電子カルテを選ぶときは、自院がほしい機能がそろっているかどうかを確認することが大切。チェックポイントのひとつとなるのが、「どの診療科に向いている電子カルテであるか」ということです。そのなかから今回は、歯科クリニックにおすすめの電子カルテを紹介していきます。
- 歯科クリニックにおすすめのオンプレミス型電子カルテ
- 歯科クリニックにおすすめのクラウド型電子カルテ
- ISMS認証「Withエポック」
- クリニックにとってだけでなく患者にとっての利便性も追及「Hi Dental Spirit XR-10i」
- 居宅療養情報提供書がその場で入力およびプリント可能「Sunny-NORIS Cloud」
- 現役歯科医が開発した「カルテメーカー」
- 業務ストレスを軽減する3つのfree「Denty-SEED EX」
- 歯科医師・歯科衛生士を強力にサポートする「HAPPY ACTIS-ERD」
- 歯科クリニックに役立つプラットフォームとして契約する「MIC WEB SERVICE」
- 「患者効率化」と「患者とのつながり強化」をサポートする「Dentis」
- 矯正歯科に特化した「Oassis(オアシス)」
- 自由診療に特化した「MEDIBASE」
- それぞれの電子カルテをよく比較検討しよう
歯科クリニックにおすすめのオンプレミス型電子カルテ
まずは、歯科クリニックにおすすめの電子カルテのなかから、オンプレミス型の電子カルテを紹介していきます。
サポート体制が万全「Wise Staff」
院内のさまざまな場所から患者の治療状況およびカルテ、レセプトをチェックできる「Wiseビューア」、デンタルアーチをタッチして、病名・欠損歯・補綴物(ほてつぶつ)などを選択するだけで簡単に入力できる「口腔所見」、領収書、明細書、患者提供文書、処方箋など、会計時に患者に渡す書面を一括で印刷できる「帳票まとめ発行」などの便利な機能を搭載。導入時には、専任のサポートスタッフが対応してくれるうえ、導入後もシステム操作や保険請求に精通した専門スタッフが電話や訪問でサポートしてくれます。
AIが治療計画を支援してくれる「Opt.One3」
AIが、治療完了までの来院予定と治療内容を瞬時に提示してくれます。インプラントを埋入したほうがいい箇所の説明などもわかりやすく提示してくれるため、治療をスムーズに進めることができます。インフォームドコンセントにも対応しているので、患者から治療の合意を得るのもスムーズです。新規導入時のライセンス料は1,900.000円。月額利用料は28,600円。
音声入力対応「多機能歯科電子カルテTDM-maxV」
部位、処置入力が1画面におさまっているので入力が楽。処置入力においては、チェック機能で算定可能項目が強調表示されるので、間違いを減らすことができます。情報共有がスムーズなSOAP入力対応。スマホの音声入力で所見などのカルテ入力が可能なので、パソコンが使えないときなど、所見を登録しておいて、文字化されたデータをスワイプで転送するとカルテ入力が簡単です。
参照:OEC株式会社「多機能歯科電子カルテTDM-maxV」
iPadで直感的に操作できる「iQalte(アイカルテ)」
カルテ作成から会計、レセプトまで一貫してiPadでおこなえる電子カルテです。カルテ作成の基本操作には、部位・傷病名を選択してから処置を入力する手書きカルテのプロセスを取り入れているので、驚くほど簡単に操作できます。
SOAP記載で患者情報をより正確に把握できる「電子カルテシステムWith」
「地域に根差して成長・発展する歯科医院に寄与する」をコンセプトに開発された、歯科クリニックのための電子カルテシステムです。問診で得た内容は、「Subjective(患者から得た主観的情報)」「Objective(客観的医療情報)」「Assessment(客観的医療情報に基づく診断結果と評価)」「Plan(治療計画)」からなる「SOAP」として記載できるよう、入力画面が設計されています。
また、薬剤による医療事故防止のための「チェック&アラート機能」「レセプトチェック機能」「次回金額シミュレーション機能」などの役立つ機能も満載。初期費用は、導入したい機能などによって異なるため、メーカーに問い合わせすることをおすすめします。
歯科クリニックにおすすめのクラウド型電子カルテ
続いては、歯科クリニックにおすすめの電子カルテのなかから、クラウド型の電子カルテを紹介していきます。
ISMS認証「Withエポック」
「電子カルテシステムWith」と同じ、メディア株式会社の電子カルテシステムです。歯科業界でいち早くISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得していることが特徴です。矯正歯科専門クリニック向けに、「保険矯正版 Withエポック」も用意。
クリニックにとってだけでなく患者にとっての利便性も追及「Hi Dental Spirit XR-10i」
視診・刺繍検査、画像を用いた症状・治療説明、自由診療の提案、見積書作成などに役立つ機能がそろっているだけでなく、訪問先でもカルテ記入が可能な歯科電子カルテ統合システムです。スマホ予約、スマホ問診、スマホ診療、スマホ決済、SNS連携など、オンライン診療に使える機能も満載。患者にとっての利便性を追求したシステムなので、患者満足度向上にもつながることが期待できます。
参照:東和ハイシステム株式会社「Hi Dental Spirit XR-10i」
居宅療養情報提供書がその場で入力およびプリント可能「Sunny-NORIS Cloud」
訪問先や自宅からでも処置入力可能で少子高齢化時代にぴったり。居宅療養情報提供書もその場で入力およびプリント可能です。介護請求標準搭載、バージョンアップ自動ダウンロード、他社電子レセプト表示など、業務効率化に役立つさまざまな機能も備わっています。レセプト請求や返戻処理のことで相談したい場合や、新規・小別指導のサポートをしてほしい場合は、医療事務付きCloudレセコン「Sunny-NORIS Cloud+」がおすすめです。後者の場合、レセプト枚数300枚までの点検料金を含んだ月額使用料が税別60,000円~、クラウド設定費用は296,000円~となっています。
参照:サンシステム株式会社「Sunny NORIS-Cloud」
参照:サンシステム株式会社「Sunny NORIS-Cloud+」
現役歯科医が開発した「カルテメーカー」
歯科医師がチェアサイドで使うことを想定して、現役歯科医が開発した電子カルテです。現役だからこそわかる、臨床で本当にほしい機能が満載。POS対応、電子レセプト、電子保存、iPad対応など、業務効率化に役立つ機能はほとんど備わっています。Mac、Windows、iPad、Androidのすべてに対応しています。月額税別15,000円。
業務ストレスを軽減する3つのfree「Denty-SEED EX」
改定・バージョンアップ・緊急案内などを起動画面にリアルタイムに配信してくれる「free Letter」、付箋やメモ感覚で情報共有ができる「free Note」、使用者や使用シーンに合わせて任意の端末を電子カルテとして使用できる「free Client」の3つのfreeにこだわって設計されています。
歯科医師・歯科衛生士を強力にサポートする「HAPPY ACTIS-ERD」
歯科衛生士の診療録・業務管理から、患者とのコミュニケーション、指導、情報の提供まで、現場の声を反映して開発された電子カルテシステムです。算定チェック、会計情報フィードバック、診療ナビゲーション機能など業務改善に役立つさまざまな機能を搭載しています。
歯科クリニックに役立つプラットフォームとして契約する「MIC WEB SERVICE」
電子カルテ、レセコンをはじめとしたさまざまなサービスが内包されたプラットフォームを契約する形になります。標準価格は税込1,735,800円。電子カルテ標準サービス自体は、月額税込3,300円で利用可能。どこにインプラントが埋入されているかが一目でわかる「インプラント管理」(月額税込1.650円)、患者の口腔状態をイラストで残せる「カルテ拡張シェーマ」(月額税込220円)、いつ作製した補綴物かを簡単に確認できる「補綴状況管理(コンディションビュー)」(月額税込770円)などのオプションも用意。
「患者効率化」と「患者とのつながり強化」をサポートする「Dentis」
電子カルテやレセコンといった基幹システムにプラスして、web予約、オンライン診療、キャッシュレス決済、リコールといった“かかりつけ支援機能”をトータルで提供することで、業務効率化と患者とのつながり強化の両方をサポートしてくれるシステムです。患者とのつながり強化に特化した「かかりつけ支援プラン」は、初期費用200,000円、月額利用料10,000円。業務効率化と、患者とのつながり強化の両方をサポートしてくれる「トータル支援プラン」は、初期費用500,000円、月額利用料35,000円。
矯正歯科に特化した「Oassis(オアシス)」
ゴム掛けの表現を視覚的に入力できるなど、矯正歯科の業務をサポートする機能を多彩に搭載した電子カルテです。カルテに登録した写真を5枚法で表示できる「5枚法表示」、同じカテゴリーの別の日の画像同士を横並びで表示できる「画像比較」などの機能も搭載
自由診療に特化した「MEDIBASE」
歯科医のほか、美容外科や美容皮膚科でも支持されている、自由診療特化型のクラウド型電子カルテです。手術(外科的処置)の見積書・契約、薬務の概要書・契約書作成機能、同意書作成(電子署名機能あり)・文書管理機能など、自由診療をスムーズにおこなうことができる機能がそろっています。また、患部や施術部位の写真などを登録して、写真を重ねたり、並べて比較したりする画像管理機能は、患者への説明に役立てることができます。月額利用料は、使用するパソコンの台数に関わらず45,000円となっています。導入時のマスタ設定が必要な場合は100,000円。操作説明が必要な場合は2.5時間で40,000円。いずれもオプションなので不要な場合はこの費用はかかりません。
それぞれの電子カルテをよく比較検討しよう
電子カルテは、大きく「オンプレミス型」「クラウド型」に分けることができるだけでなく、搭載している機能はメーカーによってさまざまなので、導入時には、それぞれの機能をよく比較検討することが大切です。最小限にまで数を絞ったら、そこからは実際にデモを申し込むなどして使い勝手を比べれば、より理想に近いものが見付かりやすくなりますよ!
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2023年7月時点の情報を元に作成しています。