クリニック開業前に決めたい!休診日・休み時間の設定時に考慮したい要素とは

クリニックの休診日や休み時間を決めるにあたって、考えるべきことはいくつかあります。

「カレンダー通りがわかりやすいから土日休みでいいや」「お昼休みは12-13時が一般的だろう」というのもひとつの考え方ではありますが、よりよい経営のためには、さまざまな要素を考慮したうえで休診日を設定することが望ましいといえます。

具体的にどのようなことを考えたらいいのかを説明していきます。

目次
  1. 休診日時設定時に考慮すべき要素は?
    1. 患者のニーズ
    2. 競合の診療日時
    3. ワークライフバランス
    4. スタッフにとっての働きやすさ
  2. 勤務時間は「1週40時間・1日8時間」以内の遵守が必須!
    1. 1か月単位の「変形労働時間制」も導入可能
    2. スタッフ数が常時10人未満の場合、「1日8時間・1週44時間」の特例が認められる
  3. 今後は「医師の働き方改革」も意識したうえで休診日を設定していくことが大切

休診日時設定時に考慮すべき要素は?

まずは早速ですが、休診日時設定時に考慮すべき要素をみていきます。

患者のニーズ

まず考えるべきは患者のニーズです。たとえば、オフィス街に開業して、その街で働いている人をメインターゲットとするのであれば、働いている人が通いやすい時間帯を考えることが大切です。昼休憩の時間は遅めに設定して、終業後でも来院できるよう夜遅くまで診療することにすれば、患者から選ばれるクリニックとなる可能性が高いです。

反対に、午前中や午後の早い時間帯は来院数が少ないことが考えられるので、夜遅くまで診療する代わりに、午後のみの診療にするのもいいでしょう。また、オフィス街は基本的には土日は閑散とするものなのでニーズが低いといえますが、日帰りの手術なども行っているクリニックであれば、たとえば平日に初診や手術の受付を行って、土曜日に手術を集中させるのもいいかもしれません。

競合の診療日時

エリア内の競合と診療日時がまるかぶりである場合、多くの患者は、「評判のいいクリニック」「行き慣れたクリニック」「少しでも家から近いクリニック」などを選ぶのが一般的です。

しかし、エリア内の競合の休診日に診療を行っていれば、「いつものクリニックが休みだから」「ここしか空いていないから」との理由で来院してもらえることがあります。

しかも、最初は消去方式による選択であっても、受診してみた結果、「いいクリニックだな」と思えば次回以降もそのクリニックに通おうと思うものなので、新規患者の獲得およびその患者の定着受診を十分に狙える可能性があります。

ワークライフバランス

プライベートの時間を大切にできるよう、家族の休みに合わせて自分も休めるようにすることなどももちろん大切です。とはいえ、「家族の休み」と「患者のニーズが高い曜日」がかぶるとなると、医師としてはなかなか前者を優先することは難しいもの。

自分のクリニックを開業したら、多くの場合はそこから何十年と同じ働き方を続けることになるので、自分の人生におけるプライオリティにも目を向けながら考えてみてもいいかもしれません。

もちろん、年齢を重ねていくうちに、若いころと同じように働くことは難しくなり、診療日時を調整しなくてはならなくなることは大いにあり得ます。ですので、一度決めた診療日時を守り続けなければならないということはありませんが、開業時点でもワークライフバランスについて考えておけば、いざというときにも柔軟に変更しやすいかもしれません。

スタッフにとっての働きやすさ

スタッフにとっての働きやすさも、考慮すべき大切なポイントです。有床クリニックであれば夜勤が必要になってきますし、土日も診療を行う予定なら、小さい子どものいる事務スタッフなどは採用が難しくなることもあります。

非常勤医師を雇いたいと考えているなら、優秀な医師を競合にとられてしまわないよう、条件を設定していくことも大切です。

勤務時間は「1週40時間・1日8時間」以内の遵守が必須!

スタッフにとっての働きやすさを考えるうえでは、法律で定められた労働時間の上限を考える必要があります。これを「法定労働時間」といいますが、法定労働時間は「1週40時間以内かつ1日8時間以内」と定められています。たとえば、診療時間が午前9時から午後7時のクリニックの場合、2時間の休憩時間を設ければ1日の労働時間が8時間なので、週5日まで勤務可能ということになります。

ちなみに、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、労働時間が8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければならないことも義務付けられています。

さらに、少なくとも毎週1日の休日か、もしくは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないとも定められているため、短時間労働にする代わりに毎日働いてもらうということもできません。

1か月単位の「変形労働時間制」も導入可能

では、休憩時間が1時間だと1日8時間を超えてしまうからNGかというと、基本的にはNGとなりますが、1か月単位の「変形労働時間制」を導入すれば1日9時間労働が認められます。

「変形労働時間制」とは、「一定期間を平均して、1週間あたりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、特定の日または週に法定労働時間を超えて労働させることができる」というもので、「1か月単位」「1年単位」「1週間単位」の3パターンの単位のいずれかで設定することができます。

参照:

厚生労働省「労働時間・休日」

スタッフ数が常時10人未満の場合、「1日8時間・1週44時間」の特例が認められる

スタッフ数が常時10人未満の場合、保健衛生業や接客娯楽業などの事業場は、1週あたりの法定労働時間を44時間にまで延長できると特例によって認められています。院長自身や、臨時で入っているスタッフは、10人のうちひとりにカウントする必要はありません。

今後は「医師の働き方改革」も意識したうえで休診日を設定していくことが大切

2024年4月1日より、「医師の働き方改革」の運用が開始となることはご存知の通りですが、実際に運用が開始されると、働き手側も今以上に働く条件にシビアになることが考えられます。医師の働き方改革については、厚生労働省が詳しい説明をPDFで用意しているので、休診日などを設定する際にもぜひ参考にしてみてくださいね。

参照:

厚生労働省「医師の働き方改革~患者さんと医師の未来のために~」基礎編

厚生労働省「医師の働き方改革~患者さんと医師の未来のために~」詳細編

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