美容クリニックのホームページを開設したら、MEO対策を講じることがとても大切です。MEO対策が万全か否かによって、クリニックの認知度に大きな違いが出ます。具体的にどんなことをすればどんな効果が期待できるのか、早速紹介していきます。

MEOとは？

MEOとは、Map Engine Optimizationの頭文字を並べた言葉です。日本語にすると「マップ検索エンジン最適化」。主にGoogleマップ向けの地図エンジンで、検索結果を上位に表示させることを目的に行う施策を意味します。

具体的にどういうことかというと、Googleで「地域名＋業種」で検索すると、そのエリアの地図に、該当する業種の店舗がマッピングされた形で表示されますが、MEO対策を講じておけば検索結果として上位に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすいというわけです。

「地域名＋業種」で検索をかけたときにGoogleマップ上に自院を表示させるためには、前提として、「Googleビジネスプロフィール」に登録する必要があります。Googleビジネスプロフィールに住所や電話番号、診療時間、ホームページのURLなどを登録しておけば、それらも検索結果に表示されるため、よりたくさんの人に自院を知ってもらうことができます。

ただし、最低限の情報だけ登録しておけばいいというわけではありません。なぜなら、検索エンジンで検索した際、検索結果として表示されるのは上位3件（3店舗）だけで、4件目以降は、「さらに表示」をクリックしてマップを開かないと詳細が表示されないため。ちなみに、上位3位までのGoogleビジネスプロフィールのリストは「ローカルパック」と呼ばれています。

　

なぜ美容クリニックにとってMEO対策が大事なのか？

美容クリニックがMEO対策に取り組むことはなぜ大切かというと、まずは、自宅や職場周辺などの地の利がいいエリアでクリニックを探す人が多いからです。

また、Googleビジネスプロフィールにはユーザーの口コミも入るので、よい口コミを多く集めることができたら、自ずと「このクリニックで施術を受けたい」と思ってもらえる確率が上がるからです。

さらに、Googleには翻訳機能が搭載されているため、日本語がわからない人に対してもアピールすることができるのも魅力です。

　

MEO対策における重要なポイント

続いては、MEO対策における重要なポイントをみていきます。

検索されやすいキーワードを選ぶ

MEOの基本は「地域名＋α（クリニックの場合は診療科目など）」ですが、まず、地域名に関しては、「東京都」「大阪府」のように都道府県単位ではなく、「練馬区」「渋谷」など市区町村や駅名を設定すると検索に引っ掛かりやすくなります。

また、地域名と組み合わせる言葉は、診療科のほかに、「肝斑治療」「肌のたるみ」など、症状やその治療を選ぶのも一手。ただし、あまり知られていないメニュー名などは、検索してもらえる可能性が低いので、潜在患者が検索しやすいキーワードが何であるかを考えることが大切です。

Googleビジネスプロフィールの登録情報を充実させる

Googleビジネスプロフィールの情報欄はすべて埋めることが鉄則です。なぜかというと、キーワードとの関連性が高まるためです。情報欄には、具体的には「クリニック名」「診療時間」「住所」「電話番号」「カテゴリ」「予約リンク」「ビジネス情報」「サービス内容」「関連するwebサイト（クリニックのホームページURL）」「院内の様子がわかる写真および外観写真」「症状の説明や診療案内」などがあります。

登録後は、内容に間違いがないかをよく確認することも大切。たとえば住所が間違っていたら、患者がクリニックに辿り着けませんし、問い合わせの電話がかかってきて受付の業務が増えてしまうこともあります。

登録情報を常に最新の状態に保つ

Googleビジネスプロフィールの情報は、常に最新の状態に保つことが必要です。もっとも気を付けるべきは診療時間。診療時間内であることを確認して来院した結果、その時間にはもう受付を終了していたとしたら、患者からクレームが入ったり、悪い口コミを書き込まれたりする可能性があります。

Googleビジネスプロフィールの口コミを増やすための対策をとる

よい口コミが増えると、そのぶん検索結果上位に表示されやすくなります。そのため、口コミの数を増やすことはとても大切です。では、どうやって増やせばいいかというと、一番は、患者に直接お願いすること。会計時に受付で口コミ投稿依頼のチラシを渡したり、患者がスムーズに口コミを投稿できるよう、投稿画面にダイレクトにつながるQRコードを用意したりするといいでしょう。

悪い口コミにも丁寧に返信する

どんなに気を配っていても、「医師がぶっきらぼうだった」「院内に清潔感が足りない」などの悪い口コミが入る可能性はあります。そしてその口コミは基本的に消すことができません。

悪い口コミへの対処方としては、その口コミに対し、指摘してくれたお礼と、これから改善していきたいと考えている旨を返信することが重要です。

丁寧に返信する姿勢をみせれば、口コミを入れた本人にも、やりとりを見た第三者にも、「このクリニックは信頼できる」と思ってもらいやすいです。

ただし、身に覚えのないことを書きこまれたり誹謗中傷されたりした場合は、Googleに連絡してコメント削除申請を行ったり、コメント機能を通して、自院の潔癖を訴えたりすることが大切です。

クリニックの雰囲気、施術の内容が伝わる写真を投稿する

初めてのクリニックに来院する際、不安を感じる患者さんも少なくありません。

そのため、クリニックの雰囲気が伝わる写真を投稿しておくことも大切です。

美容クリニックの場合は、機器や施術の写真を投稿すると、それ自体がクリニックの大きなアピールとなります。

NAPを統一させる

「NAP」とは、「Name（施設名：この場合はクリニック名）」「Address（住所）」「Phone（電話番号）」の3点のこと。これを統一させるとはどういうことかというと、Googleビジネスプロフィール上の表記とホームページ上の表記を統一させるということです。たとえば、ホームページでは番地を漢字表記にしているのに、Googleビジネスプロフィールではアラビア数字にしていたり、ホームページでは市外局番のあとに「-（ハイフン）」を入れているのにGoogleビジネスプロフィールでは入れていなかったりすると、思うような効果を得られません。

構造化マークアップを行う

構造化マークアップとは、Googleのクローラーに、テキスト情報やコンテンツ内容を適切に理解してもらう記述方法を意味します。これを遵守することで、検索結果に、サイトの要約情報が表示されるようになります。この要約情報を「リッチスニペット（リッチリザルト）」といいますが、検索結果にリッチスニペットが表示されるということは、検索結果上位に表示されているということです。

自院のホームページのSEO対策を講じる

自院のホームページの情報はGoogleビジネスプロフィールの情報と紐づいているため、自院のホームページに適切なキーワードを盛り込んでおくことで検索されやすくなります。

SNSでも積極的に情報発信を行う

SNSやその他のサイトで自院の話題が上がり、拡散されると、Googleビジネスプロフィール内での評価も上がります。SNSで情報発信する際にも、NAPを統一させることが大切です。

　

激戦区の美容クリニックはどんなMEO対策をとっている？

次に、美容クリニックの激戦区とされる東京・銀座のクリニックはどんなMEO対策をとっているのかをみていきましょう。

Googleで、「銀座　美容クリニック」と検索すると、上位3位までの「ローカルパック」に表示されたのは、以下の3つです（※2023年6月後半時点）。

このうち、1番上に表示されている『銀座Mitaクリニック』のGoogleビジネスプロフィールを確認すると、院内、施術機器、施術中の様子、外観などの写真が54枚投稿されており、いずれの写真もとても見やすくキレイです。3院のなかではもっとも口コミ数が少なく、わずか8件の口コミですが、口コミ件数が（まだ）少なくても、キレイな写真をたくさん投稿しておくことでローカルパックに表示される可能性が高まることがわかります。また、同院のホームページはとても見やすく整っているうえ、情報量も多いため、SEO対策にも力を入れていることもわかります。

参照：　銀座Mitaクリニック

2番目に表示されている『銀座美容外科クリニック 銀座院』は、3院のなかでもっとも口コミ数が多く、しかもいい口コミがもっとも豊富。こちらは、写真枚数は28枚ですが、『銀座Mitaクリニック』同様、アクセスや施術内容がわかりやすい写真を多く掲載しています。ホームページは、メニューが豊富でしかも安価であることが一目でわかる仕様なので、「もっと詳しく知りたい」とそれぞれのコンテンツをクリックしてもらえる可能性が高いでしょう。また、Instagram、FACEBOOK、Twitter、LINEなどと連動させていることもポイントです。

参照：　銀座美容外科クリニック

3番目の『BON BON CLINIC 東京銀座院』は、203枚の写真を掲載。同院で施術を受けていると思わしきタレントの写真を多く掲載していることから、注目度も高まっているようです。ホームページデザインも、セレブに愛されているイメージにぴったりなオシャレなデザイン。クリニックの目指す方向性がわかりやすいため、一定の層からは厚い支持を受けそうです。

参照：　BON BON CLINIC

　

MEOは競合との差別化を意識して

「銀座　美容クリニック」の検索結果からもわかる通り、写真を充実させることはとても大切。Googleビジネスプロフィールに掲載するテキスト情報に関しては、テキストをしっかり埋めていけばいいので比較的簡単にできますが、キレイな写真をたくさん用意したり、口コミを集めたり、SEO対策を強化するにはそれなりに時間がかかるため、これらを追求することは、MEO対策のひとつの肝となるはず。

まずは、自院が開業したいエリアのローカルパックを確認することで、何に力を入れると上位に表示されやすくなるのか、研究してみてくださいね。