

参照:厚生労働省「オンライン資格確認の都道府県別導入状況について」 2023年5月7日時点Excelより一部抜粋

マイナ保険証導入のリスクは?

ただし、ご存知の通り、マイナ保険証の普及に反対している医療関係者も数多く存在します。理由は大きく分けて2つで、1つめは、ITに疎い高齢者などが使いこなせない場合が多いこと。そしてもう1つは個人情報流出の懸念があるということです。これらの課題解決法に関しては、政府や有識者の間でも日々議論されていますが、このままマイナ保険証の一本化が進んでいくなかでは、各クリニックでも個別に対策を講じる必要が不可欠といえます。開業ナビでも随時最新の情報を発信していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

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