【2023最新】レセコン徹底比較!後悔しない選び方のポイントは?

クリニックを運営するうえで、なくてはならないシステムのひとつが「レセコン」です。

開業を予定しているなら、どんなレセコンがあるのか一度は調べたことがあるかと思いますが、さまざまなメーカーのものがあるため、どれにすればいいか迷ったという経験もある人もいるかもしれません。

そこで今回は、レセコンの機能や選び方のポイントを詳しく解説していきます。

目次
  1. レセコンとは?
  2. レセコンの種類
  3. レセコンの機能
  4. レセコンの選び方のポイント
    1. 機能
    2. 電子カルテとの連携の可否
    3. UI/UX(=操作性)
    4. 導入コスト
    5. サポート体制
    6. セキュリティ
    7. クラウド型かオンプレミス型か
  5. 人気のレセコン・比較一覧表と詳細
    1. 日医標準レセプトソフト「ORCA」
    2. レセコンの老舗メーカーが作る「Medicom-HRf core」
    3. 4つの「S」がコンセプト「HOPE SX-S」
    4. 働き方改革に役立つ「Hi-SEED W3R Smile」
    5. 複雑な会計業務をサポート「TOSMEC Aventy IV」
  6. レセコン一体型の電子カルテを導入する手もある

レセコンとは?

レセコンとは、医療施設から健康保険組合などの支払機関に対して診療報酬を請求するために、レセプト(診療報酬明細書)を作成するためのコンピューターシステムのこと。

「医療事務コンピュータ」「医療コンピュータ」の別名で呼ばれることもあります。

 

レセコンの種類

レセコンは、「ORCA(オルカ)」「ORCA以外」の2種類に分けられます。

「ORCA」は、医療現場のIT化を推進する日本医師会が会員のために提供しているソフトで、「日医標準レセプトソフト」と呼ばれています。ただし、ORCAのベンダーは一社ではなく複数存在しており、ベンダーによってサポート体制が異なります。

一方、ORCA以外のレセコンに関しては、レセコンメーカー、レセコンソフトともに数十社存在します。また、ベンダーは自社であることがほとんど。そのため、サポートが充実しているのも特徴です。

 

レセコンの機能

先に説明した通り、レセコンの目的は診療報酬を請求するためにレセプトを作成することです。そのため、主な機能は「診療内容の入力」「保険点数の自動計算」「記入データの点検」となります。

ただし、請求情報をもとに経営状況を分析する機能などを有したものもあるので、各メーカーのレセコンを比較検討して選ぶことが重要です。

 

レセコンの選び方のポイント

続いては、自院に導入するレセコンを選ぶうえでチェックすべきポイントをみていきましょう。

機能

前述の通り、経営分析機能を有したレセコンなどもあるので、どうせならベーシックな機能以上のものを備えたレセコンを選びたいというクリニックは、機能面に着目するといいでしょう。

そのほかには、返戻防止のためのチェック機能などもあります。

電子カルテとの連携の可否

機能と同じく重要なチェックポイントが、電子カルテとの連携の可否です。

「A社の電子カルテとは連携可能だがB社の電子カルテとは連携不可」などのパターンもあるので、自院が使っている、または使う予定の電子カルテと連携可能かどうかは必ずチェックすることが必要です。

UI/UX(=操作性)

次にチェックすべきはUI/UX(=操作性)です。特に、電子機器の操作に対して苦手意識が高いクリニックは、使いやすさには重点を置くべきです。

どのメーカーのものでも「難しくて使いこなせない」ということはありませんが、各社のUI/UXの違いによって操作しやすさに差は出るので、デモなどを申し込んでまずは実際に触ってみることをおすすめします。

導入コスト

UI/UXが優れていたり便利な機能がさまざまについていたりしても、コストが高すぎる場合は他のメーカーのものを選んだほうがいいこともあるかもしれません。自院の予算にあったものを選ぶことも大切です。

サポート体制

トラブルが起きた際にすぐに対応してもらえないとなると、レセプトを期限までに提出できないなどの困った事態に発展することもあり得ます。そのため、サポート体制については事前によく確認しておくことが賢明です。

サポート可能な時間帯だけでなく、メールや電話など、サポートの方法もチェックしましょう。また、パソコンを使って遠隔サポートを行ってくれるメーカーであれば、万が一のときにも安心です。

セキュリティ

レセコンに入力する情報は個人情報なので、セキュリティが万全でなければ安心できません。

閲覧レベルの設定が可能なものや、セキュリティの高いサーバーにデータ保存できるクラウド型など、安全性の高い物を選ぶことが望ましいです。

クラウド型かオンプレミス型か

レセコンには、クラウド型とオンプレミス型があります。

クラウド型であればデータをサーバーに保存できるぶん安全性が高まりますが、ローカルネットワークで接続して使用するオンプレミス型のほうがいいという考え方もあるので、自院にはどちらがより適しているかをしっかり考えましょう。

 

人気のレセコン・比較一覧表と詳細

続いては、人気のレセコンの機能などを比較します。

レセコン機能の特徴
ORCA
・50種類を超える電子カルテと連携可能

・全国の地方公費をカバー

・法改正に迅速に対応して新しいプログラムを常に供給

・オンプレミス版、クラウド版の両方を用意
Medicom
-HRf core


WEMEX(旧PHC)

・「病名×診療行為方向」「病名×診療行為部位」「病名×処方日数&容量」など豊富なチェック機能付き

・「オンライン予約」「オンライン資格確認」「オンライン診療」「オンライン決済」などのオプション機能を追加可能

・「検査結果取込」「画像取込」など他社システムとの患者情報一元化による連携管理を実現
HOPE SX-S

富士通

・地域包括ケアサービス、BCPサービスなど、クリニックと患者・地域をつなぐ新たなかたちのサービスを提供

・NTTデータ製レセプト院内審査支援システム「レセプト博士NEO」のレセプトチェックのエンジンとして採用。会計や病名の更新時に自動でレセプトチェックを行ってくれる

・タッチパネル入力可能
Hi-SEED W3R Smile

富士フィルム

・通常業務終了後にスマートチェックを実施すると、翌日出勤日には自動でチェックして出力されたものを確認できる

・候補病名を的確に提案してくれる(=返戻防止機能)
TOSMEC Aventy IV

エムスリーソリューションズ株式会社

・レセプトチェックには「Mighty Checker PRO」採用で縦覧点検や突合点検にも対応

・通常のスクエアタイプの画面のほか、ワイドモニタに対応したタイプも用意

・患者の病名登録や過去の会計内容の修正などの処理が可能

・顔認証付きカードリーダ利用で、新患登録も楽々

 

日医標準レセプトソフト「ORCA」

前半で述べた通り、日本のレセコンは、「ORCAかそれ以外か」の大きく2種類に分けられます。

全国150のORCAサポート事業所が導入・設置・サポートを提供しているので、トラブルがあったときなども安心です。

参照: 日本医師会ORCA管理機構「ORCA」

 

レセコンの老舗メーカーが作る「Medicom-HRf core」

1972年から続いているレセコンの老舗メーカー「WEMEX(旧PHC)」のレセコンは、正確なレセプト作成をサポートする充実したチェック機能が備わっています。

また、クリニックごとの状況に合わせて段階的にカスタマイズできるのも特長です。

参照: WEMEX(旧PHC)「Medicom-HRf core」

 

4つの「S」がコンセプト「HOPE SX-S」

より快適に(Speed)、より簡単に(Simple)、より安心に(Support)、新たなかたちへ(Shape)の4つの「S」をコンセプトとして掲げたレセコンです。

「新たなかたち」実現のために、医療事務システムとつながるクラウドサービスとして「WEB診療予約」「地域包括ケア」「クラウドBCP」の提供などに力を入れています。

参照: 富士通「HOPE SX-S」

 

働き方改革に役立つ「Hi-SEED W3R Smile」

レセプトチェックシステム「べてらん君 collaboration Plus」とレセプトが融合したシステムで、受付業務軽減や返戻対策に役立ちます。

参照: 富士フィルム「Hi-SEED W3R Smile」

 

複雑な会計業務をサポート「TOSMEC Aventy IV」

きめ細かい自動算定や選択式コメントのガイダンス機能など多彩な機能で複雑な会計業務をサポートしてくれるレセコンです。入力操作が関係で会計業務がスムーズになります。

参照: エムスリーソリューションズ「TOSMEC Aventy IV」

 

レセコン一体型の電子カルテを導入する手もある

レセコンは、レセコン単体で導入しようと思うと少ない選択肢から選ばなくてはなりません。

しかし、レセコン一体型の電子カルテを導入すれば、レセコン単体で導入する必要はないので選択の幅が広がります。

これからレセコンを導入しようと考えている人は、どちらの選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

執筆 CLIUS(クリアス )

クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。


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