クリニックの院内は土足とスリッパどちらにすべき?

これから開業するドクターが内装に関して気になることのひとつが、患者に土足とスリッパのどちらで過ごしてもらうかということでしょう。この選択が、患者の満足度にも大きく影響する場合があります。そこで今回は、土足とスリッパそれぞれのメリットやデメリット、選択時のポイントなどを解説していきます。

目次
  1. 土足、スリッパのどちらが主流?
  2. 土足のメリット、デメリットは?
    1. メリット
    2. デメリット
  3. スリッパのメリット、デメリットは?
    1. メリット
    2. デメリット
  4. スリッパ仕様から土足仕様に替えるには?
  5. スリッパのデメリットの解消法は?
    1. 殺菌ディスペンサーの設置
      1. 殺菌線ロッカー「スリムエイト」(松吉医科器械)
      2. スリッパ殺菌ロッカー 光触媒方式(コトヒラ工業)
      3. スリッパ殺菌ディスペンサー(新鋭工業)
    2. 耐次亜塩素酸仕様スリッパなどを導入
  6. 患者目線、スタッフ目線どちらも大切にして選ぶのが◎!

土足、スリッパのどちらが主流?

まず、クリニック内での履き物に関して、土足/スリッパの2パターンに分かれるのは基本的に日本だけと考えていいでしょう。世界のほとんどの国は靴を脱ぐ習慣がなく、そもそもスリッパ自体、外国人に畳の間に上がる際に靴を脱いでもらうことを目的として考案された日本生まれの履き物です。

では、昔から建物内では靴を脱ぐことが基本だった日本において、土足OKのクリニックがたくさんあるのはなぜなのでしょう? 理由は、もともとはほとんどのクリニックがスリッパに履き替えることを基本としていたものの、道路が舗装されて靴に土などが付着しにくくなり、仮に靴に菌などが付着していても消毒などで院内を衛生に保ちやすくなったことから、土足のまま入ってOKとするクリニックが増えてきたためです。同時に、誰が履いたかわからないスリッパを履くことを不潔だと考える人が増えたことも理由です。

これらのことから、現在はどちらのクリニックも存在しますが、今後さらに、土足で入れるクリニックが多くなっていくことが想定されます。

土足のメリット、デメリットは?

続いて、土足のメリット、デメリットをみていきましょう。

メリット デメリット
土足 ・スリッパ代不要
・患者の靴の履き間違いがない
・患者が靴を履き替える手間がかからない
・院内に泥やホコリが持ち込まれる
スリッパ ・院内の床を清潔に保ちやすい ・患者が履き替えるのが手間
・スリッパを常に清潔に保つために買い替え、買い足しが必要
・白癬などの感染リスクがある
・スリッパの消毒が手間

メリット

靴を履き替える手間がかからないことは、患者にとって最大のメリットです。また、クリニックでスリッパを用意する必要がないぶん、経費を抑えられます。スリッパは一度用意したら永久に使えるものではないので、定期的な買い替えが必要です。また、診察を終えた患者が他の患者の靴を間違えて履いて帰る心配がありません。

デメリット

道路の舗装が進んだとはいえ、患者の靴に付着した泥やホコリがある程度は院内に持ち込まれることになるため、より念入りに掃除することが必要になります。特に雨の日は水気まで持ち込まれるため、院内が滑りやすくなるという危険もあります。それを防ぐために、玄関などに機能性マットを設置することは不可欠。また、マットそのもののまめな取り換えも必要です。

スリッパのメリット、デメリットは?

続いてはスリッパのメリット、デメリットです。

メリット

患者の靴に付着した泥やホコリが、院内に持ち込まれる心配がありません。また、雨の日でクリニックに着くまでの間に靴が濡れてしまった患者などに、履き替えることで快適に過ごしてもらえます。

デメリット

靴を履き替えなければならないことを手間だと感じる患者は多いでしょう。また、使いまわしだと白癬が感染することなどが考えられるため、一回一回消毒することが望ましいですが、ひっきりなしに患者が来院するクリニックなどだと難しい場合もあるでしょう。さらに、診察を終えた患者が間違えて他の患者の靴を履いて帰った場合、靴がない患者に対して履き物を用意する必要があります。

スリッパ仕様から土足仕様に替えるには?

現在、玄関で靴を履き替える仕様のクリニックでも、今から土足のまま入る仕様にすることは可能です。事実、スリッパに履き替えることを不便だと感じたり、衛生面を気にしたりする患者が多いことから、リフォームするクリニックは増えています。土足で院内に入れるようにリフォームすれば、車椅子でもそのまま館内に入ることができるなど、患者にとっては負担軽減となります。

土足仕様にリフォームする際は、床材を土足で歩くのに適したものに変えることになります。クリニックに適した床には、スリッパ仕様の軽歩行用もあれば土足仕様の重歩行用もあるので、どんな選択肢があるのかを業者と相談しながら、価格なども含めて最適なものを選ぶことをおすすめします。

リフォームにかかる費用は概ね税別70万円~。工期は最低3日程度必要なので、業者と相談しながらゴールデンウィーウやお盆、年末年始などの期間をうまく利用できるとベストでしょう。

スリッパのデメリットの解消法は?

スリッパから土足に替えたいと思っているものの、すぐに内装を変えることが難しい場合は、スリッパの除菌殺菌に力を入れることや、スリッパそのものを抗菌性の高いものに変えることなどが有効です。

殺菌ディスペンサーの設置

履き終わったスリッパを庫内に入れることで簡単に殺菌できるディスペンサーを設置すれば、スリッパをしっかり除菌できるだけでなく、患者からも安心してもらえます。

【人気の殺菌ディスペンサー】

殺菌線ロッカー「スリムエイト」(松吉医科器械)

スリッパの出し入れをするたびに紫外線灯が点灯。内蔵式タイマー付きのタイプは、15分経つと自動的に消灯するため管理が楽です。
収納靴数:8足 定価:138,000円~

参照:殺菌線ロッカー(スリムエイト)

スリッパ殺菌ロッカー 光触媒方式(コトヒラ工業)

全面アルミ内装&網棚仕様で、360度どの角度からも殺菌してくれます。本体価格は安くはありませんが、月々の電気代を抑えられる低コスト設計です。
収納靴数:20足 定価:365,000円

参照: スリッパ殺菌ロッカー 光触媒方式

スリッパ殺菌ディスペンサー(新鋭工業)

紫外線殺菌灯がスリッパの裏側も内側もムラなく殺菌します。
収納靴数:10足 参考価格:239,000円

参照:スリッパ殺菌ディスペンサー

参照:スリッパ消毒器のおすすめ人気ランキング

耐次亜塩素酸仕様スリッパなどを導入

抗菌加工が施されたスリッパや、丸ごと洗えるスリッパを導入することも、感染症対策につながるうえ、患者へのアピールにもなります。

参照:ASKUL「抗菌スリッパ」特集

患者目線、スタッフ目線どちらも大切にして選ぶのが◎!

土足とスリッパは一長一短でそれぞれによいところがあるので、「患者にとってはどちらが便利か」だけでなく、スタッフにとってはどちらが効率的に業務を遂行できるかも考えて選ぶのがおすすめ。ただし、前述の通り、最近の主流は土足で、スリッパから土足に切り替えるクリニックも増えているので、スリッパを検討したい場合は、メリット、デメリットについても今一度よく考えてみてくださいね。

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執筆 コラム配信 | クリニック開業ナビ

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